NO SWEAT / NO SWEAT
アイルランドのハード・ロック・バンドの1990年にリリースされた
デビュー盤。自費出版のデビュー・シングルをDEF LEPPARDの
ボーカリスト、JOE ELIOTTがプロデュースした事で一躍知られる
様になったバンドだ。方向的には、叙情的なメロディの爽快な
ハード・ロックで、そこにアイリッシュらしいトラディショナルな
エッセンスとブリティッシュ・ブルーズ的な味わいが感じられる。
飛び抜けた楽曲はないが、雄大な広がりを感じさせる作品で、
エモーショナルで全体的に楽曲の出来は悪くない。しかし、
メロディ・センスが良いだけに、On The Edgeの様な
コマーシャルな楽曲をもっと打ち出しても
良かったのではないだろうか。[80]
AIN'T EASY BEING CHEESY / NOVA REX
アメリカのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた
アルバム。方向的には明るいアメリカン・ヘヴィ・メタルと言った
ところで、エッヂの効いたハードなサウンドの楽曲から、優しい
アコースティック・ナンバーまでとかなり幅が広い。まだ方向性を
絞り切れていないと言ったところだろうが、結構バラエティに
富んでいるのは確かだ。メロディ・センスは結構良く、ハードな
楽曲ではかなりDEF LEPPARDっぽさも感じさせる。DEREK MADISONの
ボーカルがJOE ELIOTTっぽいところが、その感を倍加させている。
とは言うもののさしてうまいと言う程のボーカルではないし、
楽曲のレベルもまずまずと言ったところだ。[78]
SHADOWS FROM THE WILDERNESS / NORDEN LIGHT
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた
アルバム。元SILVER MOUNTAINのボーカリスト、
CHRISTER MENTZERを中心としたバンドで、それらしい、叙情的で
メロディアスな楽曲をやっているものの、残念ながら楽曲自体の
完成度はSILVER MOUNTAINと比べると、あそこまで高くない。
ただし、パワフルで荒々しいのりがメロディに絶妙に絡んでいて、
最後まで聴かせてはくれる。CHRISTER MENTZERのボーカルも
上手いとは言えないが、どちらかというと中音域が中心で
ワイルドで力強くて聴きごたえがある。[80]
THE BEST OF NO QUARTER / NO QUARTER
N.W.O.B.H.M.バンドのベスト盤。全く話題にもならなかったので
気がつかなかったが、1992年に最結成していたらしく、
クレジットはされていないが、新録音された3曲が
納められている。とは言うものの、録音状況は幾分
クリアになってはいるが、昔と比べてもさして
良くなったわけではない。アップ・テンポでブリティッシュらしい
暗さを持ったメロディが中心となっている。全体的に勢いがあり、
中にはMOTORHEADやSAXONののりを感じさせるものもある。いかにも
B級N.W.O.B.H.M.という感じの楽曲だが、B級の良さは十分
発揮している。[87]
BLOW ME AWAY / NOVA REX
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
デビュー・ミニ・アルバム。方向的には、如何にも
アメリカン・ハード・ロックと言った感じで、楽曲は非常に
ポップでキャッチーだ。Bitch等、曲によってはビートが
効いていて、DEF LEPPARDっぽいところもある。哀愁を帯びた
Children Of The Nightはアメリカン・ハード・ロックの名曲と
言ってもおかしくない位美しい曲で素晴らしいとは思うが、
全体的に楽曲の方向性が統一感がない。最新作では、統一感は
出てきたが、この哀愁さとポップさを完全に失っているのは
残念だ。[89]
THRESHOLDS / NOCTURNUS
元MORBID ANGELのMIKE BROWNING率いるアメリカの
テクニカル・デス・メタル・バンドの1992年にリリースされた
2ndアルバム。前作ではMIKE BROWNINGがボーカルを
兼任していたが、今作では専任ボーカリストが入って、6人
編成となっている。そのため、デス・ボイスは差し挾むような
感じで入っていたのが、今作では全編に渡ってデス・ボイスが
聴かれるようになっている。前作と比べると、キーボードがかなり
前面に出されているし、スラッシィな部分も大きく、メロディが
結構しっかりしているので、グラインド・コア系にしてはかなり
聴き易い作品だ。[79]
THE KEY / NOCTURNUS
元MORBID ANGELのMIKE BROWNING率いるアメリカの
テクニカル・デス・メタル・バンドの1990年にリリースされた
デビュー盤。いわゆるグラインド・コア系デス・メタルなのだが、
