MATERIALIZED / GLENMORE

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。方向的には初期QUEENSRYCHEタイプの、 ヘヴィ・メタル然とした作品だと言える。しかし、QUEENSRYCHE タイプと言っても、単なるクローンと言う訳ではなく、より 叙情的で流麗なメロディを押し出して、ヨーロッパの バンドらしさを醸し出している。Hungryを始め、佳曲がずらりと 並んでおり、楽曲作りのセンスの高さを感じさせてくれるし、新人 離れした完成度の高いアルバムに仕上がっている。 ドラマティックな楽曲は、抑揚の付け方が上手くて盛り 上がりもあるし、JURGEN VOLKのハイ・トーン・ボーカルも 効果的で素晴らしい。[93]

FOR THE SAKE OF TRUTH / GLENMORE

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2ndアルバム。音楽的な方向性は前作の延長線上と 言えるものだが、デビュー盤に比べると、かなり硬質で攻撃的な アルバムに仕上がっており、よりQUEENSRYCHE的な 作品となっている。そのため、本来彼等の持ち味であった、 叙情的で流麗なメロディは影を潜め、楽曲は一本調子で抑揚が 今一つ感じられない作品となってしまっている。とは言っても、 デビュー盤と比較すればの話しで、この作品単体を取れば、 完成度も高いし、中々良質のアルバムである事には違いない。[85]

L.A.BLUES AUTHORITY VOLUME II-BLUES / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのベーシストによる1993年にリリースされた 2ndソロ・アルバム。彼が実力派シンガーである事は、 GARY MOOREのRUN FOR COVER等で証明済みではあるが、 ボーカリストとしての艶は年を増す毎に磨きがかかっている。 ソロ・アルバムとは言っても、ブルースを題材とした プロジェクト・アルバムの第2弾で、元EUROPEのJOHN NORUM、 元RATTのWARREN DE MARTINI、GREAT WHITEのMARK KENDALL、 POISONのRICHIE KOTZEN、LOVE/HATEのDARREN HOUSHOLDER、 MOTLEY CRUEのMICK MARS、元BLUE MURDERのTONNY FRANKLINと 言ったヘヴィ・メタル系の層々たるミュージシャン達が 参加している。と言っても、内容的にはオールド・スタイルな ブルーズなので、ブルーズが好きでないと少し辛いかも 知れないが。[83]

FROM NOW ON... / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのベーシストによる1994年にリリースされた 3rdソロ・アルバム。前作は企画盤と言うこともあって ブルーズ・アルバムだったが、今作はロック然とした アルバムとなっている。彼のソウルフルで伸びやかなボーカルは 非常に素晴らしく、叙情的なハード・ナンバーに良く映えている。 メンバーも元EUROPEのMIC MICHAELI、JOHN LEVEN、 元SIX FEET UNDERのERIC BOJFELDT、THOMAS LARSSONと言った スウェーデンのヘヴィ・メタル関連のミュージシャンで 固められている。ややハード目なロック・アルバムで、彼の ボーカルが堪能出来ると同時に、楽曲も中々良く出来ている。[88]

BURNING JAPAN LIVE / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのベーシストによる1994年にリリースされた ライヴ盤。同年に行われた日本公演の模様を収めたもので、 メンバーは元EUROPEのMIC MICHAELI、JOHN LEVEN、IAN HAUGLANDに 元SIX FEET UNDERのERIC BOJFELDT、THOMAS LARSSONと言う 構成になっている。楽曲はソロからは直前にリリースされた FROM NOW ON...からだけで、残りはDEEP PURPLE、TRAPEZE、 HUGHES/THRALL時代のナンバーで構成されている。 FROM NOW ON...がかなりハードなロック作品だった事もあるが、 よりハードにアレンジされて演奏されているので、Burnや Stormbringerと言ったDEEP PURPLEの楽曲とも違和感はないし、 中々強力なライヴ・パフォーマンスを見せてくれている。[85]

DANGER IN THE GAME / GLORY

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。元々GLORY BELLS BANDとして2枚のアルバムを 自主制作でリリースした後解散しており、言わば出直しの アルバムと言える。方向的には、JONAS SANDKVISTのキーボードを 意外と前面に押し出しており、キャッチーで叙情的なメロディの 洗練されたヘヴィ・メタルとなっている。内容的には、正しく 北欧メタルと言える様なもので、Runaway等は中々の佳曲だ。 当時は注目度は今一つだったが、1980年代の北欧メタルの アルバムとしては、名盤の一つと言って良い位、内容の 充実している作品だ。ややポップ過ぎて線が細く 感じられなくもないが、それなりにヘヴィなギター・プレイも差し 挟まれていて悪くない。[87]

