BLOOD ON THE BRICKS / ALDO NOVA
ギタリストとしても名が知られている、カナダ人
シンガー・ソング・ライターの1991年にリリースされた6年ぶりの
4thアルバム。BON JOVIやMICHAEL BOLTONと言った連中の
アルバムに参加したりしていたが、そういった関係もあってか、
共同プロデュース等、JON BON JOVIが大きく関わっている。楽曲は
ストレートなハード・ロックで、のりが良くキャッチーな
メロディのアメリカ的なテイストに満たされている。平均的に良く
出来た楽曲だが、飛び抜けてこれといった曲がないのが残念だ。
メロディアスで明るく渇いた雰囲気のアルバムで出来自体は良い
作品だ。[82]
TRASH / ALICE COOPER
アメリカ人シンガー率いるショック・ロック・バンドの1989年の
アルバム。前作で映画「13日の金曜日PART6」のテーマで完全
復活を遂げての新作になるが、プロデューサーにDESMOND CHILDを
迎え、ヒット曲Poisonを生み出した。I'm Your Gunの様なのりの
良いスピード・チューンもあるが、全体的にミドル・テンポ
中心で、ALICE COOPERらしいダークさを持つメロディの楽曲が
中心になっている。ALICE COOPERの独特のしゃがれ声で作り
出される世界は、独創的で面白い。彼の声は好き嫌いが
分かれるかも知れないが、アルバムの確かに良い出来だ。[84]
HEY STOOPID / ALICE COOPER
アメリカのベテラン・シンガー率いるショック・ロック・バンドの
1991年にリリースされたアルバム。ALICE COOPERの独特の
しゃがれ声は変わる事なく、独特の風味を付けている。
昔のおどろおどろしさはやや影を潜め、全体的に彼としては
爽やかにすら感じる作品に仕上がっている。ミドル・テンポ中心の
キャッチーさを持ったメロディの楽曲で構成されており、その
仕上がりはさすがと思わせるだけの出来である。前作と比べると
これといった飛び抜けた曲がないのが残念だが、全体の
クオリティは高い。[82]
THE LAST TEMPTATION / ALICE COOPER
アメリカのショック・ロック・シンガーの1994年にリリースされた
アルバム。1991年に行われたアメリカでの公演の模様を収めた
ライヴ・ミニ・アルバム、LIVE AT ELECTRIC LADYが
カップリングされたボックス・セットになっている。久しぶりに
コンセプト・アルバムとなっており、
WELCOME TO MY NIGHTMAREでのキャラクターを使って、昔の路線に
戻そうとしている。そう言う意味ではここ数作のポップ路線とは
明かに色合いが変わっており、ポップ路線が商業的に
成功していただけに、何故こう言う路線変更を行ったのか
気になるところだ。[80]
FACELIFT / ALICE IN CHAINS
いわゆるシアトル系と言われるバンドの先鞭とも言える
ヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされたデビュー盤。
ドゥーミィな感覚すら匂わせながら、グルーヴィにうねっていく
様は一種独特の世界を築き上げていると言って良いだろう。
ミドル・テンポ中心の楽曲がこのうねりをより際立たせており、
この彼等の今までに類を見ないスタイルは、不思議と耳を
引き付けてくる。楽曲の出来もなかなか良く、全体的に素晴らしい
作品に仕上がっている。1990年代の新しいヘヴィ・メタル姿の
ひとつにもなり得る素晴らしい作品だ。[89]
DIRT / ALICE IN CHAINS
アメリカのシアトル系ヘヴィ・メタル・バンドの1992年に
リリースされた2ndアルバム。ドゥーミィでグルーヴィな独自の
世界は前作と変わりはないが、うねりはかなり減じていて随分
ストレートな作品になった様に感じる。その分随分
聴きやすくなった訳だが、逆に楽曲にフックが減ってしまった
様にも思える。サイケデリックでさめた雰囲気を醸し出している
楽曲は前作に劣らず良い出来だ。よりストレートになったために、
前作では少し受け付けなかった人にも聴ける作品に
仕上がっているだろうが、前作のファンには逆に物足りなく感じる
部分があるかも知れない。[85]
JAR OF FILES / ALICE IN CHAINS
アメリカのシアトル系ヘヴィ・メタル・バンドの1994年に
リリースされたミニ・アルバム。これまでのような
