ORIENTAL BEAT / HANOI ROCKS
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの1981年に
リリースされた2ndアルバム。パンキッシュでワイルドな
ハード・ロックンロールで、北欧のバンドとしてはかなり
ユニークなスタイルを持っていたと言って良いだろう。
グラム・ロック的なエッセンスもあって、かなり独自色を
出していたバンドだったが、むしろ時代が彼等に追いついて
行かず、成功したとまでは言い難かった。しかし、彼等の
スタイルは、GUNS N'ROSES等、バッド・ボーイズ・ロックンロール
系のバンドに引き継がれ、一大ムーヴメントになるまでになった
訳で、こう言ったスタイルを築き上げた彼等の功績は大きい。[83]
BACK TO MYSTERY CITY / HANOI ROCKS
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの1983年に
リリースされた4thアルバム。GUNS N'ROSE等に影響を与え、
バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロールの祖とも言える
バンドだが、実に彼等らしいパンキッシュでグラマラスな
ハード・ロックンロールを聴かせてくれている。これまでより、
よりハードな音作りとなっており、ANDY McCOYらしい愁いも
感じさせるメロディは独特だ。残念ながら成功までは
至らなかったが、独自のスタイルを築き、シーンに大きな影響を
与えたバンドらしい作品となっている。Malibu Beach Nightmare
等、中々のりが良くて格好の良い作品だ。[84]
TWO STEPS FROM THE MOVE / HANOI ROCKS
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの1984年に
リリースされた5thアルバム。
バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロールと言うそのスタイルを
確立し、ようやくメジャー契約を勝ち取り、成功が見えてきたその
矢先にRAZZLEの事故死と言う、不慮の事態になす術なく解散に
至ってしまった事には、メンバーも忸怩たる思いがあっただろう。
メジャーからのリリースと言う事もあって、プロデューサーに
BOB EZRINを迎えており、これまでよりその分よりまとまった、
すっきりした感じの作品に仕上がっている。Up Around The Bendと
言う、彼等にとって代表曲と言っても良い名曲を始め、本当に
惜しいバンドだったなと思えるだけの作品に仕上がっている。[86]
SELF DESTRUCTION BLUES / HANOI ROCKS
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの1982年に
リリースされた未発表テイク集。L.A.メタル以降、
バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロールの一大ムーヴメントを
起こすまでの、シーンに影響力を与えたバンドだった。
この作品は、RAZZLEがクレジットされているものの、実際は彼が
加入する前の初期の音源集だ。それ程グラマラスな感じはなくて、
よりロックンロール色の強い作品に仕上がっている。インディ
時代のしかも未発表音源だけあって、プロダクション的に今一つと
言った感じはするが、彼等らしいポップ・センスがあって、出来は
悪くない。[80]
TRACKS FROM A BROKEN DREAM / HANOI ROCKS
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの1990年に
リリースされたレア・トラック集。シングルのB面に
収められていた、アルバム未収録のテイクに、イギリスの
ラジオ局、BBCの番組放送用に録音されたスタジオ・ライヴと言う
構成になっている。グラマラスでパンキッシュな
ハード・ロックンロール・バンドで、レア・トラックも基本的に
そう言う方向性を持ったものなのだが、Oil And Gasoline等、
ダークな感じがあったりとアルバムとはやや違った雰囲気も
感じられる。一番興味深いのは、Malibu Beach Nightmareの
カリプソ・バージョンが収められている事で、バンドの
イメージとはかなり違った面白い仕上がりになっている。[80]
DOUBLE ECLIPSE / HARDLINE
アメリカのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた
デビュー盤。元JOURNEY、BAD ENGLISHのギタリスト、NEAL SCHONを
中心としたバンドで、メロディアスな
アメリカン・ハード・ロックを聴かせてくれている。全体的に
ミドル・テンポ中心で、じっくりと聴かせてくれる壮大な楽曲が
揃っている。JOURNEYやBAD ENGLISHの様な売れ線と言うよりは、
よりハード・ロック然とした作品で、その中にもNEAL SCHONらしい
キャッチーなメロディ・センスが織り込まれている。
JOHNNY GIOELIののボーカルはパワフルで、アルバムの色合いにも
合っていて中々格好良い。[85]
MOOD SWINGS / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた
デビュー盤。叙情的なメロディのハード・ロックで、良質の
メロディ・センスを窺わせてくれる作品だ。意外とヘヴィな
プロダクションとなっており、重厚さを感じさせるアルバムに
仕上がっている。メロディをじっくりと聴かせる楽曲がある
一方で、アップ・テンポでのりの良い楽曲があったりと、
一本調子にならずに聴き飽きさせないところにも好感が持てる。
大陸的な広がりを感じさせる、洗練された楽曲群は、非常に良く
出来ていて、演奏もしっかりしており、デビュー盤とは思えない
完成度がある。[84]
LIVE AND ACOUSTIC / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた
ミニ・アルバム。ライヴが3曲、アコースティック・バージョンが
2曲、エディット・バージョンが1曲の計6曲と言う
構成になっている。ライヴでは、プロダクションは今一つと言った
感じもするが、演奏力は確かなバンドなので安心して
聴いていられる。どうせなら、きちんとした形でライヴ盤を
聴きたいところだが、アルバムをまだ1枚しか出していない
状況では、もっと経験を積んでからの方が良い。
アコースティック・バージョンは、彼等らしいセンスが出ており、
アレンジも良くて中々良い出来だ。[81]
THE PYLON OF INSANITY / HARROW
オランダのパワー・メタル・バンドの1994年にリリースされた
デビュー盤。方向的には、扇情的なパワー・メタルで、
ギター・リフ等は中々スラッシィなところもある。それ故、非常に
緊迫感の感じられるアルバムに仕上がっているが、全体的に雑多な
感じがして、アイデアがまとまり切れていない様にも思える。
扇情的で緊迫感があるのは良いのだが、それにやや不快感を感じる