楽曲によってはそれ程極端にブラスト・ビートは使われず、
どちらかと言うとスラッシィーなサウンドで、この
手のものとしてはそれ程聴き難いと言う感じは受けない。
演奏自体もさすがにしっかりしているし、スラッシィーな早い
サウンドが洪水のように流れ込んで来て中々面白い。しかし、
グラインド・コア色の強い楽曲になって来るとさすがに聴く人を
選ぶだろう。KEYBOARDがいるのもこのバンドの大きな特徴だが、
今一つ真価を発揮出来ていない様に感じられる。[77]
BEGINNINGS / NOUVEAUX
アメリカのクリスチャン・メタル・バンドのアルバム。ボーカルは
もろJOE ELIOTという感じで、楽曲もDEF LEPPARD的なもののが
何曲かある。コーラスの取り方等はいかにもそれっぽい感じで、
そう言った部分は本人達も意識してやっているのだろう。
アメリカン・ロックっぽいポップさもあり、中々の出来だが、
あまりヘヴィという感じはないし、良くまとまりすぎて面白身には
欠けるきらいがある。ADRENALIZE辺りのDEF LEPPARDが好きならば
聴いてみても良いかも知れない。クリスチャン・メタルという
要素も多分そんなに気にならないだろう。[83]
INTERRELATED / NO CREDIT
ドイツのメロディアス・ハード・ロック・バンドのデビュー盤。
メロディは非常にポップで、幾分湿り気はあるものの産業
ロック的でもある。キーボードがかなり全面に押し出されていて、
ハード・ポップとも言えそうな作品だが、UTZIのソリッドな
ギターがハードさを出している。楽曲は良く出来ているが、
全体的にこじんまりしていてインパクトに欠ける感もなくはない。
HOLGERのボーカルは線が細く、幾分しゃがれているのも気にかかる
所だがそれほど酷くはない。Stay TonightはEUTOPEのCarrieを思い
起こさせる曲で、ポップさから何曲かはなんとなくこのころの
EUROPEを連想させられる。[85]
IN A TIME OF BLOOD AND FIRE / NOCTURNAL RITES
スウェーデンのパワー・メタル・バンドのデビュー盤。ださい
アメリカっぽいジャケットで、いかにも期待
出来なさそうなのだが、これが良い意味で期待を裏切られる。
方向的にはジャーマン・パワー・メタル的な大仰なメロディで、
それに北欧らしい叙情的なメロディを加えたという感じだ。
STRATOVARIUSよりは、昔のCHROMING ROSE的と言った感じで、
IRON MAIDENの様なリフ回しも聴かれる。まだ洗練されていないと
言う感じはうけるし、B級臭さも感じるが、このドラマティックな
展開と美しい哀愁味のあるメロディはなんとも捨てがたい。
ジャーマン・パワー・メタル、北欧メタル、IRON MAIDENと
言ったところのエッセンスを足して3で割ったと言う感じで、
これらのキーワードにくるものがあるならお奨めだ。[92]
THE REAL LUST FOR LIFE / NOBLE ROT
ドイツのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた
デビュー盤。ヘヴィネスでグルーヴィでドゥーミィな
ハード・ロックだが、ドゥーム・メタル一辺倒のヘヴィ・ロックと
言う訳ではなく、いろんなジャンルにクロス・オーバーしている
作品だ。リフ等は如何にもドゥーム・メタルっぽいが、楽曲自体は
グランジっぽかったりと割とユニークな内容となっている。
グルーヴィなリフは結構面白いのだが、肝心の楽曲自体は面白味に
欠けるのは如何ともしがたい。もう少し工夫して、楽曲作りの力が
付けば結構面白い存在にはなると思えるのだが。[74]
...AND THIS IS HOW I FEEL / NOUVEAUX
アメリカのクリスチャン・ロック・バンドのアルバム。方向的には
前作より更にソフトになり、そのサウンドは全般的に
アコースティック色が強いものとなっている。
アコースティック・ギターが大々的に取り入れられており、洒落た
ロック・アルバムに仕上がっていると言って良いだろう。爽やかで
叙情的なメロディは、適度に湿り気を帯びていて中々センスが
良い。全体的に楽曲は良く出来ていて、派手さはないが、
リラックスした良いアルバムに仕上がっている。切実に歌う
PAUL ALANのボーカルも情感があって雰囲気を盛り上げている。
[86]
HARMAGEDON STORY PART II / NOVELA
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの1984年にリリースされた
6thアルバム。前作に続いての第2弾となるSFコミックの
イメージ・アルバムだ。ハード・ロック系の人には元EARTSHAKER、
現GERALDの永川敏郎が居たことで馴染みがある人も多いだろうが、
この作品も永川敏郎在籍時のものだ。今のGERALDでのような派手な
ヘヴィ・メタル的なメロディとは全く違って、いかにも