ヘヴィ・メタル的な色彩はなく、ミニ・アルバムにふさわしく
バンドの別の面を見せた作品と言って良いだろう。さめた
サイケデリックな感じはバンドとしての個性のままだが、全体的に
気だるいロック・アルバムに仕上げている。ハーモニカを
入れたり、アコースティックを大幅に導入したりと、
バンドらしさを保ちながらも普段出来ない事をやっているという
感じだ。アイデアも面白いし、ミニ・アルバム程度の長さならば
こういう作品も飽きずに聴きとおせる。[83]
ALIEN / ALIEN
スウェーデンのハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた
デビュー盤を1989年にアメリカ・デビューを果たした際に4曲
削って、新曲2曲に入れ替えたもの。北欧らしい哀愁を
湛えながらもアメリカナイズされたポップなメロディの楽曲は良い
出来だ。洗練された心地良いメロディは非常に良く出来ていて、
センスの良さが伺える。元のアルバムのジャケットは非常に
ださいものだったので、ジャケットを変えたのは正解だが、何故
内容まで変えてしまったのかは疑問に残る。この作品も良い
出来であるのは確かだが、元のアルバムを超えるだけの変更を
加えられているかは疑問だ。ただ、この新曲で特筆すべきなのは、
ボーカルを元MAIDSONのPETE SANDBERGがとっている事だ。[85]
ALIEN / ALIEN
スウェーデンのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた
3rdアルバム。何故デビュー盤と同じくsame titleにしたのかは
謎だが、デビュー盤とは全く違った内容の新譜である。
RICHIE BLACKMOREの影響が見えるギター・メロディを
奏でながらも、よりポップなサウンド体言している。デビュー盤
等と比べると、哀愁味はかなり減退している様に見受けられ、
デビュー盤よりも尚ポップさを打ち出しており、洗練された
ハード・ポップ・アルバムに仕上げており、出来も
悪くないのだが、いかんせん哀愁が感じられないので、気が
抜けたような感じだ。[81]
DESTITUTION / ALLEGIANCE
オーストラリアのスラッシュ・メタル・バンドの1994年に
リリースされたデビュー盤。ROB HALFORDのバック・アップの元、
デビューしたと言う事だが、JUDAS PRIESTやFIGHTと言った様な
方向性はなく、どちらかと言うと初期TESTAMENTという感じだ。
疾走感を感じさせるサウンドを聴かせてくれていて、
勢いだけはある。全体的に一本調子という感はいがめず、これと
言う決め手にかける気はするが、出来自体は決して悪くない。
今では珍しくなった、昔ながらのスラッシュ・メタルという
雰囲気が漂く出ていて、期待させるものはあるが、課題も
まだまだ多い。[77]
LIVE AT THE WHISKEY, 1969 / ALICE COOPER
アメリカ人ハード・ロック・シンガーの1992年にリリースされた
ライヴ盤。実際にはデビュー当時の1969年の音源で、現在では
ALICE COOPERのソロと化しているが、まだバンドの形態を
取っていた頃の音源だ。今のようなポップ・センス溢れる
ハード・ロックではなく、ジャジィでブルージィで非常に
シアトリカルな楽曲からなっている。幾分YARDBIRDS的な部分も
見えるが、明らかに多くのハード・ロック・バンドとは
異質で、プログレッシヴ・ロックと言える様なものだ。今の
ファンが聴いて到底面白いと思えるものではないが、これはこれで
面白いものはある。[72]
ALTER THE KING / ALTER THE KING
アメリカはベイ・エリアのヘヴィー・メタル・バンドの
デビュー盤。方向的には、パワー・メタル的な色合いが強いが、
スラッシュ・メタル、ヘヴィネス系等々、いろんなジャンルの
エッセンスが馨り、アバンギャルドな雰囲気を持っており、その
変態的なサウンドは表現が難しい。ただ、THOUGHT INDUSTRYほど
徹底されている訳でもなく、少し中途半端な感じがする
アルバムになってしまっている。一番の問題はボーカルの
BOGDAN JABLONSKIが下手糞だという事で、このボーカルが聴くに
耐えるかどうか怪しい作品だ。[64]
CRASH / ALIEN
スウェーデンのハード・ロック・バンドのアルバム。これまで
良質の甘いハード・ポップをやっていた北欧のバンドだが、
この作品ではかなり質的な変化が認められる。1、2曲目はもろ
