SKEW SISKIN / SKEW SISKIN
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
デビュー盤。簡単に言ってしまえば、キャッチーなロックンロール
系のヘヴィ・メタルだが、このバンドで何と言っても
特筆すべきなのはNINA C.ALICEのボーカルだろう。女性
ボーカリストと言うと、ヘヴィ・メタルと言うジャンルでは
どうしても色物的に囚われてしまう部分があるが、ここので
聴かれる彼女のハスキーでエモーショナルなボーカルは、非常に
パワフルでパンチ力があり、凄いの一言に尽きる。ロックンロール
調のアップ・テンポな楽曲も、その彼女のボーカルに良く
合っており、非常にエモーショナルだ。扇情的で勢いを
感じさせる、エネルギッシュなアルバムに仕上がっている。[86]
SKID ROW / SKID ROW
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた
デビュー盤。JON BON JOVIに見出され、18 And Lifeの
シングル・ヒットで一躍スターダムにのし上がった、記念すべき
作品だ。L.A.メタルのムーヴメントも一息つき、時代は
バット・ボーイズ・ハード・ロックンロールに向いつつあった
時代に、攻撃的でコマーシャルなアメリカらしいヘヴィ・メタルを
聴かせてくれている。パンキッシュで攻撃的な楽曲だけでなく、
哀愁味を効かせた18 And Lifeや温かみを感じさせる
I Remember Youと言ったバラードも配されており、バランスも良い
作品に仕上がっている。[83]
SLAVE TO THE GRIND / SKID ROW
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
2年振りの2ndアルバム。デビュー作で18 And Lifeのヒットで一躍
注目されたが、今作では遂にBILLBORDのアルバム・チャートに
初登場第1位と言う快挙を成し遂げた。前作に比べて、よりコアで
パンキッシュなヘヴィ・メタルを聴かせてくれており、彼等の
持ち味を強調した作品に仕上がっていると言って良いだろう。
ワイルドに疾走しながらも、彼等らしいコマーシャル性を持ち
合わせている。SEBASTIAN BACHの攻撃的でエネルギッシュな
ボーカルが、アグレッシヴなアルバムの雰囲気を否応にも
増している。[85]
BーSIDE OURSELVES / SKID ROW
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
ミニ・アルバム。メンバーがそれぞれ好きな楽曲を持ち寄った、
企画盤的なカバー曲集だ。RAMONESのPsycho Therapy、KISSの
C'mon And Love Me、JUDAS PRIESTのDelivering The Goods、
RUSHのWhat You're Doing、JIMI HENDRIXのLittle Wingの全5曲と
言う構成になっている。こう言う企画であるが故に、まとまりに
欠ける作品ではあるが、元々そう言うものを
期待するものでもないだろう。Psycho Therapyではベーシストの
RACHEL BOLAN自身がボーカルを取っており、
Delivering The GoodsではROB HALFORD自身がゲスト
参加している。[80]
SKIN / SKIN
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
デビュー盤。元JUGGED EDGEのギタリスト、MYKE GRAYと
ベーシスト、ANDY ROBBINS、KOOGAのボーカリスト、
NEVILLE MACDONALDと言った、N.W.O.B.H.M.系の人脈による
バンドだ。方向的にはJUGGED EDGE時代からそう言った
素養があったが、ブリティッシュ・ロックを基軸としながらも、
アメリカ的なフレイバーを感じさせる、ブルージィな土臭い
ヘヴィ・メタル作品に仕上がっている。NEVILLE MACDONALDの
ソウルフルなボーカルが、こう言った雰囲気をより一層
強くしている。[80]
SKINTRADE / SKINTRADE
スウェーデンのヘヴィ・メタルの1993年にリリースされた
デビュー盤。ボーカルは元JUGGED EDGEのMATTI ALFONZETTIで、