部分があるのは如何ともし難い。楽曲のアレンジがもう少し
練れてくればかなり良くなると思えるのだが。FRANK VAN GERWENの
ボーカルは、そう言う不安感をより一層増しているので尚更だ。
[79]
HATER / HATER
アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンドのデビュー盤。その
実態は、SOUNDGARDENのベーシスト、BEN SHEPHERD、ドラマー、
MATT CAMERONに元MONSTER MAGNETのギタリスト、JOHN McBAIN、
FOOT OF THE HEADのボーカリスト、BRIAN WOODとベーシストの
JOHN WATERMANによるプロジェクト・バンドだ。TEMPLE OF THE DOG
等より、もっとアコースティック色が強く、より気だるさを
感じさせるアルバムに仕上がっている。SOUNDGARDENの様な
ヘヴィさを期待すると外すだろうが、雰囲気はあって、出来は
悪くない。ただ、この内容でアルバム1枚通されると、もう少し
盛り上がりが欲しくなる。[78]
THE XENON CODE X / HAWKWIND
イギリスのハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた
アルバム。かつてMOTORHEADのLEMMYが在籍していた事でも知られる
バンドだが、この作品にはそう言う破天荒さは感じられる。非常に
空間の広がりを感じさせる、スペイシーな作品で、
プログレッシヴ・ロックと言っても良い内容だろう。ハードさも
感じられる部分はあるのだが、むしろスペイシーさを際立たせる
様な作品作りがなされており、キーボードが割と表に立っている。
ハード・ロック系のリスナーには大人しすぎて物足りなく
感じるかも知れないが、ベテランらしい落ち着いた作品で、
雰囲気を良く醸し出している。[80]
SPACE BANDITS / HAWKWIND
イギリスのハード・ロック・バンドの1990年にリリースされた
アルバム。どちらかと言うと、プログレッシヴ・ロック色の強い
サウンドで、今のハード・ロック系のリスナーには耳馴染みのない
バンドか、MOTORHEADのLEMMYが在籍していた事でのみ知られている
事が多いだろう。前作と比べると、スペイシーな感じは
減退したが、何とも不可思議なサウンドの空間が展開されている。
MOTORHEAD的な色合いは、ここ最近の作品には全くないし、前作
以上にハードさは感じられない。よりシンフォニックな作品に
仕上がっており、独特の雰囲気が感じられるアルバムだ。[78]
VOICE OF REASON / HAREM SCAREM
カナダのメロディアスなハード・ロック・バンドの3rdアルバム。
これまでと同様にメロディアスではあるものの、今作では少し
感じを変えてきており、前作での明るさは影を潜めてかなり
ダークな印象を受ける作品になってしまっている。それ以外の
部分はさほど大きな変わりはないのだが、こういう陰りが入ると
受ける印象がかなり違ってしまう。全体的にミドル・テンポから
スロー・テンポ中心で盛り上がりに欠けるのも難点だ。
出来としては悪くないと思うが、今までの作品を期待すると外す
可能性もあるのではないだろうか。[80]
LIVE IN JAPAN / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのライヴ盤。1995年に行われた
来日公演より、クラブ・チッタでのライヴの模様を
収録したものだ。演奏力と言い、楽曲のレベルと言い、元々
レベルの高いバンドだけに、こうやってライヴを聴かされても、
やはりその完成度はかなり高い事には変わりない。全体的に結構
ハードな音作りで、のりも良いのだが、敢えて不満を言えば
飛抜けた名曲と言えるような曲がないことだろう。
プロダクションの出来も良いし、彼等のファンであれば安心して
聴いていられるだけの完成度はある。[84]
HARLAN CAGE / HARLAN CAGE
アメリカのハード・ポップ・バンドのデビュー盤。同名異バンドが
数多く存在するが、1980年代に美しい叙情的なメロディを
聴かせてくれたアメリカの
プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドFORTUNEのボーカリスト
L.A.GREENEとキーボードのROGER SCOTT CRAIGによる
プロジェクト・バンドで、ポップ・センス溢れる美しく叙情的な
サウンドは変わりない。初期MAGNUMよりは、よりキャッチーで
洗練されており、AOR的な雰囲気がより強く、柔らかい
口当たりだ。幾分扇情的で哀愁もほどよく効いており、作品の
完成度、質は実に高い全体的に良く出来た作品に仕上がっている。
[86]
DIE OFF HARD / HAREM SCAREM
カナダのメロディアス・ハード・ロック・バンドの最新アルバム、
BELIEVEよりの1stシングル。シングル・カット曲で、アルバムに
収められているタイトル・トラック・ナンバーにアルバム
未収録曲が2曲の全3曲と言う構成になっている。アルバム
未収録曲であるCagesはアップ・テンポのドライヴ感のある
ナンバーで、彼等らしいメロディ・センスが感じられるが、
彼等としては少しヘヴィ過ぎる感じがする。The Mirrorは
しんみりとしたバラードで、こちらの方がより彼等らしさの
出ている楽曲と言って良いだろう。アルバムに収められなかった
曲だけあって、彼等としては特筆出来るとは言えないが、それでも
十分良い出来だ。[83]
CALL OF THE UNBORN / HARROW
オランダのパワー・メタル・バンドの2ndアルバム。扇情的な
ギター・メロディでいかにも正統派という感じだが、ほとんど
古臭さは感じさせない。ややスラッシィなリフに厚い音作りは、
バンドの方向性に非常に合っている。カバーを2曲やっているが、
この選曲が中々そそる選曲で、RIOTのRoad Racin'とVANDENBERGの
Back On My Feetをやっている。Road Racin'の疾走感は実に
このバンドに良くあっていて、はまった選曲だ。一方の
Back On My Feetはイントロにどうしても違和感を
感じてしまうが、サビは結構うまくこなしている。もう少し
コンパクトにしても良かったかなとは思うが、1stよりは格段に
良くなっている。[85]
BELIEVE / HAREM SCAREM
カナダのメロディアス・ハード・ロック・バンドの4thアルバム。
方向的は如何にも彼等らしい作品と言ったところで、叙情的で
味わい深いスロー・テンポのナンバーから、アップ・テンポの
キャッチーでのりの良いStayin Awayまで、中々濃い内容で出来も
非常に良い。ダークな部分ばかりが突出した前作に比べれば、
爽快でメロディの良さを取り戻した今作はデビュー当時の頃に
雰囲気は戻ったと言って良いだろう。後半、Karma Cleansingを
始め、ややのりが悪くて冗長に感じるが、全体的に良質の
メロディが配されていて良いアルバムに仕上がっている。[85]
RAIN / HAREM SCAREM
カナダのメロディアス・ハード・ロック・バンドの4thアルバム