RAINBOWという路線で、ギターはかなりRITCHIE BLACKMOREを
意識している事が伺える。ファンの新規開拓というには、
こじんまりした作品で少し難しいだろう。逆にこれまでのファンは
がっかりしてしまった人も多いだろうから、こういう方向転換が
うまく行くとはあまり思えない。曲作りは無難だし
悪いというような作品ではないのだが、これというものも
見出せない。[76]
ALEX DE ROSSO / ALEX DE ROSSO
イタリア人ギタリストの1stソロ・アルバム。楽曲は幾分
フュージョンぽく、またJOE SATRIANI的なところもある。温かな
メロディは気持ち良く、ギター・テクニックだけを前面に押し
出した作品ではないので、曲そのものも十分楽しむことが出来る。
インストルゥーメンタル中心ではあるが、3曲ボーカルを
入れているのは、確かにオール・インストルゥーメンタルだけでは
きつい内容なだけに懸命な選択と言えるだろう。楽曲的には平凡の
域を脱していない部分も多々見られるが、跳ねたメロディを
刻んだりするあたりはなかなか面白い。[82]
ALYSON HELL / ALYSON HELL
ドイツのハード・ロック・バンドのアルバム。
LONG ISLAND RECORDSの次ぐ、メロディアス・ハード・ロックの
インディ・レーベルの雄、Liga Records所属ということで、やはり
そういう方向性のタイプなのだが、どちらかというともっと
正統的なヘヴィ・メタルという風だ。楽曲的にはともかく、音は
結構軽く感じ、BURRNのレビュー的で挙げられているバンドは
あまり思い浮かばない。禄音もいまいちチープだし、ボーカルも
ひよわで高音は不安定だ。楽曲自身を除くと、聴くべきところは
あまりないのだが、曲自体の出来もまだまだだ。扇情的で雰囲気を
盛り上げる力はある。[82]
....TIME TO REACT LIVE! / ALLEGIANCE
オーストラリアのスラッシュ・メタル・バンドのライヴ盤。1stは
フォノグラム傘下のインディ・レーベルから
リリースされていたが、こちらは自費出版での
リリースとなっている。そう言う事もあってか、録音状態は
お世辞にも良いとは言えないが、息苦しいほどの圧迫感は十分
伝わってくる。生きの良いTESTAMENTという感じで、昔の
TESTAMENTが好きならば、聴いてみても良いだろう。アルバム
1枚しかリリースしていないローカルなバンドが、何故いきなり
ライヴを出したのか意義は良く判らないが、ライヴの方が緊迫感が
良く出ている。[79]
JUST ADD LIFE / ALMIGHTY
イギリスのハード・ロック・バンドの5thアルバム。バンド名から
THEを抜いての初のそしてこれをもって最後となるアルバムだ。
1995年に行われた日本公演の模様を収めたボーナスCDとの
2枚組みと言う構成になっている。方向的には、若干メロコア的な
色合いを感じさせるロックンロール系のハード・ロックで、名前の
変更とともにサウンドに変化を感じさせる。
アグレッシヴではあるものの、速さやパワーという点では
今までより落ち着いた感じがするが、逆にメロディという
点においては格段に良くなっている印象を受ける。[83]
BOND OF UNION / ALLIANCE
BOSTONのGARY PIHLがSAMMY HAGAR BAND時代の人脈を使っての
プロジェクト・バンドで、NIGHT RANGERのALAN FITZGERALDも
参加している。キャッチーなアメリカン・ロックで、美しい
メロディの楽曲が並び、叙情的なTrue Meaning Of Love等、出来は
実に良い。演奏的にはキーボードは一部の曲を除けば、意外な程
前面には出てこないが、メンバーはそれぞれ実力を兼ね備えた
人たちばかりなので安心して聴いていられる。メンツ的には
もうちょっとハードなものを予想する程、普通の
ロック・アルバムと言った感じだが、楽曲は非常に秀逸だ。[87]
UNPLUGED / ALICE IN CHAINS
MTVでのアンプラグド・ライヴの模様を収めたもの。最新
フルレンス・アルバムALICE IN CHAINSに日本発売が
中止になる中、MIKE INEZがOZZY OSBOURNE BANDとしてツアーに
出たりLAYNE STALEYが自己のプロジェクト・バンドで活動したりと
解散説が飛びかったが、とにかくライヴとは言えアルバムが
リリースされ一安心というところだろう。陰鬱な感じは
