TWO HANDS, ONE HEART / NEIL ZAZA
アメリカ人ギタリストの1993年にリリースされたソロ・アルバム。
いわゆるギター・インストルゥーメンタルと言うやつで、当然彼の
ギター・プレイを前面に押し出したものだ。楽曲はJOE SATRIANI
辺りがやっていても不思議ではないもので、内容的にはやや
フュージョンっぽさを感じさせるものだが、その演奏はかなり
ヘヴィ・メタル的な金属感を感じさせるプレイだ。演奏を前面に
押し出していると言っても、叙情的なギター・メロディが中々
素晴らしく、楽曲がおろそかになっていないところに好感を
持てる。ややプロダクションがチープで、折角のギターの音色が
美しいと思えないところが残念だ。[82]
NEW RELIGION / NEW RELIGION
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
デビュー・ミニ・アルバム。方向的には、いわゆるQUEENSRYCHE
系と言うやつで、まずこの手のバンドとしてはボーカルが
ちゃんとしているという事が評価できる。この手のバンドの多くは
下手なボーカルが多く、やりたい事と実力のギャップが
出ていたりするのだが、STEARNS BULLENはハイ・トーンも非常に
奇麗に出ていて中々の実力派だ。少し軽く感じなくもないが
これだけうまければ些細な問題だ。サウンド的には、コーラスの
取り方や、低音のボーカル・ラインを入れてくるところ等、もろに
QUEENSRYCHEをやっていますと言う感じだ。このコーラスも、
メンバーがやっているのかは判らないが良い出来である。曲も
良いが、QUEENSRYCHEクローン以外の何者でもなく、
オリジナリティには欠如しているとしか言い様がない。とは
言うものの、4曲しかないので一気に聴くことが出来るし、
新人としては文句のない出来なのは確かだ。[85]
BECAUSE THEY CAN / NELSON
アメリカのロック・バンドの5年振りの2ndアルバム。意外と
ハードな部分も見せていた、デビュー盤がブレイクした双子の
NELSON兄弟を要するバンドだ。アコースティック中心の
音作りになっており、前作ではまだ見られたハードさは、今作では
殆ど無くなっている。良質のポップ・センス溢れる楽曲がずらりと
並んでいるが、特にハードでもなく、軽くキャッチーで、更に甘く
優しいメロディのものが延々と続いていて盛り上がりに欠ける
感じがする。それ故にハードなものを望む人には、多分途中で
飽きが来る事になるかも知れない。[80]
THE PERSONAL FRAGMENT OF LIFE / NEOLITHIC
詳細は良く知らないがポーランドの
ゴシック/デス・メタル・バンドの様だ。一曲目のヴァイオリンと
アコースティック・ギターで構成されるイントロ・ナンバーの
いかにもというような耽美の美しい調べは何とも言えないが、
それ以降はかなり歪んだダミ声のデス・ボイスが入る。
メロディック・デス・メタルと同じ方法論であろうが、
このデス・ボイスが、そちらの方としてもかなり酷い部類で
いかんともし難い。楽曲はゴシック系にしてはかなり
アップ・テンポなものだが、バイオリンが効果的で、荘厳さを
失っておらず悪くない。[82]
NEVERMORE / NEVERMORE
アメリカのパワー・メタル・バンドの1stアルバム。一部で評価の
高かったパワー・メタル・バンド、SANCTUARYで
オーセンティックなボーカルを聴かせてくれていたWARREL DANEが
中心となって結成されている。WARRELのボーカルはやはりさすがと
思わせるものがある。彼のボーカルのヒステリックな感覚は
相変わらずだが、SANCTUARY時代ほど自己主張が強くなくアクが
薄れた感じがする。楽曲的にはミドル・テンポ中心となり、
SANCTUARYとはまた違った趣をたたえている。
The Sanity Assassin等のように切々と歌い上げる部分もあり、
全体的に悪くはないのだが、逆にこれといったものも感じない。
[82]
TORN / NEON CROSS
アメリカのクリスチャン・メタル・バンドのアルバム。この手の
バンドもボーダレスになって来て、タイプ的に色々なものが出て
来ているが、このバンドもその一つと言って良いだろう。
スローからミドル・テンポ中心で、ディープで気だるいが、
なんとなく明るいサウンドは独創的とは言えないが特徴を良く
出している。ただそれで、アルバム一枚を通して楽しめるかと
