MANIC NIRVANA / ROBERT PLANT

イギリスのハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの 元ボーカリストによる1990年にリリースされた2年振りの 5thソロ・アルバム。拡散的な音楽性を見せながらも、 ブリティッシュ・ブルーズをベースにしたハード・ロックを 聴かせてくれていたLED ZEPPELINとは異なり、ソロになってからの 彼はヘヴィではあるがファンキーなサウンドに終始していたが、 この作品もその延長線上と言える作品に仕上がっている。旧来の LED ZEPPELINのファンには、こう言った音楽性には違和感を 感じるかも知れないが、過去に囚われずに貫く姿勢は好感が 持てるし、出来も中々のものだ。[82]

FATE OF NATIONS / ROBERT PLANT

イギリスのハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの 元ボーカリストによる1993年にリリースされた3年振りの 6thソロ・アルバム。LED ZEPPELIN解散後、それぞれ LED ZEPPELINとは異なったスタンスで活動して来たが、彼はその 中でも最も成功を収めたと言って良いだろう。幾分 ヘヴィではあるものの、ファンキーな色合いを押し出したロック 作品を聴かせてくれている。これをハード・ロック側の LED ZEPPELINファンが聴いて楽しいと思えるかどうかは甚だ 疑問だが、アルバム自体の出来は流石と思わせるものだけはある。 [81]

20TH CENTURY BLUES / ROBIN TROWER

アメリカ人ギタリストの1994年にリリースされたソロ・アルバム。 大ベテランとも言うべき、ブルーズ・ロックのギタリストだが、 ベテランらしい枯れた深みのあるブルーズの味わいと、彼の熱い ギター・プレイが魅力的だ。インストルゥーメンタル・ナンバーも 2曲含まれているが、基本的には歌ものと言って良いだろう。とは 言え、安易にポップなものには走らず、あくまでも ホワイト・ブルーズ・ロックを前面に押し出した 作品となっている。ベーシストのLIVINGSTONE BROWNがボーカルを 取っている様だが、しゃがれたソウルフルなボーカルがまた 味がある。[82]

ROBBY VALENTINE / ROBBY VALENTINE

オランダのヘヴィ・メタル・バンド、ZINATORAの 元キーボードによる1991年にリリースされた初のソロ・アルバム。 この作品では、キーボード、ボーカルはもちろん、ギター、 ベースも演奏しており、マルチ・ミュージシャン振りを 見せてくれている。方向的にはZINATORA的な部分はなく、かなり QUEEN的な色合いの濃い作品に仕上がっていると言って 良いだろう。特にコーラスの使い方等はそう言った色合いが 強いし、メロディにもそう言った部分がある。だがQUEENと 比べると、より叙情的で砂糖菓子の様な甘い メロディとなっており、それがこの作品の特徴となっている。[80]

THE MAGIC INFINITY / ROBBY VALENTINE

オランダのヘヴィ・メタル・バンド、ZINATORAの 元キーボードによる1993年にリリースされた2年振りの 2ndソロ・アルバム。デビュー盤ではほとんどのパートを 自らこなし、まさしくソロ・アルバムと言った様相だったが、 今作ではバンドに近い形態となっている。彼の音楽の根底には、 QUEENと言うルーツが存在するが、彼の声質もあって、より 甘ったるい感じのする作品に仕上がっている。前作と比べると、 アコースティック・ギター等も導入していたりと、より幅の 広がりの感じられる作品で、QUEENと言う色合いも前作程強い 訳でもない。[82]

LIVE & DEMOS / ROBBY VALENTINE

オランダ人ボーカリストによる1994年にリリースされた ミニ・アルバム。元ZINATORAのキーボード奏者としても知られる マルチ・ミュージシャンで、これはそのアルバム・タイトルが示す 通り、デモが3曲、ライヴが3曲の全6曲と言う構成になっている。 デモはソロ・デビュー作からのI Belive In YouとOne Day、 Heaven Is Callin'で、ほぼ完成に近い仕上がりだ。ライヴは 1994年に行われたMEGA ROCK EXPERIENCE FESTIVALに 出演したときの模様を収めたもので、彼のソロとしては初のライヴ 音源だけにコレクターズ・アイテムとは言え興味深い。[80]

ROCKHEAD / ROCKHEAD

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。ロック界で知る人ぞ知る超大物プロデューサー、 BOB ROCKが自らギタリストとして結成したバンドで、当然 プロデュースも彼自身がやっている。方向的にはロックンロールを 主眼に置いたもので、のりの良いものに仕上がっている。 バット・ボーイズ・ハード・ロックンロールとは違い、やや ブルーズっぽいエッセンスが少しだけ感じられ、THE QUIREBOYSを アメリカ風にしてブルーズ色を薄くした感じと言えば 良いだろうか。楽曲的には飛び抜けた曲はないが、彼が プロデュースしているだけあって、安心して聴いていられる 出来だ。[80]

OPEN INVITATION / ROKO

ドイツのハード・ポップ・バンドの1992年にリリースされた 2ndアルバム。音楽的にはややアメリカナイズされたキャッチーな メロディのハード・ポップを聴かせてくれている。Heavenの様な 泣きのバラードから、Hot Nights In Africaの様な アップ・テンポののりの良い楽曲までバラエティも豊かだ。 この手のものをやっているだけあって、メロディ・センスは流石と 思わせるものがある。ROKO KOHLMEYERのボーカルはやや ねちっこいところがあって、それ故の情感も感じられる。 楽曲によっては、JADED HEARTっぽさも感じられる部分もある 作品だ。[84]