変わらないが、アンプラグドの為か抑揚の押さえた感があり、
さらに情感を強く出しているように感じられる。この調子で
アルバム一枚というのはつらいと言う気もするが、途中に
Enter Sandmanのメロディを挾んだりと、お遊び的な作品としては
悪くないだろう。どうせなら普通のライヴ・アルバムを出して
欲しいが。[80]
ALICE IN CHAINS / ALICE IN CHAINS
ジャケットの問題で日本では一年以上リリースされなかった
フル・スタジオ・アルバムとしては3作目となる作品。解散も
とりざたされ、MIKE INEZがOZZY OSBOURNE BANDで活動するなど
その将来を危ぶまれたが、今後も引き続き活動する様だ。ダークで
混沌としたサウンドで、JAR OF FLIESよりはヘヴィなものだが、
FACE LIFTのようなヘヴィ・メタル的な素養はない。グランジ的
指向が強いのだが、楽曲に今一つ面白味に欠け、作品中これと
言った変化がなく、平坦に感じる作品となってしまっている。
全体的には確かにALICE IN CHAINSっぽく、今のアメリカ向きかも
知れないだろうが。[75]
MERCY / ALTURA
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの
デビュー盤。楽曲と言い、メロディと言い、如何にも
DREAM THEATERっぽさを感じさせる作品だが、その演奏、表現は
もっと叙情的で、シンフォニック・ロック的な味わいがあり、
ポップなものだ。故に、DREAM THEATERに比べると、やや
ハード・ロック色が薄く、かなり落ち着いてしまっている印象を
けるが、非常に変則的でプログレッシヴ・ロックらしい作品に
仕上がっている。演奏も良いし、特に前面に出ているキーボードは
良い味を出しており、新人離れした完成度を持っている。[83]
ALLIANCE / ALLIANCE
BOSTONのGARY PHIL、元GTRで現在ソロ活動をしているROBERT BERRY
等によるアメリカのプロジェクト・ロック・バンドで、昨年
リリースされたデビュー盤のタイトルを変えたヨーロッパ盤。
内容的にはAOR風の叙情的でポップでキャッチーな
アメリカン・ロック作品に仕上がっている。リリースに当って、
元々出ていた日本盤と曲順が変わり、5曲が入れ替っており、
かなり構成が変っている。入れ替わって収めれている新曲は中々
良い出来で、特にYou've Changedは佳曲と言って良い素晴らしい
曲だ。それ程大きな差がある訳ではないが、後から入れ
替えただけあって、こちらの方が良い曲が多い。[88]
DANGEROUS GAMES / ALCATRAZZ
元RAINBOWのボーカリストGRAHAM BONNET率いる
ヘヴィ・メタル・バンドの1986年にリリースされた3rdアルバム。
ギタリストとして新たにDANNY JOHNSONが加入したが、非常に
露出が少ないと言って良い。特に前2作がYNGWIE J.MALMSTEENと
STEVE VAIという、かなり個性が異なる
スーパー・ギタリストだっただけに、その思いはひとしおだ。
キーボードがとにかく前面に出ており、非常にポップな方向性へと
転換してしまった辺りに、そういったギタリスト選びの心境を
伺える。ポップになったとは言うものの、だからといって楽曲が
面白いという訳ではないので、ただ散漫なだけだ。
GRAHAM BONNETの力強いボーカルもむなしさを感じさせる。[58]
BEST & RARE / ALIEN
スウェーデンのハード・ロック・バンドのベスト盤。ベストと
レア・トラックからなる変則的な2枚組み作品だ。このバンドは
サウンド的に時代によって少し変遷があるのだが、ここに
収められているベスト盤はお洒落なハード・ポップと言う感じの
楽曲を全面的に取り上げていて、言わば中期に当たるものが
中心となっている。元々レベルがある程度高い
バンドだったので、さすがに出来は良いが、悪く言えば当たり
障りのない内容となってしまっている。レア・トラックに
収められている曲はどちらかと言うと玉石混合で、佳曲と駄曲が
入り交じっていると言って良いだろう。Lady Of My Love等は
初期の彼等らしい佳曲だと思うが。[80]
A FISTFUL OF ALICE / ALICE COOPER
アメリカ人ボーカリストによるライヴ盤。1996年に行われた
メキシコでの公演の模様を収めたものだ。元WINGERのREB BEACHや
