BATTLE CRY / OMEN
アメリカのB級ヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースされた
デビュー盤。アメリカのバンドではあるが、そのスタイルは
明らかにIRON MAIDENのそれである。ギター・メロディとリフは
完全にそれ以外の何者でもなくやや苦笑ものだ。叙情的な
ファースト・ナンバーそれなりに格好良いが、全体的に
チープであることはいがめない。録音状態を始め、楽曲の練り
等、全体的なクオリティはまだまだではあるが、叙情的な
メロディのセンスはそれほど悪くない。もう少しアレンジが
ちゃんとしていればましになったとは思うが。[70]
WARNING OF DANGER / OMEN
アメリカのB級ヘヴィ・メタル・バンドによる1985年に
リリースされた2ndアルバム。方向的にはデビュー盤とほとんど
変らず、IRON MAIDEN風のギター・メロディ、リフがそこここに
飛び出す。とは言え、扇情的だがねちっこいJ.D.KIMBALLの
ボーカルが出てくると、いきなり地味になるのは如何ともし
難いところがある。全体的な完成度もIRON MAIDENには遠く
及ばないし、プロダクションがもう少し良くならないと到底一般
受けはしないだろう。楽曲の面白味はまだまだだが、もう少し
アレンジ力があれば何とかなったかも知れない。マニア
向けとしては、存在感は出せているとは思うが。[74]
THE CURSE/NIGHTMARES / OMEN
1980年代中盤に活躍したアメリカのB級パワー・メタル・バンドの
1986年にリリースされた3rdアルバムTHE CURSEに、
ミニ・アルバムNIGHTMARESをカップリングしたもの。
アルバムの方は、これまで同様のIRON MAIDENの影響が見える
マイナーなパワー・メタルで、楽曲の出来はIRON MAIDENに遠く
及ぶものではないが、J.D.KIMBALLのねちっこいボーカルが
一種独特の雰囲気を醸し出している。インストルゥーメンタルの
S.R.B.等結構聴きどころとなる部分もある。ミニ・アルバムの方は
まだそれ程IRON MAIDENぽくもなく、AC/DCのカバー
Whole Lotta Rosie等は結構はまっている。[74]
THE PROPHET / OMEGA
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1985年にリリースされた
デビュー盤。N.W.O.B.H.M.末期に登場したバンドで、これが唯一の
アルバムだ。N.W.O.B.H.M.後期と言うと、どちらかと言うと
ポップなバンドも多かったが、このバンドはそう言った洗練された
方向に向かってはいない。プログレッシヴ的なエッセンスを持った
音楽性で、N.W.O.B.H.M.らしいどんよりとした憂いを含んだ
メロディを持ちながらも、シアトリカルな雰囲気を強く撒き
散らしており、N.W.O.B.H.M.のバンドとしてはやや異彩な
感じがするところもある。それはNICK BRENTのボーカルによる
部分が大きいのだが、逆に楽曲の魅力を削ぐ結果になっていると
思う。あえて言うならばLIMELIGHT辺り近いところもあり、
N.W.O.B.H.M.のバンドとしては珍しく長大な楽曲が多いので、
ドラマティックな作りがなされている。こう
言ったものをやるには、全体的にプロダクションが悪いのも
難点だ。[80]