JUGGED EDGEの中心人物であったギタリスト、MYKE GRAYがSKINと
言う似た名前のバンド名で活動しているのは決して
偶然ではないだろう。JUGGED EDGEやSKINがブルージィな
ブルージィなアメリカン・フレーバーを取り入れたものであるのに
対して、ここでは同じアメリカン・テイストながらもよりヘヴィで
グルーヴィな音楽性を目指している。全体的にはキャッチーで聴き
易く、グルーヴィでのりも良くて、中々ユニークな作品に
仕上がっている。[80]
PRINCE OF THE POVERTY LINE / SKYCLAD
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
4thアルバム。元SABATのボーカリスト、MARTIN WALKYIERを
中心に、元SATANのギタリスト、STEVE RAMSEYとベーシスト、
GRAEME ENGLISH等によるバンドだ。音楽的にはSABATのそれとも、
SATANのそれとも異なり、トラディショナルな色合いを取り入れた
ヘヴィ・メタルだ。バイオリンを全面的に取り入れ、
ミドル・テンポの民族音楽的な楽曲に、ヘヴィ・メタルらしい
演奏を被せた様な作品になっている。MARTIN WALKYIERの
ボーカルは、非常にダミ声が強いので、こう言ったタイプの
音楽には違和感を感じなくもないが、ユニークな作品である事は
間違いない。[82]
SKY / SKY
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの1979年に
リリースされたデビュー盤。クラシック・ギターの巨匠、
JOHN WILLIAMSの率いるバンドで、方向的にはクラシック、
ジャズ、ロックを融合させた
ギター・インストルゥーメンタル・アルバムだ。全体的に
フュージョン風のサウンドだが、実にメランコリックなメロディで
美しい。総じて静かで大人しいサウンドではあるが、それが
JOHN WILLIAMSのギターを引き立たせていると言って良いだろう。
FRANCIS MONKMANのキーボードも実に良い味わいを出していて
効果的だ。[87]
SKY2 / SKY
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの1980年に
リリースされた2ndアルバム。クラシック・ギター奏者、
JOHN WILLIAMS率いるバンドで、方向的にはクラシック、
ジャズ、ロックを融合させたシンフォニック・ロック風の
フュージョン作品で、このアルバムもUKチャートで
No.1になっている。非常にクラシカルでもの哀しい
JOHN WILLIAMSのギターは絶品でFRANCIS MONKMANのスペイシーな
キーボードが良く合っている。全体的に静かなのでメタル系の
リスナーには少し間が持たないかもしれないが、それでも
VivaldyやToccataといった曲には後のネオ・クラシカルと言われる
連中に通ずる部分がある。[93]
sUBHUMAN bEINGS oN tOUR!! / SKID ROW
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのミニ・ライヴ・アルバム。
今やあまり説明の必要もない位、メジャーになってしまったが、
方向的にはパンキッシュなヘヴィ・メタルで、勢いを感じさせる
サウンドだ。聴けば判るがJUDAS PRIESTのカバー、
Delivering The GoodsではROB HALFORDが一緒に歌っている。
言わば企画盤と言った類のものなので、録音したものにあまり手を
入れてないようで、非常に生々しい仕上がりになっている。
SEX PISTOLSのPsycho Therapyをカバーしているところはバンドに
合った、彼等らしい選曲だ。ライヴでの演奏がラフそうなのは良く
判るが、この作品に関してはあまり良い結果になっているとは
思えない。[76]
SUBHUMAN RACE / SKID ROW
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。集計方法が
変わったせいもあろうが、前作では、ハード・ロック・バンドの
アルバムとしては史上初めて、BILLBOARDチャートで初登場1位と
言う快挙を成し遂げている。方向的には、パンキッシュな
サウンドはこれまで同様変わらないが、今作では全体的により