プログレッシヴ・ロックらしい作品だ。五十嵐久勝の
エキセントリックなボーカルは今一つ受け入れがたいかも
知れないが、楽曲自体はシンフォニックな部分もあって
悪くない。[76]
ANIMA / NOITAPASTORI
詳細は全く判らないが、多分フィンランドの
ゴシック・メタル・バンドのミニ・アルバム。どちらかというと
ニュー・ウェーブ系とも言えるサウンドだが、実に抑揚なく淡々と
進んでいく。アコースティカルでダークな楽曲は単調な
メロディで構成されていて、ややどすの効いたクリア・ボイスが
延々と続くので、盛り上がりに欠けるのはいかんともしがたい。
呪術のような不思議な世界が展開されていて、それはそれで
面白いのだが、多分ミニ・アルバム位の長さが限界だろう。
Hopea位テンポのある曲はまだ聴いていられるのだが、そうでない
曲は結構苦しい気がする。[70]
REQUIEM / NOVELA
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの1981年にリリースされた
ミニ・アルバム。ボーナス・トラックを3曲プラスされており、
非常に美しく壮大なナンバー青の肖像に3rdアルバム、
PARADISE LOSTに集録されていたパート3も追加されている。青の
肖像が通して聴ける様になっており、とにかくこの曲を
聴けるだけで十分価値がある。現GERALDの永川敏郎のキーボードを
前面に押し出した静寂感と透明感があり、シンフォニックな雰囲気
漂う、叙情的な心に染み入る素晴らしい佳曲だ。それ以外の
曲となると、五十嵐久勝のヒステリックなボーカルが少々受け入れ
難いのだが。[83]
PARADISE LOST / NOVELA
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの1981年にリリースされた
3rdアルバム。元EARTHSHAKER、GERALDの永川敏郎も在籍していた
事で、メタル側のリスナーにも馴染みがあるだろう。五十嵐久勝の
エキセントリックなボーカルはここでも変らず、人によっては受け
入れがたいかも知れない。特に前半はこのボーカルを中心にした
シアトリカルな作品になっているので、その癖の強さが
気になるかも知れない。後半に入ると名曲青の肖像を始め、優しい
叙情的なシンフォニック・ロック的な指向が強くなってくるが、
楽曲を含め全体的な出来は決して悪くない作品だ。[77]
TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION / NOCTURNAL RITES
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。
方向的にはデビュー盤同様、ジャーマン・パワー・メタル、
北欧メタル、IRON MAIDENを出したようなサウンドで、特に
Lost In Time等はいかにもIRON MAIDEN的だし、
Change The World等はいかにもジャーマン・パワー・メタル的な
大仰なメロディだ。慣れてしまったのか、デビュー盤ほどの
衝撃はないし、よりジャーマンっぽさを押し出している感が
強いので、ジャーマンが嫌いだと少し受け付けない
作品かもしれない。より臭いメロディ展開で、デビュー盤の方が
まだ、万人向けだと思えるのだが、出来自体はなかなか良い
作品だ。[85]
THE SACRED TALISMAN / NOCTURNAL RITES
スウェーデンの元デス・メタル・バンドだった、
ヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的にはこれまでの
延長線上で、ジャーマン・パワー・メタル、北欧メタル、
IRON MAIDEN的なエッセンスを取り込んだヘヴィ・メタルだ。
2ndでは既にワン・パターンさを感じさせ、今後を憂慮させたが、
この作品では、楽曲のレベルを飛躍的に上げており、その出来で
勝負出来るだけのアルバムに仕上がっている。メロディの緩急の
付け方、構築と言った部分は非常に素晴らしく、
プロダクションも格段に良くなっている。演奏的にも、
NILS NORBERGのギター・ソロは素晴らしいし、コーラスも非常に
良い具合だ。彼等のスタイルの一種完成形と言って良いだけの
作品に仕上がっている。[90]
TO THE GATES OF BLASPHEMOUS FIRE / NOCTURNAL MORTUM
ウクライナのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。この
手としては、オーソドックスとも言える様な典型的な
ブラック・メタルで、かえって好感が持てる。まさしく
スクリーミングと言えるブラック・メタル・ボイスに、チープで
大仰なキーボード、ブラスト・ビートを交えたブルータルな
楽曲と、つぼを押えた作品だ。EMPERROR等が好きなリスナーには
きっと訴えるものがあるはずだ。シンフォニックなキーボードと
