ONE VOICE / AGNOSTIC FRONT
N.Y.のハード・コア・パンク・バンドの1992年にリリースされた
アルバム。元々早くからかなりスラッシュ・メタルに近い方向性を
押し進めていたバンドだけに、この作品も例に漏れずスラッシィな
作品だ。アップ・テンポの楽曲をリフ中心に、ギター・ソロまで
交えながら進めていくので、スラッシュ・メタル方面のファンにも
十分訴えるだけの内容になっている。演奏といった面でもそれ程
不満を持たせないのだが、スラッシュ・メタル一般のバンドと
比べると、やや重厚さに欠け、突っ走っているだけという
感じがあって、やはりハード・コアだなという感はいがめない。
[79]
AGENT / AGENT
ソフトなプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、
STORMING HEAVENのギタリストRICK LIVINGSTONが在籍していた
カナダのハード・ポップ・バンドで1986年にリリースした
アルバムをボーカリストを代えて録音し直したもの。方向的には
STORMING HEAVENに近い、産業ロック風のハード・ポップだが、
プログレッシヴ・ロック的な要素はまるでない。完全に
録音し直しているので、プロダクション的にも問題ない。楽曲は
ポップな甘ったるいメロディが割と秀逸で、TROY REIDの
ボーカルも力強い。飛びぬけた曲はないが、軽快で良い出来だ。
[82]
EVIDENCE..... / AGENT
カナダのハード・ポップ・バンドのアルバム。STORMING HEAVENの
ギタリストRICK LIVINGSTONがかつて在籍していたバンドだが、
それよりもかなりアダルトな雰囲気を持ったハード・ポップで、
全体的にソフトな雰囲気を持ちながらもTROY REIDの力強い
ボーカルがめりはりを出していて良い感じだ。彼のボーカルは
透った声質で、バラード調の曲でもしんみりと歌い上げていて十分
聴きいることが出来る。演奏も悪くないし、楽曲もまずまずで
悪くないが、これと言った飛び抜けた曲がないのも確かだが、
平均的に良く出来ているので安心して聴いてはいられるが。[82]
SOMETHING'S GOTTA GIVE / AGNOSTIC FRONT
アメリカのハード・コア・バンドの復活第1弾となるアルバム。
1980年代、ニューヨークのハード・コアを代表する大御所的な
バンドで、今作でもその姿を変える事無く復活した。サウンドは
いかにもと言った感じのアップ・テンポのハード・コア然とした
作品で、リフが中心とは言えそれ程スラッシュ・メタル的な
イメージはない。破壊力はあるが、ヘヴィ・メタルのそう言った
系統のバンドに比べると軽く感じられるし、あくまでも
ハード・コアのファン向けと言った所で、ヘヴィ・メタルの
ファンにはそれ程受けないかも知れない。しかし、メロディは
思ったよりはキャッチーだし、取っ付き易い作品だろう。[78]
RIOT RIOT UPSTART / AGNOSTIC FRONT
アメリカのハード・コア・パンク・バンドの再結成第2弾となる
6thアルバム。再結成後の彼等の音楽性の一番大きな変化とも
言えるのは、キャッチーなメロディ・ラインが挙げれるが、
今作ではよりそう言った面が先鋭的に出ている様に感じられる。
それ故、かなりロックンロール的に感じられる作品に
仕上がっており、パンキッシュでキャッチーな
ハード・ロックンロールと言った風だ。もちろん
ハード・コアらしい部分も失われてはおらず、ドライヴ感は
相変わらずだ。楽曲の出来も悪くないし、のりが良いので
ハード・コアが嫌いでもそれなりに楽しめる作品だ。[82]
AGHORA / AGHORA
詳細は不明だが、恐らくアメリカの
プログレッシヴ・メタル・バンドのアルバム。女性ボーカリストの
DANISHTA RIVEROを擁しており、彼女の透った声質の耽美な歌唱が
不思議なエッセンスを付け加えている。この手のものとしてはより
プログレッシヴ・ロック的な色合いが濃いものだが、意外とメタル
的なヘヴィなギターが入って来て、それ程強く違和感は
感じないだろう。プログレッシヴらしく、色々アイデアを盛り
込もうとしているのは伺えるのだが、今一つそれが
成功しているとは言えず、こう言う方向性を目指すならもっと
前衛的なエッセンスを強く押し出した方がめりはりが出来て
良かったと思うのだが。[80]
DEAD YUPPIES / AGNOSTIC FRONT
アメリカのハード・コア・パンク・バンドの7thアルバム。
ハード・コア・シーンの重鎮らしい、如何にもハード・コアらしい
サウンドを聴かせてくれている。元々スラッシュ・メタルの成り
立ちで、ハード・コアとの接点があるのだが、このバンドは
ハードなサウンドを聴かせてくれているものの、歌メロ等は
ハード・コア以外の何物でもない音楽で、スラッシュ・メタル系の
リスナーでも、こう言ったハード・コア的なメロディに聴き
慣れていないと厳しいだろう。ストレートでエッヂのある、のりと
勢いで突っ走るサウンドは流石と言うべきものがあるが。[80]
CHAPTER III / AGATHODAIMON
ドイツのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的には
シンフォニックなブラック・メタルで、そこにゴシック・メタル
的なエッセンスを加えたものと言って良いだろう。北欧
ブラック・メタルらしい、ブラスト・ビートを配した、
メロディアスなブラック・メタルなのだが、この手のものの
多くが、荒涼とした感じのメロディを押し出すのに対して、より
不偏的な哀愁感が強くなっている。ピアノを持ちこんだり、
ゴシック・メタルの風味を加える事によって、そう言う効果が
出ている訳だが、もちろんブラック・メタルらしい邪悪さや
攻撃性も決して失われていない。特にギター・メロディの出し方
等は上手くて、オリジナリティもあるし、この手のものとしては
かなりレベルが高い。[88]
ORDER OF THE ILLUMINATI / AGENT STEEL
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの16年振りの
3rdアルバム。実際には再結成第2弾となるアルバムなのだが、
バンド名の権利関係の問題で、この名義では久々となる作品だ。
今や懐かしいとさえ感じられる様な、オーソドックスな
スラッシュ・メタルで、適度にギター・メロディも絡めて来て、
中々聴き易い作品に仕上がっている。無骨な芋臭さは
感じるものの、昔に比べてプロダクションは格段に
良くなっているし、B級スラッシュ・メタルの格好良さが実に良く
出ている。昔の面影そのままで、まさしくファンが期待する
内容である事は間違いない。[81]