言うと別の話だが。方向的にはヘヴィ・ロックと言うやつで、
ブルージィな色合いもある、アメリカらしい土臭さがある。
ハーモニカを入れて来る辺りにもその特徴は良く
現れているだろう。楽曲によってはどことなくクールさがあって、
TEMPLE OF THE DOGを思わせる様なものもある。[78]
OREXIS OF DEATH / NECROMANDUS
イギリスのヘヴィ・ロック・バンドのアルバム。BLACK SABBATHの
TONY IOMMIプロデュースにより1972年に制作されながら、バンドの
解散によりお蔵入りになっていたテープを発掘、CD化したものだ。
BLACK SABBATHのバック・アップを受けていたが、方向的にはそれ
程影響は感じられない。むしろプログレッシヴ・ロックとも言える
様な内容で、非常にブリティッシュ的なセンスを匂わせる
サウンドだ。部分的にはLED ZEPPELIN的なエッセンスも
感じさせるところがある。プログレッシヴ・ロックだが、
演奏的にはかなりハードな部分もあり鮮烈だ。[84]
IN MEMORY / NEVERMORE
元SANCTUARYのWARREL DANE率いるパワー・メタル・バンドの
デビュー・アルバムに続くミニ・アルバム。方向的には今一つ
乗り切れなかった1stアルバムと同じで、この
ミニ・アルバム自身もなんとなく煮え切らない。但し、
MatricideはWARRELのボーカルが生きた、ドラマティックな佳曲で
その次のIn Memoryのイントロ辺りまでの流れは素晴らしい。
全体的にWARRELの扇情的なボーカルは相変わらず聴きごたえが
あるのだが、どうもそれを生かす曲が少ない様に感じる。それでも
まだ1stアルバムよりはさまになってきているとは思うが。[80]
THE POLITICS OF ECSTASY / NEVERMORE
元SANCTUARYのボーカリスト、WARREL DANE率いるアメリカの
パワー・メタル・バンドのミニ・アルバムに続く2ndアルバム。
リフをザクザクと切り込んで来る辺りはスラッシュ・メタル
的でもあり、大仰なメロディはパワー・メタル的でもある。
デビュー盤では楽曲とWARRELとのボーカルのバランスも悪く出来も
今一つだったが、先ほどのミニ・アルバム辺りからかなりこなれて
来て良くなってきた。ドラマティックでダークでヘヴィな
サウンドはその独自の世界を良く築き上げていると思う。全体的に
良く出来てはいるのだが、少し変化に乏しい。[81]
IMAGINATOR / NELSON
金髪のNELSON兄弟率いるアメリカのポップ・バンドの
お蔵入りになったアルバムをリリースしたもの。お蔵入りになった
理由が、あまりにもヘヴィだったのでということだが、確かに
大ヒットしたAFTER THE RAINに比べるとそれなりに
ハードなものの、元々が甘いポップ・ソングを
やっていたのだからむしろちょうど良いくらいだ。ENUFF Z'NUFFの
コンビとも曲を共作したりしていて楽曲の出来も中々のものだ。
ただ、判らないのはTWEAKEDで既に発表済みの
WE'RE ALL ALRIGHTまで共作になっていることだ。これまでの
作品に比べると全体的に明るさ抑え目という印象を受ける。[84]
1978 / NEW ENGLAND
アメリカのメロディアス・ハード・ロック・バンドのデビュー
前の1978年に録音されたマテリアルを中心にCD化したもの。
デビュー前のデモと2ndアルバムのデモに3曲の未発表曲が
追加されている。プログレッシヴ・ハード・ロックとでも言える
様な作品で、朗らかで暖かい曲調がしみじみとしていて心に優しく
染み渡る。デモ音源と言う事でお世辞にも音は凄く良いとは
言えないのだが、20年前のデモ音源としてはかなり上質だと言って
良いだろう。派手さはないが楽曲は後々アルバムに
使用されただけあって悪くない出来だし、内容的にもデモの
レベルを超えていると言って良いだろう。[80]
NEWMAN / NEWMAN
イギリスのハード・ポップ・バンドの恐らくデビュー盤。叙情的で
キャッチーなメロディの楽曲が並んでおり、全体的にかなり
爽やかな印象を受ける。どちらかと言うとアメリカ的な
メロディで、楽曲によってはNIGHT RANGERのバラードを思い
起こさせる様な部分もある。全体的に整ってはいるが、その分
派手さもなく、飛び抜けたものはない。しかし、STEVE NEWMANの
透ったボーカルが意外に良い味を出しており、地味な
作品になってしまっていない所が評価出来る。楽曲の出来も
