THE FINAL FRONTIER / KEEL
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1986年にリリースされた
3rdアルバム。元STEELERのボーカリスト、RON KEELを中心とした
バンドで、L.A.メタルの中ではキャッチーなメロディのある、
ヘヴィ・メタルと言ったところだろう。楽曲によっては愁いのある
メロディがあり、日本人好みのバンドだと言える。
GRADIS NIGHTSのカバー曲、Because The Nightを始め、
スマッシュ・ヒットとなったTears Of Fire等、楽曲のグレードは
高く、彼等の代表作と言って良いアルバム。プロダクションにやや
難が感じられない事もないが、特に哀愁のバラード、
Tears Of Fireは名曲といえるもので、これだけでも価値ある。
[84]
KEEL / KEEL
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた
4thアルバム。プロデューサーがKISSのGEEN SIMONSから
MICHAEL WAGNERに変った事から、よりその音楽性にあった
プロダクションに仕上がっている。United Nationsのコーラスを
厚く仕上げるアイデア等は中々良いと思う。但し、前作に
比べると、Because The NightやTears Of Fireと言った、核となる
佳曲がなく、今一つ盛り上がりに欠ける
内容となってしまっている。それでも、彼等の持ち味が引き
出された事により、全体的に聴き応えがあって、悪くない作品だ。
[82]
JUICY FRUIT LUCY / KEEN HUE
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
10年振りとなる2ndアルバム。非常にアメリカン・テイスト溢れる
サウンドで、叙情派のアメリカン・ハード・ロックと言った感じの
アルバムに仕上がっている。キャッチーなメロディにハードな
サウンドは、正に1980年代のアメリカを思わせる作品だ。
MATS FRIMODIGSの甘いボーカルは、彼等のサウンドに良く
合っていて映えるし、エモーショナルで中々良く出来たアルバムに
仕上がっている。飛び抜けた楽曲はないが、キャッチーで聴き
馴染み易く、平均的に良く出来ているアルバムだ。[84]
MIND NO MIND / KEEGAN
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1995年にリリースされた
2ndアルバム。ギタリストのJEFF KEEGANを中心としたバンドで、
今作よりソロ名義から、バンド名を彼のファミリー・ネームである
KEEGANに改め、バンド的な感覚を前面に押し出している。
ボーカルはJEFF KEEGAN自身が取っており、彼の
ボーカル・スタイルからすると当然ではあるが、前作同様の
オーセンティックなアルバムに仕上がっている。アルバムの
完成度も前作より上がっているし、出来はまずまず悪くない。
オーセンティックと言っても、KING DIAMONDみたいな聴き手を
選ぶようなものではないし、硬派なヘヴィ・メタル・アルバム
作品で聴きごたえがある。[90]
"WE ARE THE PEOPLE" / KEN TAMPLIN
JOSHUAの元ボーカリストのソロ・アルバム。他にも自身のバンド
TAMPLINやTAMPLIN AND FRIENDS等の名義でアルバムを
リリースしていてややこしいが、この作品は1995年制作で、
TAMPLIN名義のIN THE WITNESS BOXと同じ頃に作成されている
事になる。格好の良いアメリカン・ロック・アルバムだが、歌が
中心であり、全体的にホーンを多様したアコースティックな
作品で、TAMPLINよりもソロ的な指向が強い。楽器もドラム以外は
ほとんどKEN TAMPLINが一人で担当している。楽曲も飛抜けた
曲はないが、全体的に良く出来ているし、KEN TAMPLINの
ボーカルの格好良さを味わえる。[81]
KERBDOG / KERBDOG
イギリスのロック・バンドの1994年にリリースされたデビュー盤。
方向的には、ベースにオルタナティヴ・ロック的な感覚を持った
ヘヴィなロック・バンドと言った感じだ。故に楽曲は基本的に
ヘヴィ・メタルと言うよりはグランジ的な線なのだが、その重厚な
サウンドはヘヴィ・メタル系のリスナーにも十分楽しむ事が
出来るだろう。こういう新しい感覚をどう上手く生かしていくかに
今後の正否はよるだろうが、オリジナリティを感じさせてくれる
作品だ。楽曲的には飛抜けた面白い曲というものはないが、演奏も
含めて全体的にまずまずというところだ。[77]
WHEN THINGS GET ELECTRIC / KERRY LIVGREN