THINK ABOUT TOMORROW / ROKO

ドイツのハード・ポップ・バンドの1994年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。叙情的で憂いを帯びたメロディは 変わりないのだが、今作ではかなりダークな雰囲気に満ちた 作品となっており、そのポップ性はかなり影を 潜めてしまっている。時代の流れに逆らえなかったと 見るべきなのかも知れないが、彼等の持ち味の半分をなくしたも 同然で、彼等のファンからすると残念な傾向と言えるだろう。 メロディ・センスは相変わらず流石と思わせるところがあり、 楽曲的には決して悪い作品ではないだけに何とも惜しまれる。[80]

ROOTS OF HATE / ROUGH SILK

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。方向的には非常にオーセンティックで ドラマティックなヘヴィ・メタルをやっており、ロック・オペラ 的な楽曲はSAVATAGE辺りに近いと言えるだろう。特にやや だみ声っぽいJAN BARNETTのボーカルが、そう言った感をより一層 強くしている。そこにジャーマン・メタルらしい叙情性加えた、 ややダークな感じのするヘヴィ・メタルだが、 Candle In The Rainの様な、やや趣の異なる バラードもやっていたりする。FREDY DOERNBERGのキーボードは、 ややプログレッシヴ・メタル的な色合いを付けている部分もある。 [82]

WALLS OF NEVER / ROUGH SILK

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2ndアルバム。前作ではかなりSAVATAGE的なオーセンティックで ドラマティックなヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたが、 今作ではやや趣が異なりSAVATAGE的な色合いはかなり減じている。 そのためロック・オペラ的な感じは残ってはいるものの、 プログレッシヴ色が強くなっている楽曲もあり、よりバラエティに 富んだものとなっていると言って良いだろう。Missing You等は これまでとは全く異なる楽曲もあり、逆に 散漫になってしまっているところもあるのだが、出来自体は 悪くない。[80]

NIGHTSTREET / ROXUS

オーストラリアのハード・ロック・バンドの1992年に リリースされたデビュー盤。方向的にはキャッチーなメロディの いわゆるメロディアス・ハード・ロックと言うやつで、叙情的で ポップなメロディが中々秀逸だ。全体的にレベルはまずまず 高いものの、平均的で飛び抜けた楽曲はないが、変に捻りを 入れていたりしていないし、キャッチーで聴き易い作品に 仕上がっていると言って良いだろう。楽曲によっては憂いを 効かせていて、こう言ったメロディアス・ハード・ロックの ファンに対しては全方位的に対応していると思うので、聴いて 損はないと思う。[83]

WHAT SOME? / ROXY BLUE

アメリカのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。いかにもアメリカのバンドらしいハード・ロックで、 熱さの感じられるパワフルなサウンドを聴かせてくれている。 楽曲、演奏の出来も中々のものだし、プロダクションも十分満足 出来るだけのレベルで、中々質の高い作品に仕上がっていると 言って良いだろう。基本的には陽気でのりの良い楽曲ばかりで、 Rob The Cradle等はVAN HALENっぽさを感じさせるものがある。 こう言ったアメリカ的な能天気さを感じさせる、のりの良い エモーショナルなハード・ロックが好きならば聴いても 損はないはずだ。[81]

LAND OF BROKEN HEARTS / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。ANDRE ANDERSENのキーボードを前面に押し出した、 北欧のヘヴィ・メタル・バンドらしい、憂いのかかった叙情的で 洗練されたメロディで、彼等の特徴とも言える甘いメロディを 兼ね備えたそのスタイルはその後もずっと引き継がれている。 重厚なコーラス部は良いとして、場面によっては HENRICK BROCKMANNのボーカルが、ややだみ声がかって舌足らずな 感じがして、悪くはないがやや不満が残るところだ。やや甘過ぎる メロディも好き嫌いの分かれそうなところだが、レベルの高さを 感じさせる作品だ。[82]

THE MAXIーSINGLE / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた マキシ・シングル。2ndアルバム、CLOWN IN THE MIRRORからの 先行シングルとなるタイトル・トラックに、既発曲の アコースティック・バージョンが4曲、未発表曲の ボーナス・トラックが1曲の全6曲と言う構成になっている。 北欧メタルらしい憂いを帯びたメロディの楽曲は、 アコースティックが良く映え、ANDRE ANDERSENがピアノで 演奏しているため、アルバム程キーボードがが強過ぎもせず、 丁度良い具合だ。アコースティック作品としてはもう少しギターを 押し出しても良い様な気がするが、悪くない作品だ。[82]

CLOWN IN THE MIRROR / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2ndアルバム。方向的には前作の延長線上とも言える、 ANDRE ANDERSENのキーボードを前面に押し出した、クラシカルで 甘美なヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。北欧メタルらしい、 叙情的な憂いを帯びたメロディだが、このバンドならでは砂糖 菓子の様な華美で甘いメロディが全面的に散りばめられており、 前作以上に好き嫌いの分かれそうなアルバムに仕上がっている。 とは言え、洗練された楽曲を始めその完成度は前作を 上回るものとなっており、前作のファンならば十分満足の行く 作品と言って良いだろう。[83]