BELIEVEよりの2ndシングル。3曲収録されており、全て
シングル・カット曲のバージョン違いで、アルバム・バージョン、
フル・バンド・バージョン、インストルゥーメンタルという
構成になっている。インストルゥーメンタルは単に
ボーカル・パートを落としただけで面白くもなんともないし、
アルバム・バージョンは既にアルバムに
収められていたものだから、ここで注目できるのは
フル・バンド・バージョンだけだろう。ギターとドラムを入れて
厚みと暖かみが出ている。[74]
HATER / HATER
シアトル系のバンドとしては最もヘヴィ・メタル的な感覚を持った
バンドだったSOUNDGARDENのBEN SHEPHERDとMATT CAMERONに
ヘヴィ・ロック・バンドMONSTER MAGNETのメンバーだった
JOHN McBAIN等を加えたプロジェクト・バンドの1993年に
リリースされたアルバム。メンバーからするとグルーヴィかつ
ドゥーミィなサウンドを想像しそうなものだが、実際には
オルタナティヴ・ロックというあたりの作品だ。グルーヴィさは
ややあるものの、ヘヴィさはなく、サイケデリックなサウンドの
ロック・アルバムである。シアトル系という意味からすると
そういう辺りから想像するものにより近いと言って
良いかもしれない。ただSOUNDGARDERN等を想像すると外す
結果になるだろう。楽曲もそれ程とりたてるものはないように
思えるが。[65]
THE NATIVES ARE RESTLESS / HAWAII
MEGADETHのMARTY FRIEDMANが在籍していた事で知られる、
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1985年にリリースされた
アルバム。そういう意味では資料的価値はあるかも知れないが、
アルバムの出来としてはお世辞にも良い作品とは言えない。
結構扇情的な仕上がりになっている事は評価するが、
エキセントリックなハイ・トーンを出すEDWARD PAULのボーカルも
今一つだし、楽曲の出来もこれと言うほどのものはなく、
プロダクションもあまり良くない。若き日のMARTY FRIEDMANの
ギターがやはり一番の聴きどころである事は間違いないだろう。
さくらの歌を
ギター・インストルゥーメンタルとしてやっているが、これの
タイトルが何故Omichan No Utaなのかも謎だ。[74]
THE BEAST WITHIN / HANDSOME BEASTS
N.W.O.B.H.M.バンドの1990年に突如復活して9年ぶりに
リリースされた2ndアルバム。巨漢ボーカリストGARY DAKKIWAYの
扇情的なボーカルも相変わらずで、スタイル的にもそんなに
変わりはない。タイトル・トラックのThe Beast Within等は
しんみりとした扇情的な曲でやや趣を異にするが、楽曲もそれ程
方向的に大きな変化はないと言って良いだろう。はっきり言って
元々B級のバンドだし、内容的にそんなに変わりはない訳だから、
この作品もその範疇を超えていない訳で、元々のファンならば
ともかく、プロダクションもN.W.O.B.H.M.当時と
たいして変わりないし、ファン以外には少し苦しいだろう。[76]
LIVE ONES / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの2枚組みのライヴ盤。
と言っても、1994年にリリースされたLIVE & ACOUSTICと1996年に
リリースされたLIVE IN JAPANをカップリングしたもので、
目新しい音源といえばボーナス・トラックの
Change Comes Aroundのアコースティック・バージョンだけだ。
それ故、、既に持っている人には今更ながらと言う感じの
作品だが、出来は特にアコースティックは本編、
ボーナス・トラックとも良い出来だし、廉価盤と言っても良い
価格を考えれば、持っていない人には割とお得なアルバムと言って
良いだろう。[82]
BELIEVE - SPECIAL EDITION / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの4thアルバム。以前
リリースされたものをKEVIN ELSONが半分リミックスし直した
アルバムだ。全体的に重厚になりどっしりとした感じを受ける
様になっているが、それ程極端に大きくイメージが変ってしまう
様なリミックスをしている訳ではない。ボーカルがより前面に押し
出され、全体のバランスはむしろ良くなったように感じられる。
アルバム以外にはDie Off Hardのシングルに収められていた2曲と
CHEAP TRICKのカバーSurrenderが追加収録されている。この
Surrenderも意外とうまくこなしていて面白い仕上がりだ。[81]
GLORY TO THE BRAVE / HAMMERFALL
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。方向性は
いわゆるジャーマン・パワー・メタルで、そういう意味では
同じスウェーデンのNOCTURNAL RITESが思い浮かぶが、あれから
IRON MAIDEN的な色合いを抜けば結構近くなるだろう。
NOCTURNAL RITES同様、デス・メタル人脈のバンドであり、
元々はDARK TRANQUILLITYのMIKAEL STANNEとNIKLAS SUNDIN、
IN FLAMESのJESPER STROMBLAD、JESPERのCEREMONIAL OATH時代の
僚友OSCAR DRONJAK、OSCARとCRYSTAL AGEで一緒だった
FREDRIK LARSONというメンツによるプロジェクトと言って良い
バンドだった様だ。このメンバーのうちDARK TRANQUILLITYの
二人は本業が忙しくて抜けてしまっているし、現在ではOSCAR
以外のメンバーは全て変ってしまっている。大仰な感じはそれほど
強くなく、北欧メタルのエッセンスを持った
ジャーマン・パワー・メタルとでも言えば良いだろう。
そういう意味ではI Believeの様なバラードを除けば、
北欧っぽさはそれ程強烈には感じない。一方であくも
強くないので、結構取っ付きやすい作品でもある。楽曲はなかなか
良いのだが、非常にB級臭いジャケットは足を引っ張っていると
思う。一番ポイントが高いのは伝説のL.A.メタル・バンド
WARLOADのChild Of The Damnedをやっている事だ。[85]
NEW RELIGION / HAREM SCAREM
カナダのメロディアス・ハード・ロック・バンドのシングル。
ライヴ・アルバムに収められていたスタジオ録音の新曲から
シングル・カットされたタイトル・トラックの他にライヴが2曲
収められた全3曲と言う構成になっている。ライヴ作品は
ライヴ・アルバムとは別音源のアルバム未収録のものだ。ライヴの
2曲はBlueとNo Justiceだが、ライヴ・アルバムも複数
出ているだけに、今更ライヴのために買うと言う程のものでもない
様に思えるが、やはりこのバンドのライヴ・パフォーマンスの
確かさは実感させてくれる出来ではある。[78]
LIVE AT THE SIREN / HAREM SCAREM
カナダのメロディアスなハード・ロック・バンドのライヴ盤。この
