BLIZZARD OF OZZ / OZZY OSBOURNE
イギリスのヘヴィ・ロック・バンド、BLACK SABBATHの
元ボーカリストによる自身のバンドの1980年にリリースされた
デビュー盤。実際にはBLIZZARD OF OZZがバンド名だったが、その
後は彼自身の名前をバンド名としている。この作品での何と
言っても1番の聴き所は、その後若くして飛行機事故で
亡くなった、伝説的なギタリスト、RANDY ROADSとの
コラボレートであろう。まだまだプレイに甘さが見られるが、彼の
独特のギター・サウンドは新鮮だし、ギター・フレーズも実に
面白い。名曲中の名曲、MrCrowleyを始め、I Don't Know、
Crazy Trainと言った佳曲がずらりと並んでおり、名作と言える
作品だ。[93]
DIARY OF A MADMAN / OZZY OSBOURNE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1981年にリリースされた
2ndアルバム。OZZY OSBOURNEのボーカル・スタイルと独特の
キャラクターの所為か、RANDY ROADSの悲劇的な事故死までは
日本では色物扱いで全く人気がなかったが、その内容の充実度は
素晴らしく、RANDY ROADSの生前に正当な評価を受けなかったのは
残念だ。彼の生前最後の作品となるアルバムだが、
OZZY OSBOURNEのオカルティックなキャラクターに合わせた
おどろおどろしさを出しながらも、Diary Of A Madmanの様な一風
変わった、RANDY ROADSらしいギター・フレーズが聴ける。
プロダクション的に難も感じられるし、前作と比べると楽曲の
出来に波が感じられるが、Over The MountainやS.A.T.O.と言った
つぼにはまった楽曲は素晴らしい。[92]
BIBLE OF OZZ / OZZY OSBOURNE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた
5thアルバム、NO REST FOR THE WICKEDにバックル、ワッペン、
ブックレットを付けた本型のボックス・セット。この作品より
ギタリストはJAKE E.LEEよりZAKK WYLDEに交代している。まだ
RANDY RHOADSやJAKE E.LEE程個性を強く発揮出来ていないが、
ブルージィでエモーショナルなプレイでのりの良さが良く
出ている。楽曲的には平均的に良く出来ていて流石と
言うところだが、これと言った飛び抜けた楽曲がないために、
これまでの作品と比べるとやや印象が薄く感じられるかも
知れない。[85]
JUST SAY OZZY / OZZY OSBOURNE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた
ミニ・ライヴ盤。1989年に行われた、アメリカでの公演の模様を
収めたものだ。OZZY OSBOURNE自身以外にも、ベーシストに
元BLACK SABBATHのGEEZER BUTLERが加わっている所為か、
Sweet LeafやWar Pigsが収録されていて、BLACK SABBATHの楽曲の
割合が高くなっている。ZAKK WYLDEが加わって、初めてのライヴ
作品だが、ZAKK WYLDEのも中々素晴らしい。Shot In The Dark
等はオリジナルより良く出来ていると言っても良い位だ。
どうせならきちんとフル・アルバムで出して欲しかった
気がするが。[88]
NO MORE TEARS / OZZY OSBOURNE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
6thアルバム。当時、最後のアルバムとして作成されたが、結局
4年後に復活している。ベーシストにはGEEZER BUTLERに変わって、
ALICE IN CHAINSのMICHAEL INEZが加入しているのも興味深い。
ZAKK WYLDEも、RANDY ROADSやJAKE E.LEEとはまた違った
スタイルのギタリストだが、独特のグルーヴ感を出していて、
非常にのりとテンポの良さを感じさせるアルバムに
仕上がっている。楽曲的には、飛び抜けた楽曲がなく、これまでの
作品の中ではやや小粒と言う感もなくはないが、それも高い
レベルでの話だ。[87]
LIVE & LOUD / OZZY OSBOURNE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた
3枚目となる2枚組ライヴ盤。その後完全復活したが、1991年から
1992年にかけて、当時フェアウエル・ツアーとして行われた
ワールド・ツアーの模様を収めたものだ。言わば、彼の集大成とも
言えるライヴだけあって、全時代的に楽曲が網羅されている。
BLACK SABBATH時代の楽曲が4曲、RANDY ROADS在籍時の楽曲が6曲、
JAKE E.LEE在籍時の楽曲が2曲、ZAKK WYLDE在籍時の楽曲が6曲と
言う構成になっている。一旦ライヴが終了した後、オリジナルの
BLACK SABBATHのメンバーが登場し、Black Sabbathを演奏し、
ZAKK WYLDEのピアノをバックに、バラードのChangesで締める
構成は圧巻だ。[90]
TRIBUTE / OZZY OSBOURNE/RANDY ROADS
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた
ライヴ盤。既にSPEAK OF THE DEVILと言う2枚組のライヴ盤が
出ているが、本来RANDY ROADSがいたままの状態で
録音されるはずだったものが、彼の飛行機事故による突然の不慮の
死で、BRAD GILLISを代役に立てて行ったライヴで
リリースされている。これはそのRANDY ROADSの生前の1981年に
行われたカナダでのツアーの模様を収めたもので、本来もっと早く
出るものが、やっとリリースされたと言うところだろう。ここでは
何と言ってもRANDY ROADSのギター・プレイに注目せざるを
得ないだろう。そのギター・プレイに粗さが感じられるが、彼が