2 FORGIVE IS 2 FORGET / GLORY

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 2ndアルバム。前作では、北欧メタルらしいキャッチーでポップで 叙情的なヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたが、今作では ポップな部分を抑えて、よりヘヴィ・メタル然とした作品 作りになっている。そのサウンドの変化の最も大きな要因は、 JONAS SANDKVISTの脱退により、専任のキーボードが居なくなった 事だろう。前作で、キーボードはかなり前面に出ていただけに、 それがなくなった分、大きな変化はやむをえなかったと 言うところだろう。そしてもう一つは、楽曲作りの主導権を PETER ERIKSSONが取っている事だ。次作でボーカリストが GORAN EDMANに代わっているのも、そう言った部分が 影響しているのだろう。[83]

FEEL / GLENN HUGHES

イギリスのハード・ロック・バンド、DEEP PURPLEの 元ボーカリスト兼ベーシストの4thソロ・アルバム。最近は あちこちのアーティストのアルバムにゲスト参加しており、活発な 活動を行っている。前作ではボーカリストに専念していたが、 今作ではまたまたベーシストを兼任している。GLENN HUGHESの 歌唱力の凄さは相変わらずで疑い様もないのだが、内容は前作に 比べて随分アダルトな雰囲気のロック&ブルーズになっており、 ハードさは随分減退している。多分大方の人はもう少し ハードなものを期待していただろうし、出来は悪くないが不満は 残るところだ。[80]

ADDICTION / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのボーカリスト兼ベーシストのソロ・アルバムで、 このアルバムでもベースをプレイしている。今回コンビを組んだ ギタリストMARC BONILLAとは、以前MARCのアルバムでもGLENNが 歌った事が有り、今回もそういった関係からだろう。一曲を除いて MARCが曲作りに参加していることもあったろうが、かなり意識的に ハードなアルバムを作ったのではないかと思う。前作では ロックというより非常にソウルフルなアルバムであったが、単に それは原点回帰的な表現に過ぎなかったのではないだろうか。 FROM NOW ONに比べると、MARCと組んであることもあって、 どちらかというとアメリカ的だ。GLENNのボーカルはいわずもがな 素晴らしく、偉大なロック・シンガーの一人である。[83]

CENTURY RENDEZVOUS / GLORY BELLS

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースされた 2ndアルバム。後に北欧の代表的なヘヴィ・メタル・バンドの 一つである、GROLYの母体となったバンドだ。サックスを入れたりと 色々とやろうとしてはいるみたいだが、残念ながらそれを 結実させるには至っていない。録音状態は悪いし、楽曲等特に これと言って見るものはあまりなく、センスも悪いと言わざるを 得ない。この後バンドは解散し、後にGLORYとして復活する訳だが、 GLORYの洗練さはここでは全くない。N.W.O.B.H.M.の影響を受けた、 ロックンロール色の強い作品で、資料的な価値はあるのだろうが、 正直言ってつまらないいも臭い作品だ。[57]

TALK ABOUT IT / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのイギリス人ボーカリストの来日用の企画盤 ミニ・アルバム。もはやボーカリストとしてステータスを築き 上げた感のある、素晴らしい歌声を聴かせてくれている。 アコースティック・バージョンのCoast To Coastと You Keep On Moving、ライヴのKiss Of Fireの未発表バージョンが 3曲と、タイトル・トラックのシングル・カット曲の全4曲言う 構成になっている。流れは少し唐突で継ぎ接ぎだらけと言う印象は 拭えないし、ライヴの録音状況も今一つなのだが、ボーカルの 素晴らしさだけは変わる事はない。[80]