バンドも確かに優れたライヴ・バンドではあるのだが、
スタジオ盤のリリースするペースに比べると、あまりにもライヴ
音源を発表する頻度が高くて少々食傷気味である事は確かだ。
確かにライヴ・パフォーマンスは素晴らしいし、メロディアスな
楽曲もライヴ映えするので、今までこのバンドのライヴ音源に
触れていないのであれば、決して損はしない内容ではあると言って
良いだろう。パワフルで叙情的な秀逸な楽曲が並んでいるし、その
演奏もたしかなので、安心して聴ける作品なのは間違いない。[82]
THE RISING PHOENIX(SPECIAL EDITION) / HARROW
オランダのパワー・メタル・バンドの1993年にリリースされた
デビュー・ミニ・アルバムに、色々なバンドのカバー5曲と新曲
及び未発表曲2曲を追加したもの。ミニ・アルバムの方は、
扇情的な楽曲にFRANK VAN GERWENのヒステリックなボーカルと
やや聴き難い部分もあり、アイデアが整理されていないと言う
印象を受ける。その点インストルゥーメンタルの小品である、
新曲のLotlorienはともかくとして、未発表のSecond Sightは、
随分まとまっているという印象を受けるが、さして面白いという
様な曲ではない。カバーの選曲はなかなかユニークで、
DEEP PURPLEのSpace Trackin'はともかくとして、TYTANの
Blindmen And Fools、IRON MAIDENのWrathchild、
MICHAEL SCHENKER GROUPのARMED AND READY、
TYGERS OF PANG TANGのEuthanasiaと言う選曲になっている。
カバーでは全体的にそのままコピーするのではなくて、バンドの
オリジナリティを多少持ち込んでいるのは正解だろう。特に
Blindmen And FoolsやEuthnasisではかなり
パワー・メタル然としたアレンジになっている。Wrathchildや
Armed And Readyでは意外にFRANK VAN GERWENのボーカルが
はまっていて良い。カバーだけでも結構聴く価値があると思える
作品だ。[80]
DOUBLE MEDICATION TUESDAY / HARLAN CAGE
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。洗練された
産業ロック風の叙情的メロディの作品で、実に良く出来ている。
美しいメロディを全面に配し、ドラマティックに楽曲を盛り
上げているし、哀愁味のあるメロディは胸に迫るものがある。
産業ロック的とは言え、演奏は結構ハードでめりはりが
効いている。その一方で全体的に整い過ぎていると言う感も
無きにしもあらずで、どこか突き抜けた感じがしないのが残念だ。
中心人物のL.A.GREENEとROGER SCOTT CRAIGは1985年にアルバムを
出したアメリカのFORTUNEの残党で、このバンドの方向性も大体
それに沿ったものと言えるだろう。実に美しいメロディで、作品の
クオリティは非常に高いのは確かだ。[85]
SO BLIND / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの5thアルバム、
BIG BANG THEORYからの1stシングル。シングル・カット曲の
タイトル・トラックの他にWasted TimeとWithout Youという
未発表曲、2曲を含んだ全3曲と言う構成になっている。
Wasted Timeは、らしくないイントロで始まって一瞬失望を誘うが
本編に入れば明らかに彼等らしいメロディが盛り込まれていて
出来は中々良い出来だ。少しわびしさを感じさせるバラードの
Without Youも、それ程悪いと言う訳ではないのだが、さびに
至るまでの過程がややだるいのが少し残念だ。[81]
BIG BANG THEORY / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの5thアルバム。3rd
アルバムでの方向転換を、ここで完全に旧来の路線に戻したと言う
感じで、旧来のファンには満足の行くものとなっているだろう。
その分、あまり新味はないが、それを望むファンが多いとも
思えないので無難な選択だと言って良いだろう。その内容は、
キャッチーなメロディのハード・ロックで、やや気だるさを
感じるが、明るくて爽やかで朗らかな作品だ。メロディ・センスの
良さは相変わらず一級品で、安定していてさすがと思わせる。実に
彼等らしい良く出来た作品で、クオリティは高い。[85]
HAUTEVILE / HAUTEVILE
詳細は全く不明だが、恐らくフランスのハード・ロック・バンドの
デビュー盤だろう。キーボードを全面に押し出した、かなり
キャッチーな作品で、あまりハードさを感じさせない。楽曲は
やや憂いを帯びた、爽やかなもので、Lucy In The Dark等は
YESやTOMORROW'S CHILD的な部分を感じるところもある。全体的に
普通のロックという感じだが、垢抜けないところがあって、あまり
一般受けしそうな感じはしないが、出来はそれ程悪くない。女性
LYDIC GOSSELINの下手ウマ的な微妙にビブラートがかかった
ボーカルは、こういった雰囲気をより一層助長していると言って
良いだろう。[76]
BEST OF... / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのベスト盤。全曲
リマスターされており、BELIEVEの収録曲に関しては、
KEVIN ELSONのリミックスによるSPECIAL EDITIONの方から
選曲されている。新曲はボーナス・トラックのWhat I Doの
1曲だけで、やや暗めの彼等らしい叙情的なポップな楽曲で、
扇情感が良く出ていて悪くない。New Religionのカナダ盤
リミックスはキーボードやコーラスでやや風味が異なる様な
気がする。楽曲の多くがリミックス・バージョンを
使用されているが、選曲は悪くないし、入門者向けには悪くない
アルバムだろう。[84]
WHAT I DO / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのベスト・アルバム、
BEST OF...HAREM SCAREMからのシングル・カットとなる来日記念
シングル。ベスト盤では未発表曲はこのタイトル・トラックの
シングル・カットされた曲のみであったので、今までの音源を全て
持っているならば、このシングルを入手すればOKだ。その他に
プロモーションのために来日したときの
アコースティック・ギグよりClimb The Gate、Without Youと言う
構成になっている。わざわざ収めるほどのものかどうかは
疑問だが、貴重ではあるし、リラックスした雰囲気で出来は
悪くない。[79]
LEGACY OF KINGS / HAMMERFALL
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。
CEREMONIAL OATH、IN FLAMES等の
メロディック・デス・メタル・バンドのメンバーによって
結成された正統派ヘヴィ・メタル・バンドだ。方向的にはかなり
ジャーマン・パワー・メタルの影響が色濃く見える作品に