Y&TのJIM DeGRASSOという層々たるメンバーをバックに従えての
ライヴで、更にゲストとしてROB ZOMBIE、SLASH、SAMMY HAGERが
参加するという中々豪華な取り合わせだ。楽曲も代表曲ともいえる
School's OutやOutNo More Mr.Nice Guy、Poisonといった新旧の
ヒット曲を織り交ぜてベストと言っても良いものだろう。決して
上手いと言うボーカリストではないのだが、その存在感は流石だ。
プロダクションも良いし、彼の長い活動を総括した様な
選曲なので、初心者入門用にもちょうど良い。[81]
ALIEN / ALIEN
スウェーデンのハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた
オリジナルのデビュー盤。翌年アメリカ・デビューにあたって、
若干内容を手直しして再リリースされているが、これはそれ以前の
真のデビュー盤と言えるものだ。美しい叙情的なメロディの
ハード・ロックで、叙情味たっぷりのメロディは非常に美しい。
内容はアメリカ盤でカットされたDreamerやMirrorはなかなかの
佳曲で、これを落としてしまったのは非常に疑問に思えるし、整い
過ぎて楽曲にフックが欠けてしまっていたのに対して、粗い
プロダクションだがそれ故に逆にエッヂが立っていて聴き
応えがある。但し、このアルバムのジャケットだけは変更も頷ける
位ださい。[84]
R.U.WILD / ALLIED FORCES
イギリスのハード・ロック・バンドのアルバム。Allied Forcesは
POKERFACEのDARCY DEUTSCH、Medicine Man、Thunder Nation、
Eyes Of Wonderは元TYKETTOのDANNY VAUGHNがゲストで
参加している。その他の楽曲は、ボーカルのクレジットが
入っていないため不明だが、恐らくパーマネントな
ボーカリストがいないのだろう。TRIUMPHから
バンド名をとったらしく、そう言った感じは楽曲の
端々にするのだが、あそこまで重厚な感じがしないのは残念だ。
楽曲によってはどうも今一つ統一性に欠ける感じがするのも
マイナス材料だ。とは言え、楽曲の出来は中々のものだし、
全体的に爽快で悪くないアルバムだと言って良いだろう。[80]
SUNCHILD / ALLYING CRY
ドイツのハード・ロック・バンドのアルバム。ドイツと言っても、
メロディアス・ハード・ロックではなく、昔の
アメリカン・ロックと言う感じだ。落ち着いた雰囲気のする、
空間の広がりを感じさせる渇いたロックだ。どことなく
垢抜けなくて、淀んだ湿り気を感じさせるアルバムで、サウンド
的には違うが、どことなくオルタナティヴ・ロック的な
感じをさせる。キーボード等は1970年代的な
サイケデリックさがあって、非常に味わいのある作品に
仕上がっている。楽曲の出来も良いし、落ち着いて聴きたくなる
アルバムだ。[89]
MISSING PIECE / ALLIANCE
アメリカのプロジェクト・ロック・バンドの2ndアルバム。元GTR、
3のボーカリストで現在はソロで活動するROBERT BERRUYを
中心としたバンドで、他にBOSTONのGRAY PHIL、NIGHT RANGERの
ALAN FITZGERALD、SAMMY HAGAR BANDのDAVID LAUSERと言う、
そうそうたるメンバー構成になっている。ROBERT BERRYが書く
曲だけあって、彼らしいポップ・センスのある彼らしい
ハード・ロック作品に仕上がっている。ROBERT BERRYのソロよりも
ハードな音作りなので、ハード・ロック系のリスナーには、
こちらの方が馴染み易いだろう。楽曲の出来もまずまず良いし、
演奏等中々質の高いアルバムに仕上がっている。[83]
BRUTAL PLANET / ALICE COOPER
アメリカ人ロック・ボーカリストのアルバム。楽曲の基本的な
部分はともかく、そのサウンド・プロダクションはこれまでの
作品とは大きく変っている。今風のモダンでヘヴィな作品で、
時流に機敏と言って良いのか、今の流行を追ったアルバムと言って
良いだろう。はっきりと言って、全くMARILYN MANSONの様な
作品で、彼の楽曲をMARILYN MANSONがカバーするとこんな
感じではなかろうかと思わせる様なアルバムに仕上がっている。
PANTERAのヒットを追ってモダン・ヘヴィネスに走ったバンドが