ブルータルな楽曲が渾然一体となって展開されていく様は、
混沌としていて凄まじい。楽曲、演奏と全体的なクオリティも
高いし、中々良く出来たアルバムだ。[86]
NO RETREAT...NO SURRENDER / NOCTURNAL BREED
ノルウェイのブラック・メタル・バンドの2ndアルバム。バックは
完全なハード・コア/スラッシュ・メタルと言えるもので、一種
デスラッシュとすら言っても良いだろう。メンバーは元
DIMMU BORGIR、SATYRICON、GEHENNAと良く知られたバンドの
出身だけに、演奏的にも安心して聴いていられるレベルに
仕上がっている。疾走するスラッシュ・メタルは迫力があって、
非常に格好が良い。特に異色なのはTWISTED SISTERnoカバー、
Under The Bladeで、この曲だけメロディがより浮き出ていると
感じられる位で、さびに来るまで判らない辺りがらしくて良い。
[84]
ARRIVAL / NORWAY
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。方向的には
メロディアスで叙情的なアメリカン・ハード・ロックと
呼べるもので、哀愁感に満ちたキャッチーなメロディの
GIVIN' IT ALL等は素晴らしい楽曲だ。その他の楽曲は、
どちらかと言うと爽やかなものが中心で、出来自体は悪くない。
GLENN PIERSONのボーカルは、特別悪いと言う程ではないが、
伸びがなくてパワフルさに欠け、今一つ力強さに欠ける
感じがする。楽曲自体はGIVIN' IT ALLが佳曲であるが故に、その
後の楽曲に盛り上がりが欠ける感があり、Cry Babyを除けばやや
煮え切らなさを感じる。[80]
AFTERLIFE / NOCTURNAL RITES
スウェーデンのパワー・メタル・バンドの4thアルバム。今作より
ボーカリストとしてJONNY LINDKVISTが加入しているが、中々
パワフルでワイルドなボーカルを聴かせてくれており、
前任者よりも上手いし、バンドに合っている。楽曲的には少し
方向性がこれまでと変っており、ジャーマン・パワー・メタルと
北欧らしい叙情性の融合と言った感じの作品から、より普遍的な
パワー・メタルとなっている。それ故に、アルバム自体の出来は
確かに良いと思うのだが、これまで感じられたオリジナリティに
欠ける様に感じられる。扇情的で愁いの感じられるメロディは
かなり減じ、より硬派なメロディアス・パワー・メタルになったと
言う感じだ。ある意味完成度が上がっている訳だが、逆に面白味は
減ってしまった様に思える。[82]
VOL.1:LE THEATRE DU VAMPIRE / NOTRE DAME
スウェーデンのブラック・メタル・バンドのアルバム。
元KING DIAMOND、MERCYFUL FATE、MEMENTO MORIのドラマー、
SNOWY SHAWがギター、ベース、キーボードを担当している。その
アルバム・タイトルやジャケットが示す通り、吸血鬼伝説を
主題としており、ブラック・メタルと言うよりは
バンパイア・メタルと言えるものだ。音楽的にはメロディアスな
ブラック・メタルだが、この手の作品の先立ちである
CRADLE OF FILTHとはやや趣の違った作品に仕上がっている。より
怪奇的でシアトリカルな雰囲気を出しており、逆に
ブラック・メタル的な禍禍しさはそれ程強くないし、
ブラスト・ビートも出てこない。女性ボーカルやクリア・ボイスも
交えながら、独特の雰囲気を出しているのは評価出来る。[83]
NORTHWIND / NORTHWIND
フランスのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー・ミニ・アルバム。
HEAVENLYの元メンバー等によるバンドだ。デビューと言っても
自費出版で、CD-ROMに印刷すらされていないし、ジャケットは
カラー・プリンタで印刷したもので、デビューと言うのは
おこがましいだろう。プロダクションもそれに見合ってチープで、
全体的にB級臭さが匂ってくる。メンバーにドラマーがおらず、
リズム・マシンを使っているところもそう言うアマチュア臭さを
感じさせるところだ。ただ、Prisoner Of The Pastにおける
憂いのあるメロディは中々印象的で、もっとバンドとして慣れて
来たらと期待させるところもある。ただFRANCK MIDOUXの微妙に
音程が外れるボーカル等、全体的なB級臭さが今の
メンバーでやってる限り解消されるとも中々思えにくいが。[69]
GATE OF TRIUMPH / NORIFUMI SHIMA WITH CONCERTO MOON
日本のヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。ギタリストの
島紀史とSABER TIGERのボーカリスト、下山武徳によるバンド、