BAPTIZM OF FIRE / GLENN TIPTON

JUDAS PRIESTのギタリストによる初のソロ・アルバム。 COZZY POWELL、DON AIREY、BILLY SHEEHAN他、UGLY KID JOEの C.J. DE VILLER、SHANNON LARKIN等多彩な ゲスト・ミュージシャンを迎えて作成されている。JUDAS PRIESTが ROB HALFORDの脱退もあって、長い間表立った活動も なかったので、非常に気になる作品ではあったのだが、その期待は あまり報われなかった。ソロ・アルバムなので、JUDAS PRIESTと 方向性を変えてというのは十分理解できるのだが、 グランジがかったヘヴィな楽曲を聴かされると、何か勘違いして 最近の流行を追ってみた様な気がしてならない。GLENN TIPTON 自身がボーカルを取っているが、我慢は出来るものの、 お世辞にもうまいとは到底言えないレベルだ。アップ・テンポで のりが良く、JUDAS PRIESTとはまた違った味のある インストルゥーメンタル・ナンバー、BAPTIZM OF FIREの様な 方向に何故もっと絞らなかったのだろうか。[60]

THE WORK TAPES / GLENN HUGHES/GEOFF DOWNES

元DEEP PURPLEのベーシスト兼ボーカリストのGLENN HUGHESと ASIAのGEOFF DOWNESによるコラボレート作品で、1994年に 録音されたままリリースされる事無くお蔵入りしていた音源を CD化したもの。実際はデモ段階までしかアルバムは 制作されておらず、これはそのデモ音源と言う事になる。 方向的には非常にソウルフルでブラックな楽曲で、翌年 リリースされたGLENN HUGHESのFEELがその延長線上と言っても 良いだろう。日の目を見なかったこの作品を元にGLENN HUGHESが FEELを作成したと言うところだろう。そのため、FROM NOW ON... 等でのハード・ロック的な面を求めるならば外すだろう。ポップで アダルトな作品だが、プロダクション的にはやはり未完成と言う 感はいがめない。[76]

THE WAY IT IS / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのイギリス人ボーカリスト兼ベーシストの3年振り ソロ・アルバム。方向的には、非常にハードな方向へと 向かっていたが、今作ではやや揺り戻した感じで、それ以前の ソウルフルなエッセンスが盛り込まれている。もちろん ハード・ロック的な色合いが完全に無くなった訳ではなく、 楽曲の感じ、さびの歌い方等は如何にもハード・ロック 的なのだが、バックの演奏をかなり意識的にソウルフルで ファンキーな感じを出したロック・アルバムに仕上がっている。 そういう意味ではFEELとADDICTIONの中庸的なアルバムと言って 良いだろう。古臭さも感じるようなロック・アルバムで、 相変わらずの素晴らしいボーカルを聴かせてくれている。[82]

SILVER ZONE / GLIMMER

イギリスのロック・バンド、QUIERBOYSの元ギタリスト、 GUY GRIFFIN率いるロック・バンドのデビュー盤。方向的には、 QUIERBOYSよりももっと甘いキャッチーなメロディの ロックンロールで、ブリット・ポップと言った感じも受ける。 Hideaway等は、グラマラスで甘いながらもどことなくもの悲しさを 感じさせ、TERRORVISION等にも通ずる部分がある。Make It Real 等、THE BEATLESの流れを汲む楽曲等は、CHEAP TRICKっぽさが かなり感じられる。QUIERBOYSよりもハードさはないが、楽曲の クオリティも高いし、CHEAP TRICKのファン辺りにはかなり受け 入れられるだろう。[83]

EVERYTHING YOU EVER WANTED TO KNOW ABOUT SILENCE / GLASS JAW

アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。方向的には、 ハード・コアっぽさを感じさせるヘヴィ・ロックで、KORNや LIMP BIZKITと言ったバンドをプロデュースしたROSS ROBINSONが ここでもプロデュースしているだけにKORN的な色合いも感じさせる アルバムだ。とは言っても、そう言う部分は極一部で、よりコアな 色合いの濃いアルバムに仕上がっている。攻撃的で 緊迫感があって、その一方で枯れた愁いを感じるメロディを差し 挟む事によって、その緊迫感をより一層助長している。 オリジナリティはあるが、その一方でこれと言った楽曲がないのも 確かで、全体的に聴かせてくれるが決めに掛けている様に思える。 [80]