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、KANSASの
元ギタリストによる1994年にリリースされた7thソロ・アルバム。
方向的には、ポップ・センス溢れる良質のロック・アルバムで、
完成度の非常に高い作品に仕上がっている。KANSASの
バイオリニスト、DAVID RAGSDALEも参加しているが、この
バイオリンが、また中々良い味付けになっている。その他にも、
フルートを入れたりと、プログレッシヴ・ロック畑の人らしい
部分があって、中々面白い。全体的にミディアム・テンポ中心で
派手さはないが、じっくり聴かせる良く出来た作品で、叙情的な
メロディは心が洗われる。[84]
TIME SCAPE / KENZINER
フィンランドのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。とは言え、
バックのメンバーは、プロデュースを担当したDAVID T.CHASTAINの
バンド・メンバーで、どちらかと言うとDAVID T.CHASTAINの
バックアップの元、JARNO KESKINENがアルバムを作ったと言う方が
正しいのかもしれない。方向的には北欧らしい叙情的なメロディを
持った、ネオ・クラシカル系統のサウンドで、重厚な
ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。全体的に扇情的で中々
聴きごたえのあるアルバムに仕上がっている。楽曲によっては
面白味に欠ける部分が所々あるが、素材は悪くないだけにこの
辺りの楽曲を練る事が出来るようになればかなり良くなるはずだ。
[83]
THE PROPHECIES / KENZINER
フィンランドのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。
方向的には正にネオ・クラシカル系と言えるもので、
JARNO KESKINENの速弾きが一つの聴きどころだろう。
プロデューサーは前作同様DAVID T.CHASTAINと言うところも、そう
言う作品作りに大きな影響があるのかも知れない。アメリカ人
ボーカリスト、STEPHAN FREDRICKは割と太い感じの声質で、
力強さを感じさせる。今作よりキーボードとしてMIKKO HARKINが
加入しているが、とにかく弾きまくると言った感じでかなり
露出があり、JARNO KESKINENのギターともう一本に
柱になっている。楽曲は全体的に洗練されてきたが、その一方で
今一つ面白味に欠ける気もする。[82]
A GLIMPSE OF GLORY / KEN HENSLEY
元URIAH HEEP、BLACKFOOTのイギリス人キーボードによる
20年振りの4thソロ・アルバム。URIAH HEEPやBLACKFOOTの様な
ハードさはあまりなく、どちらかと言うとキャッチーで
コマーシャルな作品に仕上がっている。切々と歌い上げると言った
感じのアコースティック・ナンバー、
Guard Your Heartがあったりと、全体的に落ち着いた雰囲気の
クリスチャン・ロック作品に仕上がっている。派手さもないし、
別にキーボードが前面に押し出されている訳でもないので、
URIAH HEEPやBLACKFOOTを期待するならば外すかも知れないが、
出来は悪くない。[80]
TIME PASSES / KELLY KEAGY
アメリカのハード・ロック・バンド、NIGHT RANGERのドラマー兼
ボーカリストによる初のソロ・アルバム。ALAN FITZGERALD以外の
NIGHT RANGERのメンバーがゲスト参加しており、その他にも
元SURVIVORのキーボード、JIM PETERIK等も参加している。
楽曲的には、ややNIGHT RANGER的な色合いも感じられるが、余り
ハード・ロックンロール的なエッセンスはなく、より産業ロック
的な色合いの濃いものとなっている。良質のメロディの
アメリカン・ロックと言った感じで、楽曲の出来も良く、安心して
聴いていられる作品だ。ボーカルはもちろん全曲彼が取っており、
期待を裏切らない出来と言って良いだろう。[81]
RUNNING BLIND / KEN HENSLEY
元URIAH HEEPのイギリス人キーボードの3年振りの
5thソロ・アルバム。DAVID BYLON等と伴に、初期URIAH HEEPを
支えた人だけに、この作品にもそう言った雰囲気が非常に強く
伝わって来る。叙情的でドラマティックな楽曲が並んでおり、
往年のファンならば頷けるところの多い作品だろう。
Easy LivingやLook At Yourselfの様な緊迫感とまでは残念ながら
行かないが、Free Spirit等、初期URIAH HEEPを
味あわせてくれる。中盤ほのぼのとした展開になって、やや
中だるみと言う気がしなくもないし、本人が取ってるボーカルが
やや力強さに欠けるのが少し残念だ。[82]