ヘヴィでダークな感覚を漂わせており、楽曲によってはEileenの
様なシアトル系っぽい感じの曲もあったりする。全体的に
モダン・ヘヴィネス的な雰囲気があり、グラインド感が漂っていて
少し聴き辛さを感じる作品になってしまっている。[80]
ABSOLUTELY LIVE AT THE BORDERLINE / SKIN
イギリスのハード・ロック・バンドのライヴ・アルバム。
ではあるのだが、まだスタジオ・アルバムが一枚しか
出していないと言う事もあってか、オリジナルよりもカバー曲が
中心になっているのは致し方ないところだろう。LED ZEPPELINの
Rock 'n' Rollを始め、VAN HALEN、MONTROES、THE BEATLES、
DEEP PURPLE、FLEETWOD MACK、THE WHO等めじろ押しで、
企画盤的な要素が強い作品だ。とは言え、その
ライヴ・パフォーマンスは、HELLOWEENの前座として来日し好評を
得ただけあって中々のものだ。しかし何故、こんなに早く
ライヴ・アルバムを出す必要があったのかは謎だ。[83]
THE SILENT WHALES OF LUNUAR SEA / SKYCLAD
イギリスのスラッシュ・メタル・バンド元SABATの
ダミ声ボーカリスト、MARTIN WALKYIERを中心にN.W.O.B.H.M.に
活躍した元SATANのメンバーなどで構成されている
ヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。ヴァイオリンを前面に押し
出した一風変わったサウンドは相変わらずだが、前作と比べると
随分跳ねたようなメロディになっている。ヴィオリニストは
GEORGE BIDDLEという女性ヴァイオリニストに代わっているがその
影響はあまりないようだ。しかし、こういう耽美なサウンドでは
中心人物のMARTINのボーカルが一番欠点になっているような
気がする。[83]
SKITZOTIK / SKITZOTIK
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのBOB KULICKをプロデュースに
迎えてのデビュー盤。エッヂが効いて、ソリッドでメロディアスな
ハード・ロック作品に仕上がっており、L.A.では今や
珍しくなってしまったオーソドックスなヘヴィ・メタルと言った
感じのタイプだ。叙情感溢れるサウンドは非常に良く、ボーカルの
RIC PLAMONDONの声が扇情的なのも非常に効果的だ。ただ、少し
そう言った演出が過剰気味で、少々あざとらしさを感じない
訳でもないし、全曲通して聴かせるには緩急がなくて少し辛いが、
新人でこれだけのものが出来れば十分評価出来る内容だ。[83]
LUCKY / SKIN
イギリスのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。昨年、
HELLOWEENの前座として来日し、ライヴ・バンドとして一気に
認識された感があるが、その持ち味を生かそうとする様に
スタジオ・ライヴ的な作品で勝負して来ている。そのために非常に
グルーヴィでエモーショナルな作品に仕上がっているのだが、
肝心の楽曲が今一つ地味で、印象が薄いのが残念だ。生々しさと
ソウルフルな印象ばかり目立つが、決して悪い
出来ではないだけに、楽曲の出来がもう少し上がればかなり
素晴らしい作品になったはずだ。幾分サイケデリックで、
イギリスのバンドと言うよりは、アメリカ的な土っぽいアルバムに
仕上がっている。[81]
IRRATIONAL ANTHEMS / SKYCLAD
イギリスのバンドの6作目。中心メンバーはスラッシュ・バンド
SABBATの元ボーカリストMARTIN WALKYIER、N.W.O.B.H.M.のSATANの
メンバーだったGRAEME ENGLISHとSTEVE RAMSEYであるが、
サウンドはそういった経歴からはうって変わってバイオリンを
持ち込んだユニークなものである。アイリッシュな叙情感を
たたえた全体的な方向性は大きく変わるはずもなく、
相変わらずだ。MARTINのボーカルは相変わらずで、決して
うまいとは言えないものだし、バンドの色に合わないような
気もするが、聴きなれてしまえば聴けなくもない。バイオリンは
やや大仰だが、無ければ余計に印象に残らないだろう。矢継ぎ早に
リリースしているせいか、楽曲によっては練りが足りないような
