THE END COMPLETE / OBITUARY
アメリカのデス・メタル・バンドの1992年にリリースされた
3rdアルバム。アメリカのデス・メタルと言うと、フロリダが
中心地で、このバンドもそのうちの一つだ。MORBID ANGELに
代表される様に、ブラスト・ビートを前面に押し出した
テクニカルなものを思い浮かべるが、彼等はよりヘヴィさを前面に
押し出したものだ。CELTIC FROST辺りのミドル・テンポの
スラッシュ・メタルをデス・メタルに進化させた様な感じのする
アルバムに仕上がっている。ヘヴィで地獄の底を這う様な
不気味さを湛えており、デス・メタルとしてはかなり毛色の
変わった作品だ。[83]
WORLD DEMISE / OBITUARY
アメリカのデス・メタル・バンドの1994年にリリースされた
2年振りの4thアルバム。アメリカ・デス・メタル・シーンにおいて
MORBID ANGELと並ぶ古参のビッグ・ネームで、ある意味対極に
位置するバンドだ。ミドル・テンポのヘヴィでダークな
スラッシュ・メタル型のデス・メタルだ。方向的にはこれまでの
延長線上と言えるもので、混沌としたカオティックな彼等の世界を
展開している。前作と比べると、ややクリアなサウンド
作りがなされており、おどろおどろしさは控えめになった様な
印象を受ける。これらを、サウンドをより濃密にする事により
カバーしている。[81]
BACK FROM THE DEAD / OBITUARY
アメリカのデス・メタル・バンドの3年ぶりの5thアルバム。
バックはかなりヘヴィでドゥーミィな雰囲気をもった
スラッシュ・メタルという感じで、緊迫感のある
内容になっている。前作よりはスピードが増し、疾走感があり、
迫力がある。リフはより印象的で、今一つ散漫な印象だった
前作に比べるとめりはりがあって、よい作品に仕上がっている。
JOHN TADDYのデス・ボイスもややダーティなだけで、それ程
気にするものでもなく、むしろ力強さが出て合っていると言って
良いだろう。かなりスラッシュ・メタル的であり、聴きやすい
作品と言える。[84]
DEAD / OBITUARY
アメリカのデス・メタル・バンドのライヴ・アルバム。この
バンドはブルータルと言うよりスラッシュ的なアティチュードの
強いバンドであり、このライヴでは特にそういった方向性を強く
見せている。そういう意味ではグラインド・コア系はちょっとと
言う人にもかなり聴きやすいアルバムのはずだ。もちろん暴虐な
部分が全くない訳ではないが、ブルータル系デス・メタルとしては
初心者向けには向いている。アグレッシヴではあるが洗練された
感じがするので、デス・メタルっぽさが希薄に感じられ、逆に
コアなファンにとっては面白味に欠けるかも知れない。当然新曲が
多いのだが、全時代的にまんべんなく選曲され、全体的に
クオリティも高いとは思うが。[80]
OBERON / OBERON
詳細は良く判らないが、恐らくノルウェイの
ゴシック・メタル・バンドのデビュー・ミニ・アルバム。ピアノを
全面に配したアコースティック色の強いサウンドだが、
シンフォニック・ブラック的な色合いはあまり強くなく、環境
音楽的な匂いはそれ程強くない。ボーカルは男性
クリア・ボイスだが、特に可もなく不可もなくという感じで毒にも
薬にもならず聴き流せてしまうという感じだ。流麗だが、
ところによってはアンビエントな感じのするサウンドで、
ダークなものだが、ここと言った聴きどころがないので、これ
以上の長さになると少し辛いのではないかと言う印象を受ける。
[79]
COLD BLOODED MURDER / OBSCENITY
ドイツのデス・メタル・バンドの6thアルバム。方向的には
グラインド・コア系の真性デス・メタルと言えるものだ。
ブラスト・ビートを前面に押し出し、暴虐感漂うデス・メタルで、
その破壊力は凄まじい。どちらかと言うとアメリカの
テクニカル・デス・メタル辺りの影響が感じられるが、
ヨーロッパらしいメロディも取り入れている。非常に攻撃的で、
ブラスト・ビートは本当に演奏しているのかと思える位
速いときがある。この手のものは聴き手を普通選ぶものだが、
リフが良く出来ているので意外と聴き易いと言う印象を受ける。
[83]