悪くないし、それなりに聴きごたえはあるので、これと言った曲が
書ければかなり良い作品になっただろう。[79]
GUITAR DREAMS / NEIL SITRON
HEARTのHAWARD LEATHの従兄妹で、PAUL SABU率いるアメリカの
ハード・ポップ・バンド、ONLY CHILDの元メンバーで、現
LANA LANEのギタリストによるソロ・アルバム。全曲
インストルーメンタルでテクニカルな演奏も聴かせてくれる
部分もあるが、いわゆるギターものと言う様な感じの派手な
プレイはそれ程出てこない。非常にエモーショナルな
ギター・プレイで、同じくLANA LANEのERIK NORLANDERの
オルガンも合間って、非常に叙情感溢れるブルーズ・アルバムに
仕上がっている。その他、TONY FRANKLINや元BRAND Xの
WALTER CARCESが参加しており、割と安心して聴いていられる。
[83]
DREAMING NEON BLACK / NEVERMORE
SANCTUARYの元ボーカリスト、WARREL DANE率いるアメリカの
パワー・メタル・バンドの3rdアルバム。ギタリストの
PAT OBRIENがCNNIBAL CORPSEに去り、新たにFORBIDDENの
TIM CALVERTが加入している。しかし、その基本的な方向性に
変化はなく、シアトリカルでダークな雰囲気は変らず残っている。
楽曲はよりドラマティックな仕上がりになっており、
WARREL DANEのボーカルが、これまでの作品よりも実力を
発揮している様に感じられる。しかし、アルバムを通しての変化が
少なく、楽曲の個々の魅力がこれまで同様、今一つ
感じられないのが残念だ。[83]
IDENTIFY YOURSELF / NEVE
アメリカのロック・バンドのデビュー盤。ギタリストの
MIKE RAPHAELは元ROUGH CUTTのギタリスト、AMIR DERAKH率いる
JAILHOUSE参加していた人で、昨年リリースされたJAILHOUSEの
アルバムにもメンバーとしてクレジットされている。しかし、
方向的には、そう言ったハード・ロックとはやや異なり、牧歌的な
ロック・アルバムだ。MIKE RAPHAELはNELSONにも楽曲を
提供しているだけあって、そのセンスは確かだ。メタル系の
リスナーからすると、普通のロック過ぎるかも知れないが、楽曲の
出来は良いし、JOHN STEPHENSのハートフルなボーカルも良い
味わいを出している。[81]
LIFE / NELSON
アメリカのロック・バンドの5thアルバム。RICK NELSONを父親に
持った双子の兄弟がやっているバンドで、今は亡き父親の
楽曲であるLifeをカバーしている。方向的にはこれまでと
変りなく、非常にポップでキャッチーなロック・アルバムで、
灰汁がなくて聴き易い作品だ。全体的に清々しい、気持ちの良い
メロディが散りばめられており、楽曲の出来も素晴らしい。NELSON
兄弟のボーカルも、洗練されていて聴き易く、万人向けの作品だと
言って良いだろう。但し、かなりポップな作品であるため、メタル
系のリスナーにはあっさりし過ぎてやや物足りないかもしれない。
[84]
ONE STEP CLOSER / NEWMAN
イギリスのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。前作でも
メロディアス・ハード系の中々良い作品を作っていたが、今作では
その完成度が遥かに上がっている。The Callを始め、佳曲と呼べる
楽曲がずらりと並んでおり、非常に質の高い作品だ。こういう
叙情系のAOR系の作品は、聴き流してしまいそうなものも
多いのだが、このアルバムは非常にフックがあり、STEVE NEWMANの
表現力豊かなボーカルが、非常に聴きごたえのある
作品にしていると言って良いだろう。全体的に、楽曲の出来、
演奏、プロダクションと非常に良く出来ており、叙情派で
キャッチーなメロディの軽快なハード・ロックが好きならば、聴く
価値があるアルバムだ。[89]
NEW AMERICAN SHAME / NEW AMERICAN SHAME
アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー盤。方向的には
いわゆるハード・ロックンロールと言う感じなのだが、AC/DC
等よりメロディをより中心に置いており、ブルージィっぽさも
感じられる。とは言え、あくまでものりの良い
ハード・ロックンロールが中心なので、非常にテンポが良く