仕上がっている。プロダクションは前作よりかなり
上がっているが、その一方で楽曲の面白味と言う点においては
前作であったらしさが希釈された感じで、悪い作品では
決してないのだが、やや平均的で盛り上がりに欠ける。
ジャーマン的なエッセンスが強くなり過ぎて、没個性的になった
様に感じられるのは残念だ。INFLAMESのJESPER STROMBLADが前作に
引き続いて楽曲作りに参加しているが、まだ、PRETTY MAIDSの
カバー、Back To Backや、ボーナス・トラックのPICTUREの
カバー、Eternal Darkの方が異彩を放っているしフックがあって
面白い。[81]
TURN AROUND / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの5thアルバム、
BIG BANG THEORYからの2ndシングル。シングル・カットの
タイトル・トラックの他に、同曲とHard To Loveの
アコースティック・バージョンの3曲と言う構成になっている。
アコースティック・バージョンは来日した際に録音された
アコースティック・ギグを収録したもので、そのため録音の方も
非常に生々しい感覚が良く出ている。まぁ、こういった類のものを
リリースしてしまうのは非常に疑問だが、普段聴けないと言う
事では、貴重な音源である事には違いない。あくまでも
コレクターズ・アイテムと言う範疇を超えているとは思わないが。
[79]
B-SIDE COLLECTION / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのアルバム未収録音源を集めた
企画盤。BELIVE以降のシングルに収められていたものに、
BELIEVE:SPECIAL EDITION、LIVE ONES、LIVE IN JAPANの
ボーナス・トラックと言った構成だ。これだけなら、これまでの
ファンには既に入手済みのものばかりで、購入の
必要がないのだが、So Blindのアコースティック・バージョンと
新曲のGood Enoughをボーナス・トラックとして収録している
辺りは、何ともファン泣かせな作品だ。新曲はアコースティックを
基調としたほんわかとしたバラードでメロディの出来はさすがと
思わせてくれる。So Blindのアコースティック・バージョンは
アコースティック・ギターになっているだけで、ドラム等は
そのままで工夫も何もない。[79]
LOVE CRIMES / HARLEQUIN
カナダのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1980年に
リリースされた2ndアルバム。方向的には、キーボードを配した
メロディアスなハード・ロックで、甘いナンバーから、叙情的な
楽曲まで、中々味わい深い作品だ。キャッチーなメロディが全体に
施されており、非常に聴き易いアルバムに仕上がっている。
1970年代的な香りがする作品で、実際以上に古く感じられるが、
それはそれで悪くない。楽曲の出来にはやや波があるものの、特に
Love On The Rocks、It's All Over Now等の哀愁のこもった
メロディは素晴らしい。後半は特に軽快でのりの良い楽曲が
中心となるが、インパクトは今一つ感じられないのが残念だ。[80]
EMBRACE THE WORLD / HARROW
オランダのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的には、
ダークな香りもするパワー・メタルだ。ボーナス・トラックとして
VICIOUS RUMORのDon't Wait For Meをライヴでカバーしたものが
収められているが、方向的にも似ていると言って良いだろう。
ただ、彼等の方がよりドラマティックで、ヨーロッパのバンド的な
雰囲気が強い。バイオリンなどのストリングを入れたり、
コンセプト・アルバムにしたりと、アイデアを色々取り
入れているて悪くないのだが、全体的にもう一つのりが悪いように
感じられる。パワフルで迫力があるだけに、出来ればもっと
アップ・テンポの楽曲を入れても良かったのではないだろうか。
[82]
FORBIDDEN COLORS / HARLAN CAGE
アメリカのハード・ロック・バンド、FORTUNEのボーカリスト、
L.A.GREENとキーボード、ROGER SCOTT CRAIGによる
プロジェクト・バンドの3rdアルバム。今作では遂に、
N.W.O.B.H.M.バンド、ZEROのギタリスト、BILLY LIESEGANGが正式
メンバーとしてクレジットされている。に方向的には、叙情的で
愁いを含んだキャッチーなメロディのハード・ポップと
言うところだろう。キーボードを前面に押し出した、アダルトな
雰囲気に満たされた楽曲は、哀愁の叙情派メロディ系のファンに
訴えるものがあるはずだ。産業ロック的な、やや作り過ぎと言う
感じが気にならなくもないのだが、割とテンポの良いので一気に
聴かせてくれる。[87]
RUBBER / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの6thアルバム。
ハード・ロックと取られたくないという事で、今作より日本
以外ではRUBBERとバンド名すら変えてしまっている。その意志
通り、ハードな部分はかなり削ぎ落ちてしまっていて、
ブリット・ロック的な音作りがされている。まだ昔の
面影があって、ブリット・ポップと言い切る程ではないが。
日本での知名度を考えて、日本のみ元のバンド名を使おうと
言うのだろうが、これだけポップな方向へと変化するのであれば、
日本でもバンド名を変えた方がすっきりする様な気がするが。元々
彼等のメロディ・センスの素晴らしさは、疑う余地はないだけに、
こう言うアルバムを作ってもさすがと思わせるだけのアルバムに
仕上がっている。[84]
BALLADS / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのバラードばかりを集めた
来日記念盤のコンピレーション・アルバム。色々な名目で企画盤
等を出し続けてきただけに、少し辟易とするが、ここで
注目されるのは新曲が2曲入っている事だろう。デビュー盤から
最新作までのアルバムから選曲されていて、初期中心の選曲は
悪くない。新曲のRememberはいかにもHARRY HESSらしいボーカルを
聴かせてくれていて、従来のファンには聴き馴染みが良いだろう。
Whyはかなり哀愁味の強いブリッド・ポップ色が強くなっており、
HARRY HESSの歌唱も切なさを強調した様な歌いかたになっている。
こちらの方がRUBBERに近くなっており、RUBBERが好きならこちらも
いけるだろう。[82]
TEN DAYS BEFORE SUMMER / HANGNAIL
イギリスのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。CATHEDRALの
LEE DRIANが主催する、RISE ABOVEと言うレーベルからの
リリースで、ヘヴィ・ロックと言う事からBLACK SABBATH色の
強いものを想像するかも知れないが、実際はやや趣が違う。
方向的には、初期SOUNDGARDENの影響がかなり強く感じられ、