UNI / ROAD CREW

フィンランドのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。北欧と言うイメージからはかなりかけ離れていて、 泥臭くてブルージィなサウンドをやっている。タイトでのりが 良く、予備知識がなければ、どちらかと言うとアメリカのバンドの 様に思える。全体的にのりが良いのはもちろん、特に秀逸なのは オリジナルの雰囲気を見事に打ち壊している、SHOCKING BLUEの カバー曲であるVenusだ。重厚なギター・リフを用い、破壊的で 荒々しいVenusは何とも言えない味がある。MOUNTAINのカバー、 Never In My Lifeも聴きごたえたっぷりで、中々格好の良い作品に 仕上がっている。[82]

FAR AWAY / ROYAL HUNT

一月の来日公演でいきなりボーカリストがアメリカ人の D.C.COOPERに変わっていたのには驚いたが、ボーカルとしての 力量はずっと上だったので納得の行くものだった。 これはそのときのライヴと新録の企画盤だが、D.C.COOPERに 変わって初めての音源ということで非常に興味深い。 ライヴに行った人間ならどういったものだか判っているので、 興味の対象は唯一ボーカルの入った新録 Far Awayということになるだろう。この曲は阪神大震災を モチーフに書かれたもので、スロー・テンポの暗い曲だが 出来はまずまず。ボーカルもそつなく こなしているというところか。[79]

NO CAUSE FOR CELEBRATION / ROSICRUCIAN

スウェーデンのスラッシュ・メタル・バンドの2ndアルバム。 楽曲的にはSLAYER的なコアなスラッシュ・メタルと言った 路線なのだが、いろいろと自らのアイデアも取り込んでいる。 かなりテクニカルで変則的なメロディは難解であり、決して聴き 易いと言うものではないが、バイオリンを導入したりと所々で 聴かせるクラシカルな部分との対比は中々面白い。 アコースティック・ギターの流麗なメロディを絡めたりと全体的に 構成は悪くないと思うが、問題はリスナーがテクニカルで変則的な メロディに耐えれるかどうかだろう。[76]

MOVING TARGET / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 アメリカ人のD.C.COOPERがボーカリストとして加入しての初の アルバムだが、このボーカルの交代はバンドにとって良い 結果をもたらしたと言って良いだろう。彼のボーカリストとしての 実力もさる事ながら、表現力の豊かさが楽曲に命を与えている。 方向的にはこれまで同様、ドラマティックで叙情的ながら非常に 判り易いサウンドに仕上がっており、より完成度が増した作品だ。 中心人物のANDRE ANDERSENのキーボードは、ここでも実力を 発揮しているが、これまで同様目立ち過ぎで あざとらしくもあるのが気にかかる。[85]

TAKIN' IT BACK / ROBERT BERRY

イエスのトリビュート・アルバムにも参加していたが、 元ALLIANCE、GTRのアメリカ人ボーカリストの4thソロ・アルバム。 プログレッシヴ・ロック的な要素はほとんどなくなり、どちらかと 言うとキャッチーでシンプルなロック・アルバムに 仕上がっている。優れたメロディ・センスを感じさせる楽曲で、 アレンジも素晴らしい。叙情的で、哀愁を感じさせる部分などは 秀逸と言っても良い位だ。個々の楽曲は良く出来ているし、 シングル・チャート向きと言ってもおかしくない内容である。彼の 透ったボーカルがまた楽曲に良くあっており、安心して聴ける アルバムに仕上がっている。[84]

BRUTAL ARCHITECTURE / ROCKET SCIENTISTS

アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの2ndアルバム。 デビュー盤でボーカルを担当していたLANA LANEを始め3人が抜け、 メンバー補充をしていないので現在は4人編成となっている。主要 メンバーであるERIK NORLANDERは、前作リリース後、 ソロ・デビューしたLANA LANEのアルバムにも参加しており、 発展的な独立だったのだろう。LANA LANEのアルバムは、HEART風の 美しいハード・ロック・アルバムだったが、こちらはより ブリティッシュ・トラッド的な色合いを感じる、かなり プログレッシヴ・ロック色が強いアルバムだ。[84]

29 PALMS / ROBERT PLANT

ROBERT PLANTがJIMMY PAGEと劇的な再合体を果たす前の1993年に リリースされたソロ・アルバムFATE OF NATIONSからの 1stシングル。彼のソロ時代はLED ZEPPELINとは明らかに異質な 世界を目指していたが、ここでもそれは変わりない。 このシングルで興味深いのはむしろシングル・カットされた曲 自体よりも、その他の曲だろう。21 YearsやDark Moonの アコースティック・バージョンの生めかしいボーカルもそうだが、 名曲中の名曲、胸いっぱいの愛をの アコースティック・バージョンが最も異彩を放っている。ここでも ZEPPELINとはまた違った方向性を見せながらも、彼のボーカルは 非常に味わい深い。ハード・ロック的な色合いは殆どないので、 それ系統の人にはあまり面白いものではないかも知れないが。[76]