生きていれば凄いギタリストになったであろう素材は十分
感じられる。それと供に、彼の様な天撫の才を持つギタリストが
失われた事に、涙なくしては聴けないアルバムだ。
OZZY OSBOURNEの個人名義ではなく、RANDY ROADSとの
連名になっているところに、OZZY OSBOURNEの心情が伺える。[90]
OZZMOSIS / OZZY OSBOURNE
復活したイギリス人ボーカリストのアルバム。これまでの作品と
比べると非常に重厚でもっともドーミィながら、その
メロディ・ラインを失う事無く素晴らしい作品に仕上げている。
ミドル・テンポ中心だが、印象的なメロディで
飽きることはないし、RANDY RHOADSの死後の最高傑作と言って
良いほど完成度は高い。OZZY OSBOURNEの特徴的なボーカルが
最高に生かされているし、引退して4年間リフレッシュした
甲斐があったというものだろう。アップ・テンポの曲がなくとも、
これだけの作品が出ればあっぱれと言うしかない。Perry Mason、
I Just Want Youを始め楽曲の出来も良いし、ZAKK WYLDの
ギター・プレイも真価を発揮している。[94]
SEE YOU ON THE OTHER SIDE / OZZY OSBOURNE
イギリス人ボーカリスト率いるヘヴィ・メタル・バンドの最新
アルバム、OSMOSISからの第2弾シングル。シングル・カットされた
タイトル・ナンバーの他に、未発表曲2曲とPerry Masonの
バージョン違いの4曲と言う構成になっている。Voodoo Dancerは
TOMMY SHAW、JACK BLADESのDAMN YANKEES組との共作で、なるほど
良い曲だなと思えるバラードだが、どうも彼の声質に
合っていないのは残念だ。むしろSHAW/BLADESでやったら
ぴったりと来るのではないだろうかと思える。アルバム未収録曲は
この曲も含めてミドル・テンポのあまりハードでない曲で、
アルバムとはまた違った面が見える。[81]
FIRE IN THE BRAIN / OZ
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1983年にリリースされた
2ndアルバム。ややBIFF BYFORDに似たAPE DeMARTINIのボーカルは
はっきり言うとへたくそだし、演奏も少したどたどしいし、
プロダクションもあまり良くない。が、パワフルで情念を
感じさせるような扇情的なサウンドは結構面白い。
あまり叙情的という感じのバンドではないので、今の
北欧メタルから受けるような印象はなく、勢いとのりは
十分感じさせてくれるどちらかというとN.W.O.B.H.M.っぽい
作品だ。B級の範疇を抜け出すものではないのだが、B級の
良さを持ったアルバムだと思う。[81]
THE OZZMAN COMETH / OZZY OSBOURNE
いわゆるベスト・アルバムなのだが、どちらかというと
アルバム以外のテイクを意識して持ってきた感があり、企画盤的
意味合いが強いと思う。BLACK SABBATH時代のリハーサル音源を
含めた形になっているが、これが実に若さを露呈していて、
その演奏はともかくおどろおどろしいパトスはアルバム以上に
感じさせてくれる。このアルバムの目玉といえるのは未発表曲の
BACK ON EARTHで、まずまずの出来だ。その外にもOZZYの
アルバムには未収録だったWalk On Waterと
Picture Of Matchetick Menが収録されている。特に後者は映画
HOWARD STEINのサウンド・トラックに収録されていた、
TYPE O NEGATIVEと共演した一風変った作品だ。[85]
THE BEST OF OZZY OSBOURNE YEARS / OZZY OSBOURNE
イギリスのドゥーム・メタル・バンドの1995年にリリースされた
2枚組みベスト盤。アルバム・タイトルが示す通り、
OZZY OSBOURNEがボーカリストとしてバンドに在籍していたときの
アルバムだけから選曲されたものだ。実際は、デビュー盤の
BLACK SABBATHからSAVOTAGEまでの楽曲で構成されており、
TECHNICAL ECSTASY、NEVER SAY DIEの楽曲は収められていない。
これらのアルバムとしては、重要な楽曲がほぼ収められており、
初心者入門編にはちょうど良いだろう。27曲も
収められているため、中にはベスト盤に収める必要があるのかと
思うような曲もあるし、それを思うとChildren Of The Graveが
落ちているのが少し残念だが。[83]
DOWN TO EARTH / OZZY OSBOURNE
イギリス人ボーカリストの6年振りとなる8thアルバム。その間も
OZZFESTと言う一大フェスティバル・ツアーを続け、
BLACK SABBATHでの復活と精力的に活動していただけに、これだけ
間が開いてしまっていたとは意外だ。ギタリストのZAKK WYLDEは
一切曲作りに関わっておらず、外部のライターを
起用したりしているが、楽曲自体は実に
彼らしいものとなっている。Facing HellやDreamer辺りは初期の
色合いがあったりして、逆に新鮮に感じる程だ。プロダクションは
かなりモダンになっており、これに違和感を感じる人がいるかも
知れないが、ここ数年やっているOZZFESTと言うイベントの性格を
考えると、実は当然の帰結の様に思える。[82]
LIVE AT BUDOKAN / OZZY OSBOURNE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤。今年日本で
行われた公演の模様を収めたものだ。このライヴの聴きどころは、
何と言っても長らくライヴでは聴けなかったBelieverを
演奏している事だろう。最新作のDOWN TO EARTHからの楽曲を
除けば、おおよそは定番と言える楽曲ばかりで、ある意味安心して
聴く事が出来るが、その一方でLIVE & LOUDと楽曲が重なる
事から、有り難味が今一つ感じられないのが残念だ。クリア過ぎて
ライヴ感に欠ける気もするが、プロダクション、演奏とも十分な
内容だ。尺と言い、収録曲と言い、今一つ物足りなさを感じるが
悪くない作品だ。[82]