CHRONOMETREE / GLASSHAMMER

アメリカのシンフォニック・ロック・バンドの3rdアルバム。 FRED SCHENDELのキーボードは、如何にもKEITH EMERSON風と言った 感じで、シンフォニック・ロックらしい叙情的で穏やかな楽曲に、 プログレッシヴ・ロックらしい派手なキーボード・プレイが織り 込まれていると言う様な作品に仕上がっている。それ程変則的と 言った感じはなく、メロディはキャッチーでかなり聴き易い 楽曲群と言って良いだろう。アルバム1枚通して組曲 構成になっているが、めりはりがあってくどくもないので聴き 飽きる事が無いのは評価出来る。パーマネントなギタリストが 脱退していなくなってしまったが、AYREONのARJEN LUCASSENが ゲスト参加している。[82]

RETURN OF CRYSTAL KARMA + LIVE IN SOUTH AMERICA / GLENN HUGHES

イギリスのハード・ロック・バンド、DEEP PURPLEの元ベーシスト 兼ボーカリストのアルバム。初回限定盤として1999年に行われた ブラジルでの公演の模様を収めたライヴ盤がカップリングされた、 2枚組みとなっている。彼のソウルフルなボーカルは、この アルバムではより際立った歌唱となっており、素晴らしい歌声を 聴かせてくれている。楽曲はかなりハードではあるが、彼の ボーカルにあわせてか、かなり跳ねた様な 感じのするものとなっており、それ故にソウルフルな感覚がしつこ 過ぎると言う感がなくもない。GoneはBLACK SABBATHの ギタリスト、TONY IOMMIとの共作で、このアルバムの中ではより ハードな楽曲だ。ライヴでの彼のボーカルも素晴らしく、中々 聴きごたえがある作品だ。[83]

TENDER IS THE SAVAGE / GLUECIFER

ノルウェイのハード・ロックンロール・バンドの3rdアルバム。 北欧のハード・ロックンロール・バンドと言うと THE HELLACOPTERSを思い浮かべる人も多いと思うが、このバンドは どちらかと言うともっとオーソドックスな ロックンロール・バンドと言って良いだろう。エナジーの迸る オーセンティックさでは共通するところだが、あれ程ハード・コア 的なエッセンスはない。それ故、勢いとのりでぐいぐい 聴かせていくが、もう一つ印象に残らない。キャッチーな メロディは判り易いし、ある意味非常に聴き易い作品に 仕上がっている。[80]

BUILDING THE MACHINE / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのイギリス人ボーカリストのソロ・アルバム。 ブルーズやファンク、ハード・ロックとソロではアルバム毎にやる 事を変えてくるが、ここではややファンク色を入れた ハード・ロックと言ったところだ。DEEP PURPLEの Highball Shooterをカバーしているが、ここでもややファンク色が 入っている。とは言え、基本的にはハードなロック作品なので彼の ファンならば概ね満足出来る事だろう。彼のソウルフルな ボーカルは相変わらず素晴らしく、張りのあるボーカルを 聴かせてくれる。元TOTOのボーカリスト、BOBBY KIMBALLや PAT TRAVERSもゲスト参加している。[82]

WORSHIP AND TRIBUTE / GLASSJAW

アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。如何にも 現代のヘヴィ・ロック・バンドらしい音楽性で、憂いを含んだ オルタナティヴ・ロック的なメロディ・センスを持った楽曲に、 モダン・ヘヴィ・ロックの攻撃的なテイストを取り込んだ作品と 言って良いだろう。うねる様な憂いを帯びたメロディを 保ちながらも、時にはカオティックにすら感じる程破壊力のある ハード・コア・サウンドを聴かせる辺りは中々ユニークだ。そう 言った激しい部分と、切々と歌い上げる静と動の対比が良く 出来ており、実にエモーショナルで格好の良い作品に 仕上がっている。[84]

SONGS IN THE KEY OF ROCK / GLENN HUGHES

元DEEP PURPLEのボーカリスト兼ベーシストの2年振りの ソロ・アルバム。彼に期待されるのは当然ハード・ロックを歌う ボーカリストとしてだが、この作品でもここ最近と同じく ハード・ロックをやってくれている。DEEP PURPLEの流れを汲む ハード・ロックで、それを彼がブルージィにそしてソウルフルに 歌い上げる様は見事だ。彼のソロ作品と言う性質上、バックは あくまで引き立て役なので、過剰な期待も抱かないし、実際それ程 目立たないところだが悪くない。特にギターはEDWIN DAREの JEFF KOLLMANが弾いているだけに、ギター・ソロ等は文句はない。 [84]