1996 / ROYAL HUNT

デンマークのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの2枚組みの ライヴ盤。先頃行われたばかりの日本公演の模様を収めたものだ。 楽曲の良さは言うに及ばずだが、この完成度の高いライヴは賞賛に 値すると言って良いだろう。ANDRE ANDERSENの キーボード・プレイは言わずもがなだが、D.C. COOPERの ボーカルは特に本当にライヴなのかと疑う程完成度が高い。 ソロ・パートやSEまで完全盤と言う内容で、ライヴに行かなかった 人もその全容を知ることが出来る。おまけのボーナス・トラックの 新曲は特に可もなく不可もなくというところだ。[86]

WARDANCE / RONDINELLI

バンド名を見れば一目瞭然だが1980年代前半にRAINBOWを 首になったBOBBY RONINELLIとその兄弟を中心としたバンドの デモ・テープにライヴ音源を付け足してCD化したもの。ここで 注目したいのはBAD LANDSやBLACK SABBATHで活躍するRAY GILLENが ボーカルを取っている貴重な音源だということだ。録音状態は やや不満が残るが、全体的に演奏も良く出来ていて、このバンドが デビューすることなく消えていったのは残念だ。 TEDDY RONDINELLIのギターはときによってRICHIE BLACKMOREを 思わせるプレイも出てくるが、楽曲はRAINBOWというよりはもっと アメリカンなハード・ロックという感がある。ライヴでは一曲 TEDDY RONDINELLIが歌っているが、これは興をそがれるので 止めたほうが良かったのではないだろうか。[85]

LIVE / ROUGH CUTT

L.A.メタルのB級バンド的な扱いを受けているバンドだが、 このバンドがかつて在籍していたメンバーの活躍でそれなりに 名前は通っているほうだろう。このアルバムは再結成後初の アルバムだが、解散前の昔のテイクを集めた ライヴ・アルバムらしい。ここで注目すべきはやはり PAUL SHORTINOの非常にエモーショナルなボーカルだろう。 実力のあるボーカリストだが、ここでもソウルフルな素晴らしい ボーカルを聴かせてくれる。楽曲は全体を通して素晴らしいとは 言えないが、そのプレイはエッヂが立っていてより 引き立てている。[79]

MESSAGE TO GOD / ROYAL HUNT

デンマークのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの最新 アルバムからの先行シングル。内容はMessage To Godの エディット・バージョンにアルバム未収録曲の The Final Lullaby、既発のFar Awayの アコースティック・バージョンの3曲という構成だ。未発表の The Final Lullabyは、アルバムに収められていてもおかしくない 出来のバラードで、ROYAL HUNTらしい美しいメロディは十分 味わえる。Far Awayもアコースティックでやるには映える 曲だし、唯一アルバムに収められているMessage To Godは 文句のない出来で、このバンドのレベルの高さを伺える。ただ、 このくらいの長さではやはり物足りなく感じるし、パターンに はまりすぎている感じもしなくはないが。[82]

GUTTARCHITECTURE / ROB JOHNSON

アメリカ人ギタリストによる3rdソロ・アルバム。作品的には いわゆるギター・インストルゥーメンタルと言うやつで、この 手のものとしてはかなりメタリックで、緊迫感のある メロディアスな作品となっている。しかし、最初から最後まで 変化が少なくて、どこを切っても同じような気がするのは、この 手の作品の宿命と言ってしまっても良いだろう。楽曲や演奏は それなりに楽しめるのだが、延々と変化なく進むのではさすがに 最後には飽きてくる。こう言う作品を作る位だから、テクニック 的には不満はないし、全体的に出来は悪くないのだから、もう一つ 何か決め手が欲しいところだ。[80]

THE FOUR SEASONS OF LIFE / ROLAND GRAPOW

HELLOWEENのドイツ人ギタリストによる初のソロ・アルバム。 いかにもHELLOWEENらしい大仰なメロディの楽曲が中心だが、 もっとクラシカルでオーソドックスな楽曲までと、これまでの 活動内容よりやや幅を広げた様な作品になっている。ボーカルが 入っているものが中心だが、ソロ・アルバムという事もあって インストルゥーメンタルも3曲入っている。面白いのは Searching For Solutionsで、コーラス部分を除いて ROLAND GRAPOWとRALF SCHEEPERSが交互に歌っているところだ。 ROLANDのボーカルもそれ程酷くはないのだが、やはりRALFの ボーカルと聴き比べると苦しいと言わざるをえない。HELLOWEENと 比べるとやや物足りなさを感じるが、ファンにはそれなりに 楽しめる作品のはずだ。[78]

PARADOX / ROYAL HUNT

デンマークのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの 4thアルバム。路線的にはこれまでと全く変らぬ、甘ったるい 叙情的でキャッチーかつ扇情的な哀愁のメロディを持ったもので、 ファンにとっては安心して聴いていられる内容だ。ポップながら ネオ・クラシカル的な色合いを持った旋律は美しいし、 ANDRE ANDERSENのキーボードを中心とした演奏も 変らずもがなだが、この甘ったるさ故に拒否反応も 出てくるのではないだろうか?メロディ・センスも全体的な 完成度も間違いなく素晴らしいのだが。[85]