気がする。[78]
ELECTRIC CHAIR MUSIC / SKEW SISKIN
ドイツのハード・ロック・バンドの2ndアルバムで、9曲入りのEPを
付けた2枚組みの限定盤。このバンドの聴きどころは、やはり
何といってもNINA C.ALICEのパワフルで非常にエモーショナルな
ボーカルだろう。名だたる女性ボーカリストの中でも最も格好良い
ボーカルで圧倒される。前作に比べるとややミドル・テンポの曲が
増えて、彼女のボーカルの持ち味を考えるとやや不満だが、
作品としてはそんなに悪くはない。むしろMOTORHEADのLEMMYが
フューチャーされているおまけCDの方が、疾走感が出ており、
ボーカルに非常にマッチしている。本編の方では、INTROVERDETは
よりメロディを主眼に置いた曲でやや趣が違うが、
前作ほどではないにしろ、これはで良い作品だ。[84]
A BURNT OFFERING FOR THE BONE IDOL / SKYCLAD
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
2ndアルバム。元SABBATのMARTIN WALKYIERとSATANの
STEVE RAMSEY、GRAEME ENGLISHの合体から始まったこのバンドも
ヴァイオリンを中心に配したそのサウンドはまだこの当時は
斬新だった。ミドル・テンポの楽曲からなっているが、なんとも
不思議な雰囲気を纏っている。MARTIN WALKYIERのあまり
うまくないボーカルが、このバンドに合っているとは思えないのは
相変わらずだが、それ以外は演奏に関しては特別不満はない。
このアルバムで一番良い味を出しているのは勢いのある
スピード・チューンの
Salt On The Earth(Another Man's Poison)で、耽美な事を
やっているより合っている。[78]
40 SEASONS-THE BEST OF SKID ROW / SKID ROW
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのベスト・アルバム。
ボーナス・トラックを含め、収録された17曲中7曲がデモや
リミックス、ライヴ、未発表曲と言う内容になっており、
それなりに貴重だ。そのうちInto Another、Frozen、My Enemy、
Breakin' Down、Beat Yourself Blind5曲がSUBHUMAN RACEからだ。
2ndアルバムでの成功に続く、このSUBHUMAN RACEの方向性の変化に
対する修正だろうが、それでも2ndまでのパンキッシュな勢いと
言う所までは至っていない。未発表曲のForeverはデビュー
当時のもので、デビュー盤の収録曲ほどフックは感じられないが、
ストレートなロック・ナンバーだ。Fire In The Holeは最も脂が
乗り切っていた1991年に収録された未発表曲のデモで、これが
最もSKID ROWらしい勢いとのりを感じさせてくれる。[82]
POST ORGASMIC CHILL / SKUNK ANANSIE
アメリカのロック・バンドの3rdアルバム。ダブ・ミュージックの
様なサウンドに、スキン・ヘッドの女性ボーカリスト、SKINが
時には攻撃的に、時には優美に、時には切々と歌うボーカルは、
ゾクゾクする程悩ましい。バイオリンを絡めた
Charlie Big Potatoは、官能的で素晴らしい佳曲だ。
ALICE IN CHAINSの様なシアトル的なエッセンスを持っており、
ヘヴィ・メタル方面ファンにも多少なりとも聴ける作品だ。
とにかく楽曲の出来が良く、その雰囲気を非常に良く出していて、
彼等の世界をきちんと確立している。SKINのボーカルの情感の
豊かさもあいまって、非常にエモーショナルで素晴らしい
アルバムに仕上がっている。[86]
DIVINE GATES PART I:GATE OF HELL / SKYLARK
イタリアのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。2部作の
第1部で、第2部は2枚組みではなく別々にリリースされる予定だ。
方向的には、これまでは割と毒にも薬にもならないタイプで、聴き
流してしまいそうな叙情派ヘヴィ・メタルだったが、より
ジャーマン・パワー・メタル的な色合いが強い作品に
仕上がっている。EDDY ANTONINIのキーボードは、今作でも