それにヘヴィ・ロックらしいサイケデリックな味付けをしたと
言うところだろうか。グルーヴィでアップ・テンポの楽曲は、
非常にのりがあって、民族音楽的なエッセンスもあって中々面白い
アルバムに仕上がっている。全体的にダークな雰囲気があって、
女性ボーカルを大胆に導入していたりと、かなり新鮮さを
感じさせるところがある。[81]
BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA / HARDCORE SUPERSTAR
スウェーデンの
バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの
2ndアルバム。パンキッシュな部分も無きにしもあらずだが、
バンド名から想像する様なハード・コアっぽさはない。方向的には
THE HELLACOPTERSよりも更にロックンロール色の強い作品に
仕上がっている。侘しさを感じさせる部分があったりと、中々
扇情的でテンポが良く、聴いていて飽きさせないところが良い。
この手のものとしては、楽曲の出来も群を抜いているし、非常に
格好の良いアルバムだ。パンキッシュな
バッド・ボーイズ・ロックンロールが好きならばお奨めだ。[85]
LAST LIVE / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのライヴ盤。1999年に行われた
日本公演の模様を収めたものだ。海外では既にバンド名をRUBBERに
改名しているが、日本でもこのアルバムを持って元のバンド名は
最後にし、完全に改名してしまうとの事だ。大半が改名後の
RUBBERからの楽曲と言う事もあり、最近の路線が受け
入れられないと少し厳しいだろう。ライヴ盤と言う事では今までも
リリースしているし、正しく過去への決別的な作品と言って
良いのかも知れない。新曲が2曲ボーナス・トラックとして
収められているが、LauralieはPETE LESPERANCEがボーカルを
取っている事と、Another Nail For My HeartがSQUEEZEの
カバーである事を考えると、ボーナス・トラック以上の
価値はないだろう。[80]
RESURRECTION / HALFORD
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、JUDAS PRIESTの
ボーカリスト、ROB HALFORDによるバンドのデビュー盤。
JUDAS PRIEST脱退後のTWOやFIGHTでの彼の活動は、
メタル・ゴッドの異名を追いかけるファンからすると到底満足
出来るものではなかったろう。この作品では、久々に重厚な
ヘヴィ・メタルと言える作品に仕上がっており、ファンの溜飲を
下げたに違いない。楽曲的にはJUDAS PRIESTの方向性に近いが、
かなり聴き易いものとなっており、ある意味灰汁が
抜けてしまっていると言った感じだ。ROB HALFORDが再び
ヘヴィ・メタルをやっていると言うインパクトがあるので、その
イメージが先行してしまっているが、冷静にJUDAS PRIESTの作品と
比べると、パンチに欠ける気がしないでもない。と言っても、
それは高いレベルでの比較で、Locked And Loadedのさび等は
印象的だし、BOBBY JARZOMBEKの手数の多いドラミングは流石と
思えるものはある。[86]
HEART MADE OF STEEL / HAMMERHEAD
オランダのハード・ロック・バンドのアルバム。実際には1985年に
制作されたもので、お蔵入りしていた発掘音源だ。ボーカルはまだ
当時無名だった元VEANGENCE、現ELEGYのIAN PARRYで、
キーボードは元RAINBOWのDAVID ROSENTHAL、ギタリストは
現PERFECT STRANGERのWILCO VAN BEEK、ドラマーは
元TWISTED SISTERのJOE FLANCOと言う、今思えば豪華な
ラインナップだ。方向的には叙情派のメロディアス・ハードと
言った感じで、フックの感じられるリフを割と前面に押し
出している。やや古めかしい感じがするが、楽曲は悪くないし、
それなりには聴ける。[77]
RENAGADE / HAMMERFALL
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りとなる
3rdアルバム。CEREMONIAL OATH、IN FLAMES、DARK TRANQUILLITYと
言ったそうそうたるメロディック・デス・メタル関連の人脈で
結成されたが、パーマネントな活動に移行していく上で、それぞれ
両立出来なくなり今はOSCAR DRONJAK以外は全て
メンバー・チェンジしている。その一番の悪影響は、
DARK TRANQUILLITYのMIKAEL STANNEが抜けた事で、JOACIM CANSの
ボーカルは、透った声質だがこう言うパワフルなヘヴィ・メタルを
やるには弱く感じられる。方向的にはこれまで同様、
ジャーマン・パワー・メタル的な路線を敷いたメロディアスな
ヘヴィ・メタルだが、これまでと比べると幾分ジャーマン臭さが
減った様な感じがする。ドラマーにはJOHANSSON兄弟の
ANDERS JOHANSSONがパーマネントなメンバーとして
クレジットされている。[79]
LIVE INSURRECTION / HALFORD
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、JUDAS PRIESTの
元ボーカリスト、ROB HALFORDを中心としたバンドの2枚組み
ライヴ盤。デビュー・ツアーの模様を収めたもので、各地の音源が
集められている。彼等としては1枚のアルバムしか
リリースされていないので、当然JUDAS PRIESTの楽曲がかなりの
部分を占めるのだが、違和感は全く感じない。長年ヘヴィ・メタル
的な部分を離れていて喉をリフレッシュ出来たお陰か、正しく
絶好調と言った感じの歌唱を聴かせてくれており、
ファンのみならずとも十分満足の行く内容と言って良いだろう。
SCORPIONSのBlack Outのカバーまで収められているのが中々興味
深い。新曲のScreaming In The Dark他、JUDAS PRIEST時代に
RACER Xに提供されたHeart Of A Lion、同じくの未発表曲である
Prisoner Of Your Eyesと言うスタジオ録音も収録されている。
[87]
HATESPHERE / HATESPHERE
デンマークのメロディック・デス・メタル・バンドのデビュー盤。
方向的にはスラッシュ・メタル型のメロディック・デス・メタルと
言えるもので、AT THE GATES等の流れを汲むバンドだと言って
良いだろう。ベースとなっているのはクランチの効いた
スラッシュ・メタルで、アメリカのベイ・エリア系の
スラッシュ・メタルを思い起こさせるが、そこに北欧
メロディック・デス・メタルらしい愁いのあるメロディが持ち
込まれている。全体的に攻撃的なサウンドとなっており、中々格好
良いし聴き応えのあるアルバムだ。D.A.DのIll Willを
カバーしているが、カバーとはほとんど気がつかない位
スラッシィーなアレンジとなっている。[81]
ROCKS / HAREM SCAREM