DOUBLE DEALERの方が本業となってしまった形で、こちらは
彼のサイド・プロジェクト的な位置
付けになってしまっている。それだけに半分が
ギター・インストルゥーメンタルとなっており、より彼の
プレイを押し出した作品となっている。方向的にはこれまで
同様、ネオ・クラシカル系のヘヴィ・メタルで、この
手のものとしては、日本では最もレベルの高い作品と言って
良いだろう。今作より井上貴史がボーカルを取っているが、
中々パワフルで、前任の尾崎隆雄よりは下山武徳の方が近い
タイプだ。[84]
NOVEMBRINE WALTZ / NOVEMBRE
イタリアのゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドの
4thアルバム。扇情感と耽美感と言ったゴシック・メタル的な
エッセンスを押し出しながらも、よりヘヴィ・メタルらしい
サウンドを聴かせてくれている。特にメロディ等は時には非常に
憂いのある耽美な叙情感を強く打ち出しており、ニヒルな哀愁を
感じさせてくれる。ボーカルはCARMELO ORLANDOのデス・ボイスが
中心となっているが、クリア・ボイスも使われており、ゲストで
元THE 3RD AND THE MORTALのANNーMARI EDVARDSENも参加しており、
KATE BUSHのカバー、Cloudbustingを歌っているのが興味深い。
[84]
DEUS DECEPTOR / NONEXIST
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの
デビュー盤。ANDROMEDAのギタリスト、JOHAN REINHOLDZ、
元ARCH ENEMYのボーカリスト、JOHAN LIVA、DARK FUNERALの
ドラマー、MATTE MODINによるプロジェクト・バンドだ。楽曲は
JOHAN REINHOLDZが手がけているが、音楽的にはANDROMEDAと
言うよりはARCH ENEMYに近いと言って良いだろう。
ARCH ENEMYよりは、もっとはっきりとリフを主体においており、
スピード感を活かしたものとなっている。そう言った
ブルータルさを醸し出しながらも、楽曲の構成等にはANDROMEDAで
見せた様なプログレッシヴ・メタル的な複雑さや、叙情的な
メロディが顔を見せる。[83]
DREAMS OF ENDLESS WAR / NORTHER
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドの
デビュー盤。その音楽的方向性は疾走するTHOMAS PLANMANの
キーボードを配した、アップ・テンポでドラマティックさを持った
叙情的なメロディのメロディック・デス・メタルで、同郷の
CHILDREN OF BODOMの影響が強く感じられる作品と言って
良いだろう。PETS LINDROOSの咆哮や、シンフォニックなサウンド
等、端々にCHILDREN OF BODOMの影を感じるアルバムで、その
完成度も高いので、CHILDREN OF BODOMのファンならば
フォローワーとして十分聴けるだけのレベルだ。敢えて違いを
探すなら、CHILDREN OF BODOMよりストレートなものだと言う
事だろう。[81]
SHADOWILAND / NOCTURNAL RITES
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りとなる
5thアルバム。ここ最近、その音楽的方向性を、
ジャーマン・パワー・メタルの影響を受けたものから、より
不偏的なヘヴィ・メタルへと変化させて来ていたが、今作もその
変化をより押し進めたものと言って良いだろう。
ジャーマン・パワー・メタル的なエッセンスはほとんど廃され、
オーソドックスでメロディアスな叙情派ヘヴィ・メタルを
聴かせてくれている。TOMMY HEART風のエモーショナルな
JONNY LINDQVISTのボーカルがまた効果的だ。全体的な完成度が
増し、メロディアス・ヘヴィ・メタル新鋭の代表格の一つと
言えるまでに成長した姿を見せてくれている。[86]
MIRROR OF MADNESS / NORTHER
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドの
2ndアルバム。方向的にはCHILDREN OF BODOM流れを汲む
メロディック・デス・メタルで、それはTUOMAS PLANMANの
キーボードのぴーひょろと言う感じの疾走するキーボードに良く
現れている。瞬間瞬間にははっとするメロディが出て来るのだが、
楽曲を通すと今一つ印象が薄い感じもする。ギター・メロディは
良い感じで、そこが目立ち過ぎて他のパートとのバランスが少し
悪い。それでも世に五万といるメロディック・デス・メタルの
バンドとしてはかなりレベルが高い事は間違いない。個人的には
北欧メタルみたいなバンド名とジャケットは如何なものかと
思うが。[80]