THE PAGAN PROSPERITY / OLD MAN'S CHILD
ノルウェイのブラック・メタル・バンドの2ndアルバム。
メロディをはっきりと打ち出していて、アップ・テンポだが、
それ程ブラスト・ビートを中心に打ち出してこないので随分と
聴きやすい。シンフォニックなキーボードも使ったりしているが、
全体的に非常にドラマティックな楽曲が並んでいる。GALDERの
強烈な吐き捨て型ブラック・メタル・ボイスは少々聴き
難いものがあるが、それさえ除けばパワー・メタルと言っても
良いくらいの作品で、ブラック・メタルはどうもと言う人にも
ボーカルを除けばすんなりと聴けるはずだ。メロディ、楽曲の
展開といった部分はなかなか質の高さを伺える出来だ。[82]
ILL-NATURED SPIRITUAL INVASION / OLD MAN'S CHILD
ノルウェイのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。相次ぐ
メンバー・チェンジの末に、今作では遂にGALDER一人の
プロジェクトと言って良い形式になってしまっている。ドラム
以外の全てのパートを彼が担当し、ドラムのみ元DARK ANGEL、
DEATH、STRAPPING YOUNG LADのGENE HOGLANDが担当している。
方向的にはクラシカルな要素を取り入れた失踪する
ブラック・メタルと言う、前作の延長線上と言って良い。
相変わらずシンフォニックなキーボードが入ったりするが、随分
押え気味で自然な感じがするのが良い。相変わらずなGALDERの
強烈なブラック・メタル・ボイスは聴くものを選ぶだろうが、その
完成度は確実に上がっている。[84]
BITTER TEARS / OLEMUS
詳細は全く不明だが、恐らくオーストラリア辺りの
ゴシック/デス・メタル・バンドのアルバム。女性コーラス二人を
含む7人組で、ROBERT BOGNERのデス・ボイスとTANJA HOFERと
SIMONE HAUZENEDERの美しいボーカルが絡んでいく。かなりだみ
声になっているときもあるが、大方はデス・ボイスと言っても
しゃがれているだけで、かなりクリア・ボイスに近く、それ程聴き
難い様なものではない。楽曲的にはピアノ等を絡めていっているが
かなり正統派的で憂いを帯びたパワー・メタル風だ。特に
SIMON OLLERの扇情的なギター・メロディが非常に効果的だ。
楽曲の出来も中々のものだし、意外と聴きごたえのある作品に
仕上がっている。[86]
FUN STUFF / OLAF LENK'S FOOD
ドイツのヘヴィ・メタル・バンド、AT VANCEのギタリスト、
OLAF LENKの2ndソロ・アルバム。方向的には、いわゆる
ギター・インストルゥーメンタルと言うやつで、様式美系の
AT VANCEとは違い、STEVE VAI系のフュージョン色が感じられる
作品となっている。グルーヴィ感があってのりが良く、技術的にも
十分納得出来るだけのレベルではあるのだが、AT VANCEのファンが
期待するものと合致して満足させる事が出来るかと言うと、疑問に
感じられるところだ。In The Airの様に、愁いが感じられる楽曲も
全くない訳ではないのだが、もう少しこう言う楽曲を入れても
良かった様に思える。キーボードとしてDON AIREYが全曲
参加している。[80]
REVELATION 666 THE XURSE OF DAMNATION / OLD MAN'S CHILD
ノルウェイのブラック・メタル・バンドの4thアルバム。
方向的にはこれまで同様、攻撃的でブラック・メタルらしい
禍禍しさを感じさせる作品だ。キーボードも使われているが、
北欧のブラック・メタル・バンドとしてはそれ程荒涼感を
感じさせる様な感じはなく、どちらかと言うと荘厳さを
出していると言って良いだろう。楽曲的にはブラスト・ビートも
はっきりと打ち出して来る事はないし、ドラマティックな
スラッシュ・メタルと言った感じで、かなり聴き易い作品だ。
楽曲の出来も良いし、全体的な完成度も高く、この手の
作品としてはかなり高品質の作品と言って良いだろう。[84]
IN DEFIANCE OF EXISTENCE / OLD MAN'S CHILD
スウェーデンのブラック・メタル・バンドの3年振りの
5thアルバム。DIMMU BORGIRのギタリスト、GALDERを中心とした
プロジェクト・バンドで、彼がボーカル、ベース、キーボードも
担当しており、ドラマーはDIMMU BORGIR、元CRADLE OF FILTHの
NICHOLAS BARKERが参加している。基本的には北欧らしい
メロディアスなブラックメタルだが、キーボードの使い方等は
シンフォニックなエッセンスも感じさせるものだ。不穏で
ブラック・メタルらしい雰囲気はあるものの、EMPERROR等に
比べると、それ程エクストリーム的なイメージは受けず、
CRADLE OF FILTH辺りに近い方法論と言えるだろう。[82]