出過ぎている位で、RHAPSODYとROYAL HUNTの中間と言った
感じがする。これまでも、メロディ自体は悪くなかっただけに、
フックが幾分出て来た分聴きごたえは出て来たと言っても
良いだろう。FABIO DOZZOのボーカルも悪くはないのだが、一部
高音部で非常に辛そうなのが気になる。[81]
WHAT THE HELL / SKEW SISKIN
ドイツのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。何と言っても
このバンドで特徴的なのは、NINA C.ALICEのボーカルで、女性的な
声質ではあるが、そこら辺にごろごろしている男性
ボーカリストより遥かにパワフルかつエモーショナルな歌唱を
聴かせてくれる。今作では、よりしゃがれた歌い方になっている
様な気がするが、魅力は劣る事はない。楽曲的にはストレートな
ハード・ロックンロールで、デビュー盤でのシンプルな楽曲作りが
功を奏している。やや詰め込み過ぎで、楽曲が多すぎる様な
気はするが、ラウドで非常にのりの良い
ハード・ロックンロール・アルバムに仕上がっている。[84]
FORESHADOWING OUR DEMISE / SKINLESS
アメリカのデス・コア・バンドの2ndアルバム。そのサウンドは
かなりヘヴィ・メタル的な重厚さを感じさせるもので、
ハード・コア的なスピード感はそれ程感じさせない。もちろん
グラインド・コア的なブラスト・ビートが折り
込まれていたりするのだが、そう言ったドラミングや
ギター・リフとは別に、デス・ボイスで禍禍しく歌う
SHERWOOD WEBBERのボーカルによるところも大きいだろう。この
怒号とも言えるボーカルは、デス・メタルに馴染みがないとかなり
辛いところであるのは確かだ。ブルータルなグラインド・コア系
デス・メタルと言える作品で、その手の系統の作品が好きならば
結構聴けるだろう。[80]
FOLKEMON / SKYCLAD
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの10thアルバム。元SABBATの
ボーカリスト、MARTIN WALKYIERとSATANのギタリスト、
STEVE RAMSEY、ベーシスト、GRAEME ENGLISH等を中心とした
バンドだ。フィドルやビオラを使った、彼等らしい牧歌的な
ヘヴィ・メタルと言って良いが、彼等としてはアップ・テンポで
のりが良く、聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。その
音楽性は、アルバム・タイトルが示す様に、フォーク色のある
ヘヴィ・メタルで、中世的な古っぽさの感じられる彼等らしい
独自色を出せており、楽曲のドラマティックさも増している。[81]
TIMELESS DEPARTURE / SKYFIRE
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの
デビュー盤。音楽的には、この手のものとしても最もキーボードを
押し出したもので、特によりキーボード・パートが前面に出ている
場面などでは、シンフォニック・ブラック・メタルに通ずる部分も
感じられる。ただ、このキーボードを除けば、楽曲自体はより
アグレッションの効いたものとなっており、中々聴き応えは
感じられるアルバムに仕上がっている。叙情的なメロディも良く
出来ているので、美しさが良く出ている。ただ、キーボードが
あまりにも前面に出過ぎているため、ややうざったく
感じられるのは如何ともし難いところだ。[80]
ANOTHER FINE MESS / SKYCLAD
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。1995年に行われた
DYNAMO OPEN AIRに出演したときのライヴ・テイクと未発表音源を
集めたレア・トラック集だ。彼等の音楽と言うと、フィドルを取り
入れた、トラディショナルなフォーク・メタルだが、その特徴は
ライヴでも決して失われる事無く再現されている。彼等らしさが
良く出ており、彼等ならではライヴの魅力が良く伝わって来る
作品だ。そう言う意味ではこう言う変則的な作品にしないで、全編
ライヴ作品にしても良かったのではないかと思える。
レア・トラックの方は良くも悪くも彼等らしいもので、特別
どうこう言う必要はないものだ。[81]