PILGRIMAGE TO A POINT / ROBERT BERRY

元GTR、3のアメリカ人ボーカリストによる1993年にリリースされた 1stソロ・アルバム。内容は アメリカン・プログレッシヴ・ロックという感じで、2ndよりは プログレッシヴ然としている。楽曲はキーボードが思ったより 前面に出ており、ポップで叙情的なメロディのものだ。全体的に ポンプ・ロックの様な感じの整い過ぎてかえって地味な印象を 受ける楽曲が多いが、Another Manの様な大仰な大作もある。元々 メロディ・センスは見るべきところがある人なので、そういった 面では安心して聴けるが、もう少しフックの強さが欲しいような 気がする。[80]

ROUGH'N READY / ROUGH'N READY

アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー・ミニ・アルバム。 ボーカリスト、ANDREA MANTHEYとギタリスト、BERND MANTHEYは どうも夫婦の様だ。艶やかで力強いANDREA MANTHEYのボーカルは 中々良い具合だし、楽曲の方もそれに見合ったキャッチーな メロディのワイルドなハード・ロック・ナンバーだ。楽曲は 洗練されていて、アップ・テンポでのりがあるのも評価できるし、 全体的な完成度も高く、この手のものとしては期待した通りの 出来だと言って良いだろう。JIMI HENDRIXのカバー、 Purple Hazeでもバンドの持ち味を十分生かしている。[82]

NO REST FOR THE WOUNDED HEART / ROBERT TEPPER

IRON BUTTERFLYにも在籍していた、アメリカの シンガー・ソング・ライターの1996年にリリースされた久々の アルバム。方向的には彼のソロとしての路線を 踏襲したものであり、キャッチーで叙情的なハード・ポップが 中心となっている。憂いを帯びた哀愁のメロディで、彼の 声質もあってかなりクールでアダルトな落ち着いた雰囲気がある。 故に、派手さはそれほどではないが、フックがあって決して こじんまりとしてしまっていないところに好感が持てる。いかにも アメリカ・ロック的な伸びやかな楽曲もあり、聴いていてなかなか 気持ちが良い。[83]

FANTASY / ROKO

ドイツのハード・ポップ・バンドの4thアルバム。メンバーは RICKY LEEとROBERT KOHLMEYERの二人だけになっており、ドラムを 除いて全てがROBERT KOHLMEYER担当している。元々かなり甘い 叙情的なハード・ポップをやっていたものの、前作でかなり ヘヴィネスな方向へ進み、ファンの落胆を買ったが、今作では 初期とはまた少し違うもののトラッド的な雰囲気も感じる ロック・アルバムに仕上がっている。キャッチーなメロディの 朗らかな楽曲が並んでおり、全体的な出来は悪くない。情感豊かな アメリカン・ロック的な楽曲もあったりと、幅の広がりが伺える 作品だ。[84]

HELLBILLY DELUXE / ROB ZOMBIE

アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、WHITE ZOMBIEの ボーカリストによる初のソロ・アルバム。方向的には WHITE ZOMBIEの延長線上ではあるが、よりインダストリアル調を 強め、ダークな作品に仕上がっている。そのためWHITE ZOMBIE 等よりおどろおどろしい作品になっているが、WHITE ZOMBIEとは やや趣が変わる事になって、これはこれで悪くない。あの独特の グルーヴィ感も決してWHITE ZOMBIEに劣っている 訳ではないのだが、重々しい雰囲気のためにややのりが悪いように 思える。楽曲の出来は悪くないのだが、アルバムの構成としてやや 単調な感じがして、もう少し変化が欲しい。[83]

EXTRA STRONG STRING / RONNI LE TEKRO

ノルウェイのヘヴィ・メタル・バンド、TNTのギタリストによる 初のソロ・アルバム。テクノ系のヒップ・ホップと言った感じの Shuffle Off To Buffaloで幕を開け、不吉な予感を憶えたが、 それはその後も変る事はなかった。わざわざソロ・アルバムを 作るのだから、TNTと同じ方向性にする必要性はないとは 思うが、あまりにも掛け離れ過ぎているように思える。ヘヴィな ギター・ソロもあったりするのだが、総じてヘヴィ・メタルとは 違う世界だ。決して悪い出来の作品ではないのだが、何故彼が今 これを作のか、その意義が判らない。Love Keeps Calling等は中々 素晴らしい楽曲だとは思うが。[80]

CALEIDOSCOPE / ROLAND GRAPOW

ジャーマン・パワー・メタル・バンド、HELLOWEENのドイツ人 ギタリストによる2ndソロ・アルバム。前作でもかなり クラシカルな香りがするアルバムではあったが、今作ではより ネオ・クラシカル的な素要が表に出た作品に仕上がっている。 HELLOWEEN的なジャーマン・パワー・メタルと言った部分は ほとんどないが、その出来はかなり素晴らしい。 インストルゥメンタルもListen To The Lyrics、1曲だけで、 完全に歌ものとして仕上がっている。ボーカルにMICHAEL VESCERA 他、ROUGH SILKのFERDY DOERNBERG、MIKE TERRANA、更には JENS JOHANSSONもゲスト参加している。非常にメロディアスで ヘヴィな作品に仕上がっており、演奏、楽曲ともかなりのレベルに 仕上がっている。日本盤にはボーナス・トラックとしてJOURNEYの Separate Waysが収められているが、これは残念ながら今一つ 面白味に欠ける。[86]