のりのある作品に仕上がっている。DAVY VAINをワイルドにした
様なJOHNNYのボーカルは味わいがあって面白いし、グルーヴィさを
良く出している。BUCKCHERRY等よりも、もっとシンプルで
オーソドックスな感じがするが、パワフルでのりの良さが良く
出ているアルバムだ。[86]
PIRANHA BLUES / NEAL SCHON
アメリカのハード・ロック・バンド、JOURNEYのギタリストによる
ソロ・アルバム。彼のこれまでの作品とは、趣が大きく
異なっており、方向的にはいわゆるブルーズと言うやつで、彼が
ギターを弾いているだけあって、GARY MOORE等よりは若干
ロックっぽさを感じさせるアルバムに仕上がっている。
アメリカン・フレーバーを感じさせる、土っぽさのある南部的な
ブルーズで、彼のファンとしては戸惑うかも知れないが、
アルバムの出来的には中々良く出来た作品だ。
RICHARD MARTIN ROSSの枯れたボーカルも、非常に味わいがあって
良く合っている。[81]
CRASHIN' HOLLYWOOD / NETWORK
アメリカのハード・ロック・バンドの未発表音源集。1989年に
制作されたもので、ボーカルは元RED DAWNのLARRY BAUDだ。言わば
発掘音源的な作品ではあるが、その出来はかなりの線を
行っている。方向的には、産業ロック的なポップ・センスを持った
アメリカン・ハード・ロックで、キャッチーで嫋嫋的なメロディは
中々素晴らしい。エッヂが適度に立っていて、親しみやすい
メロディの楽曲はセンスの良さが伺える。プロダクションに幾分
不満は残るが、アメリカのバンドらしい叙情的でメロディアスな
アルバムに仕上がっているし、LARRY BAUDのボーカルも情感が良く
出ていて楽曲に合っている。[81]
THE THIRD ANTICHRIST / NECROPHOBIC
スウェーデンのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。
方向的には、荒涼としたメロディを持ちながらも、
ブラスト・ビートを織り交ぜ、ブルータルに攻め込む如何にも
ブラック・メタルらしいと言ったところのサウンドだ。
ギター・ソロではよりはっきりとメロディを打ち出している
部分がある様に感じられるが、メロディック・デス・メタルの
大部分のバンド様に、決してメロディに傾倒し過ぎると言う
事はない。スラッシィーでありながら、グラインド・コア的な
部分も併せ持っており、ザクザク切り刻んで来るリフとメロディ
展開はそれなりに面白いものはある。[80]
HOLOCAUSTO DE LA MORTE / NECROPHAGIA
アメリカのブラック・メタル・バンドのアルバム。ギタリストの
ANTON CROWLEYはPANTERAのボーカリストとしても有名な
PHILIP ANSERMOだ。ヨーロッパのブラック・メタル・バンドの
様な、荒涼とした中にも叙情的なメロディが感じられるものとは
全く違い、混沌としたブルータルなサウンドを
聴かせてくれている。グラインド・コア系のブラスト・ビートを
配したサウンドで、凶悪なアルバムに仕上がっている。PANTERAの
ファンが聴いて面白いと思えるかどうか疑問だし、非常に凶悪な
サウンドなので一般受けしそうにはないが、出来は悪くない。[80]
BLACK BLOOD VOMITORIUM / NECROPHAGIA
アメリカのブラック・メタル・バンドのミニ・アルバム。前作
同様、PANTERAのボーカリスト、PHILIP ANSERMOはANTON CROWLEYと
言う別名を使ってギタリストとして参加している。前作では
テクニカル・デス的な色合いを感じさせる作品であったが、
今作ではよりスラッシュ・メタル的な部分が強くなっている。元々
歴史の古いバンドだけあって、北欧の寂寥感を感じさせるものとは
違い、よりVENOM的な古典の色合いを感じさせる作品だ。とは
言っても、そのブルータリティ前作に全くひけを取っておらず、
最近のエクストリーム系のらしいところを見せてくれている。
むしろ最近のこう言ったバンドと比べても、かなり強烈な暴虐さを
出しているし、免疫がないと少し辛いだろう。[80]
STARING AT THE SUN / NEIL ZAZA
アメリカ人ギタリストの4thソロ・アルバム。音楽的には、
いわゆるギター・インストルゥーメンタルと言うやつで、
ギター・プレイに走り過ぎず、かと言って楽曲中心になり過ぎず、