今はRUBBERと言うバンド名に改名して活動している、カナダの
ハード・ロック・バンドのベスト盤。これまで様々な企画盤や
ベスト盤をリリースし、BEST OF...HAREM SCAREMと6曲も
重複しており、今更昔のバンドでのベストを出す意義と言うものを
疑ってしまうが、一応アルバム・タイトルが示す通り、バラードの
ベスト盤であるBALLADSと対を為す作品だ。新曲が2曲
収録されており、If I'd Been Awakeは憂いを帯びた
しみじみとしたロック・ナンバーで、Going Nowhereはやや
アップ・テンポなメロディアス・ハードで、彼らの
メロディ・センスの素晴らしさは味あわせてくれる。[80]
CLOUDS IN THE HEAD / HANGNAIL
イギリスのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。方向的には
1970年代風のドゥーム・ロック色の強いヘヴィ・ロックで、
メロディの所々にBLACK SABBATHっぽさを思わせるエッセンスが
織り交ぜられている。ストーナー・ロックらしいサイケデリックで
誇りっぽいサウンドで、全体的にアップ・テンポな楽曲はドライヴ
感が感じられる。アメリカのこの手のバンドと比べると、
イギリスのバンドらしい湿っぽさがあって、のりだけではない
味わい深さを感じさせてくれる。前作ではSOUNDGARDENっぽい
作品となっていたが、こう言った湿っぽさがオリジナリティを
感じさせ、成長の後を思わせる。[87]
THANK YOU(FOR LETTING US BE OUR SELVES) / HARDCORE SUPERSTAR
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの2ndアルバム。
THE HELLACOPTERS、BACKYARD BABIES等に代表される、
スウェディッシュ・ハード・ロックンロール一派のバンドのうちの
一つだが、前作と比べるとそう言った趣がやや下がっている。
かなりシンプルな感じのする作品となっており、そう言う意味では
どちらかと言うとBACKCHERRYに近くなった様に感じられる。
それ故、憂いのあるメロディがより強調され、非常に枯れた
趣のあるアルバムに仕上がっていると言って良いだろう。やや
シンプル過ぎる位で、その分物足りなさが感じられて
気になるところだ。[82]
WEIGHT OF THE WORLD / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの8thアルバム。ULTRA FEELは
RUBBER名義だったし、RUBBERも日本ではHAREM SCAREM
名義だったが、本国ではRUBBER名義だった事を考えると、純粋に
HAREM SCAREMとしてはBIG BANG THEORY以来の4年振りの作品と
言って良いかも知れない。RUBBERでは、彼等らしいメロディを
聴かせながらも、よりシンプルなパワー・ポップと言う感じの
音楽性だったが、ここではバンド名を昔に戻しただけあって、
まさしく往年のHAREM SCAREMと言う感じの
メロディアス・ハード・ロックを聴かせてくれている。彼等らしい
素晴らしいメロディ・センスを発揮しており、楽曲はもちろん
全体的に良く出来た作品だ。[86]
THE VERY BEST OF HAREM SCAREM / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのベスト盤。これまで本当の
意味でのベスト盤以外にも、バラード集や様々形のベスト盤を
出しているし、企画盤を含めればまたかと言う想いが最初に
出てくるのは如何ともし難いが、それでもこうして聴けば彼等の
楽曲の質が高い事は疑い様もない。選曲自体はまさにベスト盤と
言うに相応しい内容で、RUBBER時代も含めて、全時代的に
網羅されており、初心者入門用にもお奨めと言って良いだろう。
新曲のFreedomは彼等らしい叙情的なメロディの、ポップ性に
溢れた楽曲で、彼等のファンならば十分満足出来るはずだ。[85]
TEMPLE OF TEARS / HARLAN CAGE
アメリカのハード・ポップ・バンドの3年振りの4thアルバム。
元FORTUNEのボーカリスト、L.A.GREENとキーボード、
ROGER SCOTT CRAIGによるプロジェクトだ。ゲスト参加で
めぼしいところとしては、元XEROのBILLY LIESEGANGが
参加している辺りだろう。如何にも彼等らしい、洗練された
産業ロック系のハード・ポップで、憂いを帯びた叙情的な
メロディは相変わらず素晴らしい。特にこの手のバンドとしては
哀愁味が強い分、日本人向けのサウンドと言って良いだろう。
今のアメリカではあまり流行らない内容だが、楽曲の出来は
素晴らしいし、心に染み入るアルバムだ。[86]
MOTHER'S LOVE/SIGNIFICANT OTHER / HARDCORE SUPERSTAR
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの
ミニ・アルバム。アルバム収録曲、1曲、バージョン違い1曲、
アルバム未収録曲1曲、カバー、3曲の全6曲と言う
構成になっている。元々は他のスウェーデンの
ハード・ロックンロール・バンドと同じ様に、パンキッシュな
哀愁の爆走ハード・ロックンロールと言ったサウンドを
聴かせてくれていたが、最新作ではよりシンプルな方向性へと
向っていったのが、そう言った趣はここでも良く出ている。
TROUBLEMAKERのカバー、STADEN GOTEBORGはかなり
パンキッシュなので、まだ爆走している感じはあるが、INXSの
カバー、HEAVEN SENT等はミドル・テンポで今一つ合わない様な
気がする。アルバム未収録曲のThing On FireはKISS風の
ハード・ロックで、これが一番面白かった。[80]
CRUCIBLE / HALFORD
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りとなる2ndアルバム。
基本的には前作の延長線上と言えるもので、JUDAS PRIEASTの
金属的な感じのする正統派ヘヴィ・メタルをそのまま
継承したものと言って良いだろう。こう言った
JUDAS PRIEASTらしさに、ややモダンでヘヴィな色合いが
付けられているが、正にファンがROB HALGORDに求める音楽性と
言って良いだろう。それ故、JUDAS PRIEAST以来のファンには十分
満足の行くものとなっているだろうし、それだけの完成度を
誇っている。但し、楽曲の印象度はやや薄く、JUDAS PRIEAST
時代の様なこれと言った楽曲がないのが残念だ。[83]
PERSEVERANCE / HATEBREED
アメリカのハード・コア・パンク・バンドの5年振りとなる
2ndアルバム。ラウドでグルーヴィなニュー・スクール的な
部分と、リフを押し出したコアなオールド・スクール的な部分が
入り混じった作品と言えるだろう。リフを前面に押し出した
スラッシィな感じのする作品で、非常にコアで攻撃的な印象を
受けるものとなっている。SLAYERのKERRY KINGがゲスト