FEAR / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの5thアルバム。 D.C.COOPERが脱退し、ボーカリストとして新たに元ARTENSIONの JOHN WESTが加入しての初のアルバムだ。バンドの支柱である ANDRE ANDERSENがいる限り、バンドの方向性は 変わらないだろうが、ボーカルの交代がどれだけ影響を及ぼすかは 気になるところだ。さすが実力者だけあって、こうやって聴いても JOHN WESTのボーカルに違和感は一切窺えない。ただ、 D.C.COOPERのボーカルが結構個性的であったため、やや 無個性になった様にも感じるが、より自然になった分、これは痛し 痒しだろう。ANDRE ANDERSENのキーボードを前面に押し出した、 愁いを含んだ甘いメロディは相変わらず良く出来ている。[84]

OBLIVION DAYS / ROCKET SCIENTISTS

アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの3年振りの 3rdアルバム。今や、LANA LANEのバック・バンドで、そのブレイン 的な役割を担っている事で有名になってしまっている、 キーボードのERIK NORLANDERを中心とするバンドだ。LANA LANEと 比べると、ずっとプログレッシヴ・ロック然とした作品だが、 今作ではかなりエッヂの効いた作品作りになている。 MARK McCRITEのギター等は、中々ハードなプレイで、 LANA LANEでの活動が微妙に影響を与えていると言って 良いだろう。メンバーはがらりと変ってしまっていて、もう ERIK NORLANDERのソロ・プロジェクトと言った方が良いだろう。 ゲスト・ミュージシャンも沢山参加しており、LANA LANEで 一緒にやっているNEIL CITRONを始め、元VENGEANCEの ARJEN ANTHONY LUCASSEN、元SHARK ISLANDのGREG ELLIS、 元THE FIRMのTONY FRANKLINにLANA LANE自身も参加している。[84]

BUSINESS AS USUAL / ROBIN MCAULEY

元GRAND PRIX、McAULEY SCHENKER GROUPのアイルランド人 ボーカリストによる初のソロ・アルバム。 McAULEY SCHENKER GROUPが崩壊して7年、表立った 活動はなかったが、久々に健在振りを示してくれている。 ソロ・アルバムと言う形を取っているが、実際は元SURVIVORの ギタリスト、FRANKIE SULLIVAN、KISSのPSYCHO CIRCUSで ソング・ライティングを行っていた、CURT CUOMOによる コラボレーション作品と言っても良いだろう。如何にも アメリカン・ハード・ロックと言った感じだが、SURVIVORっぽさは それ程強くなく、どちらかと言うとよりロックンロール的な 要素があったりと、CURT CUOMOの影響が強い様に感じられる。 適度にバラードも織り交ぜられており、それなりに安心して聴ける 作品ではあるが、これと言った飛び抜けた楽曲もない。[80]

BBC SESSIONS / RORY GALLAGHER

アイルランド人ギタリストの、2枚組みライヴ盤。ラジオ 放送用に、1971年から1986年にかけて集録されていた音源から チョイスされたものだ。方向的には、いわゆるブルーズ・ロックと 言うやつだが、かなりハード・ロック色の濃いものだが、やや ブルーズ的な色合いが濃い楽曲が中心になっている。 What In The World等は、LED ZEPPELINのナンバーを思い 起こさせる部分がある。寄せ集め的な作品なので、やや盛り 上がりに欠ける様な感じもするが、出来は中々良い。特に 1970年代の音源が中心であるのに、BBC放送用とあって、 録音状態が非常に良いのが大きい。[81]

A TASTE OF NEPTUNE / ROSE

何故か韓国のレーベルからいきなりCD化されたが、カナダの プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1977年に リリースされたアルバム。哀愁味たっぷりの、叙情的なメロディの プログレッシヴ・ハード・ロック作品だ。年代通りの 古臭さはあるし、プログレッシヴ・ハードとしても、それなりに キーボードを押し出している方だが、それが気にならなければ、 哀愁の叙情派メロディが好きならば訴えるものがあるはずだ。 Ride Away等、楽曲は粒が揃っているし、 Marie(Where Have You Gone?)と言ったバラードを除けば、 全体的にアップ・テンポが中心で、一気に聴かせてしまうのが 良い。[87]

GET SOME GO AGAIN / ROLLINS BAND

アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3年振りのアルバム。 今作ではMOTHER SUPERIORのメンバーがそっくり加入しているが、 そこはあくまでもHENRY ROLLINSのバンドと言う事で、 MOTHER SUPERIOR的なブルージィでBLACK SABBATHっぽさは微塵も 感じられない。勢いとのりがあって、非常にエネルギッシュな アルバムに仕上がっている。Are You Ready?等は、 WARRIOR SOULっぽいパンキッシュなヘヴィ・ナンバーでありながら メロディアスなギター・ソロを聴かせてくれていたりする。熱さを 感じさせるソリッドな作品で、楽曲を始め全体的に良く 出来ている。[83]

RAGE OF CREATION / ROB ROCK

アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、IMPELLITTERIの ボーカリストによる初のソロ・アルバム。TRIBE OF GYPSIESの ギタリスト、ROY Zがプロデュース、作曲、演奏と全面的に製作に 関与している。その他、元OZZY OSBOURNE、BAD LANDSの ギタリスト、JAKE E.LEEがゲスト参加している。ROY Zが一緒に 曲を書いていると言っても、当然TRIBE OF GYPSIESの様な タイプのものではなく、モダンでヘヴィでメロディアスな ヘヴィ・メタル作品だ。そういう意味ではBRUCE DICKINSONでの 仕事に近いといえるが、もっとアップ・テンポな作品作りで、 IMPELLITTERIをもっとボーカル中心にした様な作品だ。[81]