大挙した様に、ALICE COOPERお前もかと言う思いもあり、
果たしてこの変化が吉と出るか凶と出るか微妙なところだ。[82]
CLASSICKS / ALICE COOPER
アメリカのショック・ロック・シンガーによる1995年に
リリースされたベスト盤。半分がベスト選曲で、半分がライヴ盤と
言う変則的な内容となっている。そのアルバムタイトルに反し、
ベストの方は彼の復活作とも言えるTRASH以降の
作品からばかりとなっており、往年のヒット曲である
School's Outすら入っていない。ライヴの方が正に
クラッシク・パートとも言えるもので、全てこのライヴでも
良かったのではないかとも思える。School's Outや
Only Women Bleed、No More MR.Nice Guy、I'm Eighteenと言った
1970年代のヒット曲が並んでいて興味深い。[80]
LIVE IN STOCKHOLM 1990 / ALIEN
スウェーデンのハード・ポップ・バンドのライヴ盤。1990年に
スウェーデンででの公演の模様を収めたもので、元MIDNIGHT SUN、
現PETE SANDBERG'S JADEのボーカリスト、PETE SANDBERGが
在籍していた頃のライヴ音源だ。特に初期には良質の
メロディアス・ハード・ポップを聴かせてくれていた
バンドだったが、正にその絶頂期の頃の音源だけあって、叙情的で
美しい愁いを帯びたハード・ポップ・ナンバーがずらりと
並んでいる。観客の歓声も凄まじく、会場の熱気と臨揚感が
感じられるが、プロダクションが残念ながら今一つで、画龍点生を
欠いた形になっている。[85]
LIVE / ALICE IN CHAINS
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのライヴ盤。1990年から
1996年までに行われたいくつかの公演の模様を収めたものだ。
沢山の音源が混ざっているものの、それ程ぶつ切れと言う
感じはないので、それ程気にならないだろう。ややエコーが
強くかかって、距離感を感じるところもあり、どういう風に
録音されたものなのか少し気になるところだ。Bleed The Freakや
Man In The Box、Love, Hate, Love等、彼等らしいグルーヴ感と
エナジーを感じる演奏を聴かせてくれている。初期の楽曲はやはり
ヘヴィで、メタル側のリスナーにも聴き応えがあるはずだ。[83]
READY / ALFONZETTI
スウェーデンのハード・ロック・バンドのデビュー盤。
元JAGGED EDGE、TALISMAN、SKINTRADEのボーカリスト、
MATTI ALFONZETTIを中心とするバンドで、元TREAT、TALISMANの
ドラマー、JAMIE BORGE、元SKITRADEのギタリスト、
STEFAN BERGSTROM等が参加している。方向的には、キャッチーで
叙情的なメロディのハード・ロックで、中々爽快な作品に
仕上がっている。JAGGED EDGEのカバー、Out In The Coldが
収められているが、楽曲的には全く違和感が感じられない。
派手さはないが、爽やかでメロディの出来も素晴らしく、意外と
良いアルバムだ。[84]
ABSOLUTE PURITY / ALAS
アメリカのゴシック・メタル・バンドのデビュー盤。アメリカの
デス・メタル・バンド、MORBID ANGELのギタリスト、ERIK RUTANを
中心としたバンドで、ボーカリストにはスウェーデンの
メロディック・デス・メタル・バンド、THERIONでソプラノを
聴かせてくれていたMARTINA HORNBACHER ASTNERだ。バックは
哀愁の効いた、叙情的なヘヴィ・メタルで、女性ボーカルの
MARTINA HORNBACHER ASTNERが歌い上げると言う、旧来の
ゴシック・メタルの一つのパターンと言って良いだろう。
ERIK RUTANの泣きのギター・メロディで押し出したサウンドは、
かなりヘヴィ・メタル色が濃く、最近の発散してしまった
ゴシック・メタル・シーンではむしろ新鮮に感じられる。
メロディも悪くないし、流麗なソプラノを用いた
ゴシック・メタルが好きならば悪くないだろう。[85]
DRAGONTOWN / ALICE COOPER
アメリカ人ロック・ボーカリストのアルバム。派手なヒット曲とは
あまり縁のないし、長い歴史の中で浮き沈みはあるものの、その
時代時代の音楽と上手く融合して来た感がある。1980年代後半には