バランス良く感じられる。ややフュージョンぽさを感じさせるが、
十分ヘヴィでフックがあって聴き応えのある作品に
仕上がっている。叙情的なメロディは素晴らしいし、そこに
バイオリンを絡ませる等、細かな配慮も行き届いている。そして
彼の情感豊かなギター・プレイがより一層楽曲を盛り上げていて、
インストルゥーメンタルながら決して聴き飽きさせないところが
素晴らしい。[87]
NIGHTMARE SCENARIO / NEW BOMB TUCKS
アメリカのガレージ・パンク・バンドの5thアルバム。方向的には
パンキッシュなメロディアス・ハード・ロックンロールと言った
感じで、幾分THE HELLACOPTERSっぽさを感じさせるところもある。
但し、もっとスピード感溢れるかなり速い楽曲が中心で、ドライヴ
感があって勢いを感じさせてくれる作品に仕上がっている。
アグレッシヴかつワイルドな感じが良く出ており、その一方で
キャッチーで聴き易いメロディは楽曲をより引き立てている。この
手のバンドとしても、楽曲の出来はかなり上の部類と言って良い
作品で、ガレージっぽいチープさが逆に良い味わいになっている。
[84]
DEAD HEART, IN A DEAD WORLD / NEVERMORE
アメリカのパワー・メタル・バンドの4thアルバム。中心
人物である元SANCTUARYのボーカリスト、WARREL DANEのボーカルを
生かした扇情的なパワー・メタルを聴かせてくれている。
SANCTUARYと比べると、よりモダンな雰囲気のするヘヴィな
作品で、やや作り過ぎと言う気もする。アコースティックを取り
入れて、静と動の対比を知ているところ等は、楽曲の
ドラマティックさを高めており、情感がこれまで以上に増した様に
感じられる。SIMON & GARFUNKELのカバー、The Sound Of Silence
等は、イントロがなければそれだと気が付かない程大胆な、
彼等らしいアレンジがなされている。[82]
DANCE IN THE FIRE / NEWMAN
イギリスのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。
方向的にはこれまで同様のキャッチーなメロディの、
ポップ・センス溢れたハード・ロックだ。叙情的で湿り気の
感じられる爽快なメロディはこれまで同様素晴らしく、彼等の
ポップ・センスの素晴らしさを十分感じさせてくれる作品に
仕上がっている。馴染み易いメロディは秀逸で、産業ロック
的ではあるが、もっとイギリスらしい叙情味を打ち出している。
前作と比べると今一つと言う感もするが、それでも楽曲の出来は
非常にレベルが高く、安心して聴いていられるアルバムに
仕上がっている。[85]
MATER OF ALL EVIL / NECRODEATH
イタリアのスラッシュ・メタル・バンドの再結成第1弾となる11年
振りの3rdアルバム。方向的にはSLAYER型のコアで速い
スラッシュ・メタルと言えるが、SADISTの元ドラマー、PESOが
参加している事もあってか、かなりエクストリーム的な
エッセンスの感じられる作品となっている。特にそれが顕著に
現れているのはFLEGIASのボーカルで、鶏声の様な
ブラック・メタル・ボイスを連想させるものだ。SLAYERと違うのは
イントロ等に、荘厳さを感じさせるメロディがあったりする事で、
ヨーロッパの暗黒サウンド的な色合いが、暴虐さとエクストリーム
性を否応にも増している。非常にコアで攻撃的なサウンドは、
最近のスラッシュ・メタルとしてはトップ・クラスと言っても良い
内容だ。[85]
A SUN THAT NEVER SETS / NEUROSIS
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの2年振りとなる7thアルバム。
あくまでも暗い情念の炎を感じさせるそのサウンドは、まさしく
独特と言って良いだろう。アコースティック・ギターや
バイオリンを用い、静かなパートから一気にダークでヘヴィな
パートへの切り替えは凄まじく、カオチックな絶望感を
演出している。ジャーマン・ロックの流れを
汲んではいるのだろうが、その狂気的なカタルシスは、そう言った
源流を超越してしまっている。ゴシック・メタルの一部の
バンドにも通ずるところはあるが、ここまで絶望的な美を表現した
事には驚嘆を隠せない。ただし、こう言った音楽は決して広く受け
入れられる事はないだろうが。[89]
VOICE / NEAL SCHON