IN THE FLESH / ROGER WATERS

イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、元PINK FLOYDの中心 人物による2枚組みソロ・ライヴ盤。2000年に行われた アメリカでのツアーの模様を収めたものだ。彼のソロ作品と PINK FLOYDの楽曲からなっており、彼の魅力を余す事無く伝える、 長大な作品に仕上がっている。PINK FLOYDの名曲中の名曲、 Another Brick In The Wallを始め、選曲を始め、非常に 素晴らしいライヴ盤と言って良いだろう。楽曲によって緊張感と 開放感を与えてくれ、聴き応えが非常にある。ポップさを 持ちながらも、彼の凄さを感じさせるライヴは圧巻で、 ファンのみならずとも聴いて欲しい作品だ。[92]

INTERVENTION / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのミニ・アルバム。新曲が 2曲にライヴが2曲、Follow Meのアコースティック・バージョンの 全5曲と言う構成になっている。Intervention(Part 1)は、正に Part 1と言った作品で、7分近く延々と インストルゥーメンタル・パートが続いた後で、ボーカルが入ると フェード・アウトしてしまう。次作では恐らく完全な形で 収録されるのであろうが、予告編としてはファンの期待を 煽るだけの内容と言って良いだろう。ボーナス・トラックの U-TURNは、彼等としては少し特異な、ブルージィなバラードだが、 これも中々良い楽曲だ。ライヴは2000年に行われたドイツでの 公演の模様を収めたもので、録音状態も良いので聴き応えがある。 [84]

THE MISSION / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの6thアルバム。音楽的には 叙情的なメロディの北欧らしい洗練されたメロディの ヘヴィ・メタルと言ったところだが、これまでキーボードの ANDRE ANDERSENの露出の高さにややうざったさを 感じるところもあった。もちろんこの作品でも彼のキーボードは それなりに前面に出て来ているが、これまでよりは 抑え目になっており、バランスが非常に良くなった様な気がする。 甘過ぎるメロディも控えめになっており、随分と聴き易くなった 様な印象を受ける。ある意味、幾分彼等らしさが失われている 訳で、ファンにとってはそう言う部分は不満に感じるかも 知れないが、より普遍的な作品に仕上がってと言って良いだろう。 上手いが地味だったJOHN WESTのボーカルとの取り合わせも 前作より遥かに良くなっており、前作よりは良い出来だと思う。 [86]

NICE / ROLLINS BAND

アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの5thアルバム。方向的には 1970年代的エッセンスの強く香るヘヴィ・ロックで、 LED ZEPPELINやTHIN LIZZY、BLACK SABBATHの影響が感じられる アルバムに仕上がっている。とは言え、アップ・テンポの ハード・ロックンロールと言う要素が強い楽曲も多いので、 それ程ドゥーム・ロックやストーナー・ロックと言う 感じはないが、Going Out Strange等、単体でとれば非常に ドゥーミィだ。時にはファンキーであったり、ラウドであったり、 グルーヴィであったり、サイケデリックであったりと、中々面白い アルバムに仕上がっている。[82]

THE WATCHERS / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。新曲はなく、 言わば企画盤的な作品ではあるが、ミニ・アルバムの INTERVENTION、アルバムのTHE MISSIONと合わせて3部作的な 意味合いがあるらしい。INTERVENTIONで7分も延々と前奏を 続けながら、ボーカルが入った途端にフェード・アウトして謎を 呼んだInterventionの完全版が収録されており、興味はここに 尽きると言って良いだろう。14分にも及ぶ、ドラマティックで 壮大なナンバーだが、構成も見事で決して飽きさせない。残りは ライヴ4曲とバージョン違いが4曲、イントロが丸々削られた Interventionのラジオ・エディットと言う構成になっているが、 まぁおまけみたいなものだ。[81]

ATOMIC CHURCH / ROACHPOWDER

スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの2ndアルバム。 THE HELLACOPTERSに代表される様な、ハード・コア的な エッセンスを持ち込んだ爆走型ハード・ロックンロールとは違い、 ヘヴィ・ロック的なエッセンスを持ち込んだ、1970年代的な サイケデリックさとドゥーミィさを押し出した ハード・ロックンロールだ。スペイシーな浮揚感のある サウンドは、HAWKWIND辺りの影響も感じられ、中々面白い作品に 仕上がっている。非常にトリップ感のあるサウンドで ストーナー・ロックと言っても良いだろう。ハープによる インストルゥーメンタル・ナンバー、Harp等、非常に怪しさを醸し 出している。[89]

ON THE MISSION 2002 / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのベスト盤。発表作品順に 収められているため、彼等の音楽性の変化や、ボーカルの 交代による影響が良く判って面白い。選曲も悪くないだけに、こう 言う構成は、これはこれで判り易くて初心者入門用としても 良いかも知れない。未発表音源としては、INTERVENSIONに 収められていた、U-Turnのバージョン違いとして、 インストルゥーメンタル・バージョンが収められている。 どちらかと言うとじっくりと聴かせる曲で、ボーカル・パートを 他の楽器で補っていると言う感じがするだけに、何か カラオケ・バージョンと言う気がする。[80]