参加しているだけあって、全体的にはミドル・テンポ中心だが、
それこそSLAYER的なエッセンスも感じられるところもある。
パワフルでエッヂが立っていて、中々格好の良い格好の良い
アルバムに仕上がっていると言って良いだろう。[81]
BLOODRED HATRED / HATESPHERE
デンマークのメロディック・デス・メタル・バンドの
2ndアルバム。方向的にはスラッシュ・メタル系の
メロディック・デス・メタルと言えるもので、AT THE GATE辺りの
流れを汲むバンドと言って良いだろう。JACOB BREDAHLの
ボーカルは、デス・ボイスを中心としながらも、ヒステリックな
ハイ・トーンのシャウトを織り交ぜてくるのが特徴的だ。この
ボーカルもあって、AT THE GATEと比べると、より先鋭的で
ダイナミックさを感じさせる作品に仕上がっているのだが、その分
やや散漫でメロディとの取り合わせが良くない様な感じを
受けるのが残念だ。[80]
CRIMSON THUNDER / HAMMERFALL
スウェーデンのパワー・メタル2年振りとなる4thアルバム。元々は
メロディック・デス・メタル系の人脈で結成された
プロジェクトだったが、バンドとして体裁を整え、メンバーが入れ
替わるにつれ、そう言った影響もなくなっている。音楽的には
一貫して、ヨーロッパのバンドらしい、ドラマティックな
パワー・メタルだが、どうも今一つ力強さを感じさせない内容に
終始してしまっている。特にJOACIM CANSのひ弱なボーカルがそう
言った感を増幅しており、折角のドラマティックな楽曲展開を
台無しにしてしまっている。このバンドが更なる
ステップ・アップを望むならボーカルを代えないと駄目だろう。
[76]
LIVE AT THE GODS 2002 / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドの4枚目のライヴ盤。イギリスで
行われた公演の模様を収めたものだ。数々の企画盤、ライヴ盤、
ベスト盤がリリースされているバンドだけに、またかと言う
気がしないでもない。しかし、純粋な彼等としてのライヴとしては
実質LIVE AT THE SIREN以来の5年振りのライヴ盤と言って良いし、
復活後の初のライヴ盤として興味は深いところもある。
HARRY HESSのボーカルも上手いし、演奏力の確かなバンドだけに、
安心して聴いていられる事は間違いない。空間の広がりが
感じられる様なプロダクションになっているが、逆にステージから
距離を感じるのが残念だ。[84]
II / HARDLINE
アメリカのハード・ロック・バンドの10年振りの2ndアルバム。
JOURNEYのギタリスト、NEIL SCHONが結成した事でも話題を呼び、
良質のアメリカン・ハード・ロックを聴かせてくれていた
バンドで、結局は短命に終わったが、復活しての第1弾となる
作品だ。NEIL SCHONは最早いないが、もう一方の雄、
ボーカリストのJOHNNY GIOELIによって復活した。ギタリストは
TWO FIRES、元THE STORMのJOSH RAMOSが弾いており、さすが
JOURNEYに近い感性のバンドだけあって、前作の路線に沿った
作品と言えるだろう。飛び抜けた楽曲はないが、良質の
キャッチーなメロディが満載されており、アルバムの完成度も
高い。[83]
PEOPLE LIKE ME/IN MY DARKEST MOMENT EP / HANOI ROCKS
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの
ミニ・アルバム。MOTLEY CRUEのボーカリスト、VINCE NEILの
運転する車に同乗していたドラマーのRAZZLEが、その事故により
バンドも終焉を迎えていったが、その後GUNS'N'ROSESに多大な
影響を与えたりと、今でも伝説的なバンドとして語られる事が
多い。その彼等が再結成して、18年振りに出した新しい音源で、
People Like Me等は、彼等らしいパンキッシュな
ハード・ロックンロールながら、どことなく憂いを帯びた
メロディの楽曲で、ファンも十分納得する内容だ。ANDY McCOYの
楽曲をMICHAEL MONROEが歌ってこその魅力が良く現れている。[84]
TWELVE SHOTS ON THE ROCKS / HANOI ROCKS
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの18年振りの
6thアルバム。ドラマーのRAZZLE事故死から解散に至り、ようやく
再結成しての第1弾にあたる作品だ。GUNS'N'ROSESに多大な影響を
与え、言わば伝説的なバンドだが、その当時の面影をそのまま
現在に持って来た様な感じだ。
バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロールらしいラフでのりの
良い作品で、そこに彼等らしいどことなく憂いを帯びた
キャッチーなメロディが乗せられている。ただ、肝心の楽曲の
魅力と言う点に於いて、People Like Me等の優れた
楽曲もあるものの、往年の作品に比べると全体のレベルとすると
見劣りする様に感じる。[83]
TWILIGHT OF THE IDOLS / HARAKIRI
アメリカのデス・メタル・バンドの2ndアルバム。音楽的には
如何にもアメリカのデス・メタルらしく、グラインド・コア系の
テクニカル・デス・メタルと言ったものだ。ブラスト・ビートを
全体的に散りばめ、ブルータルな匂いを撒き散らしている。そう
言った中にも、テンポを変化させて緩急を入れているのがこの
バンドの面白いところで、かと言って決して軟弱になっている
訳ではなく、徹頭徹尾硬派なサウンドを貫き通している。こう
言ったテクニカルなものをやっている割には、演奏がよたるのが
難点で、演奏レベルがもう少し上がればかなり良くなるはずだ。
[80]
MORGUE SWEET HOME / HAEMORRHAGE
スペインのデス・メタル・バンドの5thアルバム。MOTLEY CRUEの
曲を茶化した様なタイトルだが、その音楽的方向性は
グラインド・コア系のデス・メタルと言えるもので、
ブラスト・ビートを前面に押し出した破壊的で整合性のない
葉茶目茶なサウンドだ。全体的にスプラッタな雰囲気を漂わせ、
ハード・コア的なエッセンスも感じられる。ここまでやれば逆に
爽快な位で、変な意味で納得させてしまうだけの馬鹿ばかしさと
カオチックなエナジーがある。グロさも感じさせてしまう
アルバムだが、その破壊衝動は凄まじく、インパクトはある。[80]
THE EARLY YEARS / HAREM SCAREM
カナダのハード・ロック・バンドのアルバム。そのタイトルが示す
様に、デビュー前のデモ音源を集めたものだ。必然的にその音楽的
方向性は初期に近いものであり、デビュー時の衝撃を与えたその
質の高い内容は変わらず、ファンにとっては安心して聴いている
事が出来る作品だろう。デモだけにプロダクション的な不満も
感じるし、彼等の特徴の一つである分厚いコーラスも控えめなのは
残念だが、こう言った趣旨の作品では致し方ないだろう。ただ、
あまりにも多くの音源をリリースしてくる姿勢は、ちょっと
ビジネス・ライク的過ぎて辟易するところも感じられる。[78]