ヘヴィ・メタルの流行に伴い、よりメタリックな音楽性を打ち
出し、今またよりモダンなヘヴィ・ロック的手法を取っていると
言って良いだろう。この作品はそう言った前作の延長線上とも
言える作品で、ダークでモダンなヘヴィ・ロック的色合いを
濃くしている。そう言った中にも彼らしいポップなメロディが
散りばめられており、彼の個性を残しながらも上手く
コーディネートしている様に思える。[83]
PRESENCE OF MIND / ALYSON AVENUE
スウェーデンのハード・ロック・バンドの2000年にリリースされた
デビュー盤。非常にキャッチーなハード・ポップ色の強い作品で、
どことなく聴いた事がある様なフレーズも多いが、非常に
メロディの秀逸さを感じさせる作品に仕上がっている。そう言う
意味ではALIENを始めとする北欧ハード・ポップや後期HEART辺りの
影響を強く受けた結果かも知れない。それ故、オリジナリティと
言うものはあまり感じられないが、こう言った作品でそう
言うものを求める人もあまりいないだろうし、問題はないだろう。
むしろそう言ったものを消化して、如何に良い楽曲を作るかと言う
点において、非凡なセンスを発揮している。女性ボーカリスト、
ANETTE BLYCKERTの声質はキュートで楽曲にも良く合っている。
[85]
OSIRIS-TYPHON UNMASKED / ALGHAZANTH
フィンランドのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。
方向的には如何にもシンフォニック・ブラック・メタルと
言えるもので、メロディアスと言うよりは、プログレッシヴさを
感じさせるキーボードを大胆にフュチャーし、ブラスト・ビートの
多用と合わせて非常に攻撃性を感じさせる作品に仕上がっていると
言って良いだろう。楽曲自体はこの手のものとしては変則性を
感じさせるもので、それ故暴虐性が強くイメージさせられるが、
一本調子と言う感がどうしてもあり、折角キーボードをここまで
押し出すのだから、もっとメロディアスな部分も入れて、上手く
変化を付けた方が良かった様に思える。[80]
AGAIN / ALICE IN CHAINS
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3rdアルバム、
ALICE IN CHAINSからの1997年にリリースされたシングル。
タイトル・トラックのシングル・カット曲とそのバージョン違いの
全2曲と言う構成になっている。ヘヴィ・メタルグランジ、
オルタナティヴ・ロックのエッセンスを美味く取り入れながら、
上手く特徴を出して、独自のヘヴィ・ロックの世界を展開している
如何にも彼等らしいものだ。Againの
トリップ・ホップ・ミックスは、機械的な冷たさを
感じさせるもので、そのタイトルが示す通り、非常にトリップ感の
強いものに仕上がっている。[79]
SAP / ALICE IN CHAINS
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの1992年にリリースされた
ミニ・アルバム。ミニ・アルバムと言う事で、普段やっていない
アコースティック中心の作品に挑戦している。そう言った
意味では、その後リリースされたJAR OF FILESと全く同じ趣旨な
訳だが、大ヒットしたJAR OF FILESと大きく異なるのは、
JAR OF FILESがアコースティックでやるために楽曲を上手く
アレンジしていたのに対して、この作品では普段やっている様な
楽曲をそのままアコースティックでやっているだけと、今一つ
工夫が感じられない事だろう。そのため、アコースティックの
もったりとした印象だけが強くなり、今一つ面白みに欠ける
結果となっている。[78]
ALEXISONFIRE / ALEXISONFIRE
カナダのハード・コア・パンク・バンドのデビュー盤。最近は
スクリーモ等と言う言い方もされる事が多いが、エモ系の楽曲に、
絶叫型のスクリーミングするボーカルが入ると言う
形式となっている。ノーマルなボーカルにデス・ボイスに近い
スクリーミングを入れると言うツイン・ボーカル
形式になっているが、特にこのスクリーミングは人によって好き
嫌いが分かれるだろう。楽曲自体はかなりヘヴィ・ロックや
ヘヴィ・メタル的な要素があり、聴き応えがある。憂いを
帯びながらもポップさを感じさせる、最近の流行に乗っており、
中々内容の濃い作品だ。[83]