ROCK OF AGEISTS / ROBIN GEORGE

イギリス人ロック・ミュージシャンのソロ・アルバム。今は亡き、 THIN LIZZYのボーカリスト、PHILIP LYNOTTのCrying Diamondsや DAVID BYRONのLearn The Dance、PETE GREENのHauntedと言った 曲をカバーとして取り上げている。そのPETE GREENや JEFF DOWNESがゲスト参加しており、アコースティック・ギターも 使って、素朴な感じのする古き良きブリティッシュ・ロックの ファンには嬉しい作品だろう。内容的にもファンク色をやや強めに 打ち出した、オールド・タイプのブリティッシュ・ロックと言う 感じで、中々郷愁を感じさせてくれるアルバムに仕上がっている。 [80]

DREAMLAND / ROBERT PLANT

元LED ZEPPELINのイギリス人ボーカリストによる9年振りとなる 7thソロ・アルバム。これまでのソロ・アルバムと比べると、その 心境の変化がはっきりと伺える作品と言って良いだろう。 これまでと比べると、Morning DewやSong To The Sirenと言った カバーを多用したアルバムとなっているだけに、変化が 感じられるのは当たり前かも知れないが、方向的にはどちらかと 言うと、これまでのソロと言うよりは、JIMMY PAGEとの共作である WALKING INTO CLARKSDALEの延長線上と言えるだろう。これは これまでソロではLED ZEPPELINの影を否定し続けて来ただけに、 大きな変化と言える。やや地味な感じもする作品だが、 ブルージィで憂いがあって幻想的な内容となっており、深い 味わいのあるアルバムに仕上がっている。[84]

SYMPHONY OF LIFE / ROUGH SILK

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの6thアルバム。 ドラマティックなヘヴィ・メタルと言う点ではこれまでと 変わらないのだが、デビュー当時のSAVATAGE的な色合いがまた 濃くなっていると言って良いだろう。コンセプト・アルバムで ロック・オペラっぽくなっているのだが、それ以上にJOHN OLIVAが プロデュースに関係したり、ゲスト参加したりしている点が大きく 影響しているのかも知れない。但し、コンセプトに沿って様々な エスニック風のエッセンスを加えたりと、単なる物真似で 終わらず、オリジナリティを出そうとしている辺りは評価出来る。 [82]

PAIN / ROSE TATTOO

オーストラリアの バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの 18年振りとなる5thアルバム。如何にも埃っぽい、 サザン・ロックっぽさも感じさせる作品で、ミドル・テンポの 曲によっては、部分的にAC/DCっぽさを感じさせる部分もある。 ワイルドでタフなサウンドは、デビューから四半世紀 過ぎているとは思えない程、エネルギッシュでパワフルだ。 時代に迎合して音楽性を変えていたりと、昔と 変わってしまっている事も再結成したものには少なくないが、 こうも見事に昔のバット・ボーイズ・スタイルを再現してくれると 拍手を送りたくなる。[86]

WORMS OF THE EARTH / ROSAE CRUCIS

イタリアのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。正統派の 勇壮なパワー・メタル的だが、そこにイタリアにおける シンフォニック・メタル的なドラマティックでメロディアスな エッセンスを持ち込んでいる。部分的にはMANOWARっぽさを 感じさせる様なボーカル・ラインやコーラスもあったりするのが 特徴的だ。全体的にアップ・テンポで勢いが良いので、パワフルで 勇壮な感じがより増してくる。やっている事等は判るのだが、 残念ながらそれについて行けていないのがボーカリスト、 GIUSEPPE "CIAPE" CIALONEの力量で、MANOWAR的なハイ・トーンを 使うには少し不安定だ。[81]

WHEELS WITHIN WHEELS / RORY GALLAGHER

アイルランド人ギタリストのソロ・アルバム。既に本人は 故人となっているので、未発表音源を集めた作品となっている。 方向的にはいつものブルーズ・ロックとは異なり、 アコースティック・ギターを中心とした、 ブリティッシュ・トラッド・フォークと言ったものなので、彼の 哀愁を感じさせるギター・プレイを期待すると外すかも 知れないが、全体的に地味だがしみじみとした楽曲が並んでおり、 これはこれで味わいがある。普段とは趣が違うが、単に未発表 音源を集めたのとは違い、方向性にも統一性があってきちんとした アルバムに仕上がっている印象を受ける。[80]

EYEWITNESS / ROYAL HUNT

デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りの7thアルバム。 元ARTENSIONの元ボーカリスト、JOHN WESTが加入して随分経つが、 これまではD.C.COOPERに比べると、実力的には決して 劣っていないものの、彼の声質も相俟ってやや地味な印象を 与えがちなところがあった。今作ではそれもやっと小慣れて来た 感じで、彼のボーカルの持ち味が良く出ていて、彼の表現力が 上手く活かされていると言って良いだろう。アレンジ面でも、 ドラマティックさを押し出そうとするあまり、大仰過ぎて独り 善がりと言う感じを受けるところもこれまで多々あったが、 楽曲が良く練られていて過剰さはそれ程感じられない。基本的には これまでの延長線上と言えるもので、ジャズ等を持ち 込んだりしていたりもするが、ファンの期待を裏切らないだろう。 [85]