アメリカのハード・ロック・バンド、JOURNEYのギタリストによる
4年振りの3rdソロ・アルバム。MARIAH CAREYのHero、
BRIAN ADAMSの(Everything I Do)I Do It For You、
Shania TwainのFrom This Moment On、Annie LennoxのWhy、
LEON RUSSELLのSong For You等、ヒット曲を
ギター・インストルゥーメンタルでカバーしたものだ。全体的に
ブルージィな色調になっており、彼の情感の深いギターを
聴かせてくれている。ポップ・ソングばかりなので、ハードな
プレイはないのだが、それ故逆に味わい深いものに
仕上がっている。[80]
BLACK AS PITCH / NECRODEATH
イタリアのスラッシュ・メタル・バンドの2年振りとなる
4thアルバム。クリエイティヴ面での中心人物であるドラマーの
PESOはSADISTでの活躍でも知られているが、それからも判る様に
かなりエクストリーム色の強いスラッシュ・メタルだ。音楽的には
SLAYERやDESTRUCTIONの流れを汲む、コアな色合いの強い、
オーソドックスなスラッシュ・メタルだ。攻撃的で切れのある
リフをザクザクと切り刻んでくるのは何とも気持ちが良い。
FLEGIASのディストーションの効いたきついボーカルは好き嫌いが
分かれるかも知れないが、古き良き時代のスラッシュ・メタルを
聴かせてくれているのは何とも嬉しい限りだ。[83]
CHARGED / NEBULA
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3rdアルバム。音楽的には
退廃的でサイケデリックでトリップ感のある1970年代風の
ヘヴィ・ロックで、いわゆるストーナー・ロックと
呼べるものだろう。元FU MANCHUのメンバーによるバンドだが、
FU MANCHUがサイケデリック色がない事に対して、彼等は
思いっきりサイケデリック色を出すと言う、サイケデリックさに
置いて、対極的な作品を作り上げてきたと言って良いだろう。
グルーヴィでのりが良く、如何にもストーナー・ロックらしい
サイケデリックなサウンドは、ストーナー・ロックのファンには
十分満足行くものだろう。[86]
IMMORTAL UNHOLY TRIUMPH / NEPHASTH
ブラジルのデス・メタル・バンドのデビュー盤。
ブラスト・ビートを配したブルータルなデス・メタルだが、
いわゆるグラインド・コア系のデス・メタルと言う要素も
持ちながらも、ベースはスラッシュ・メタル的と言って
良いだろう。徹頭徹尾、攻撃的で原始的な混沌とした雰囲気さえ
感じさせる作品に仕上がっている。強烈なエナジーを
発散しながら、猪突猛進する様はただただ圧巻あされてしまう。
楽曲自体は全体的にコンパクトにまとめられていて短く、
ミニ・アルバムと言っても良い位短く、あっという間に駆け抜けて
行く暴風雨の様だ。[84]
BLOODHYMNS / NECROPHOBIC
スウェーデンのデス・メタル・バンドの4thアルバム。
ブラスト・ビートを配したグラインド・コア系のデス・メタルと
言えるのだが、かなりはっきりとメロディを打ち出している。
このメロディが荒涼としたイメージを与え、サウンド自体は
北欧ブラック・メタルと言っても差し支えないだろう。高速の
ブラスト・ビートにおけるきっちりとした演奏等、レベルの
高さを感じさせてくれる。このブラスト・ビートとメロディを
打ち出した部分を上手く配し、この手のものとしてはかなり
ドラマティックな盛り上がりを出しており、聴き応えのある
アルバムに仕上がっている。[82]
OFFICIAL BOOTLEG.01.LYON.FRANCE.11.02.99 / NEUROSIS
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの初のライヴ盤。1999年に
行われたフランスでの公演の模様を収めたものだ。彼等のその
ダークでドゥーミィで沈み込む様な陰鬱さを持ったサウンドが、
ライヴでどう表現されるのか興味の沸くところだが、その狂気とも
呼べるダークさが見事に再現されている。これをライヴの間
ずっと聴かされるのは、ある意味苦痛すら感じるのではないかと
思う部分も有るが、その彼等の精神世界が見事に表現されている。
基本的に長大な楽曲が多いが、プログレッシヴ・ロック的な
エッセンスも取り込んで、ポップさのかけらもないのだから、
あまり気にする必要もないだろう。[85]