UNRULY CHILD / UNRULY CHILD
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
デビュー盤。元KING KOBRA、SIGNALのボーカリスト、MARK FREE、
元STONE FURY、WORLD TRADEのギタリスト、BRUCE GOWDY、
元WORLD TRADEのキーボード、GUY ALLISON、元HURRICANEの
ドラマー、JAY SCHELLENと言った、中堅バンドで活躍したメンバー
等によるバンドだ。アメリカのバンドらしいキャッチーさを持った
ポップなヘヴィ・メタルで、明るいのりの良さも感じさせてくれる
作品だ。楽曲自体の出来も飛び抜けたものはないものの、
それなりのレベルには達しているし、Who Cries Nowの様な、少し
憂いを帯びた、1980年代ならシングル向けに良い様な楽曲もある。
しかし、如何せん時代的なタイミングからは遅れており、
残念ながらほとんど話題にも上る事はなかった。[81]
UNIVERSE / UNIVERSE
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1985年にリリースされた
唯一のアルバム。初期北欧メタルだけあって、やはり録音状態は
良くないのだが、酷いと言った程までのレベルには行っていない。
楽曲はアップ・テンポの曲が中心でのりが良いし、親しみ易い
ボーカル・ラインだ。幾分N.W.O.B.H.M.の影も感じるが、より
キャッチーで愁いのあるメロディアスなアルバムだ。
KJELLE WALLENのボーカルは、MEDINA AZAHARAのMANUEL MARTINEZを
もっと普通に歌わせた感じで、決して旨いとは言えないが情感は
良く伝わってくる。チープなプロダクションではあるが、楽曲には
洗練された部分もあって、初期北欧メタルとしては良く
出来ている。[85]
N.O.I.Q / UNITED
メジャー・デビューして一気に名をはせた感じのある日本の
スラッシュ・メタル・バンドのメジャー移籍第一弾となる
アルバム。内容的にはハード・コア系のスラッシュ・メタルと言う
感じで、この手の日本のスラッシュ・メタル・バンドの
アルバムとしては非常にレベルの高い出来ではあると思う。
プレイにも吹っ切れた感じがあって中々壮快だが、完成度を取ると
OUTRAGEにまでは及ばない。ボーカルは特に悪いという
訳ではないのだが、どうも合っていないと言う感じで、しっくり
来なくてのめり込めないのが残念だ。[79]
BEST RARE TRACKS FROM UNDERGROUND / UNITED
日本のスラッシュ・メタル・バンドのベスト盤。日本でではトップ
級の評価を得てるバンドで、インディーズ時代の3枚の
アルバムから選曲されたものだ。メジャー・デビュー後の
楽曲がないとは言え、ベストに選曲されたものだから曲は結構
良いし、ボーカルもメジャー・デビュー盤より、より自然に
思える。ややヘヴィネスよりになったU.N.I.Q.よりは、より
スラッシュ・メタル然とした楽曲はむしろ好感が持てる位だ。
全体的に曲の流れも良く、U.N.I.Q.よりはこちらの方が変な
力みが感じられず、良い出来だと思う。日本で世界に通用する
数少ないバンドの一つと挙げて良いだけのレベルには達している。
[83]
ANCIENT GOD OF EVIL / UNANIMATED
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの2nd
アルバム。ボーカルのMICKE JANSSONはこの手の破棄捨て型
デス・ボイスではそれ程強烈ではなく、割と聴き易い
ボーカリストで、悪くない。楽曲は耽美な系統ではなく、たまに
ブラスト・ビートを差し挟んでくるものの、もろに
パワー・メタルという路線を行っている。極端にメロディを全面に
押し出すようなところが無く、十分のりを感じれる所が自然で
良い。DISSECTIONやAT THE GATEと言ったところと同一路線なので
楽曲的には割とすんなり聴けるものだと思う。楽曲の出来は
メロディも含めてかなり高いレベルに達している作品だ。[88]
ALL LINED UP / UNDERCOVER
オランダのヘヴィ・メタル・バンド、VANDENBERGの
元ボーカリスト、BERT HEERINKと同じく元ベーシスト、
DICK KEMPERのバンドの2ndアルバム。1990年にカバーばかりを
収めた1stアルバムをリリースしたが、今作ではBERT HEERINKが
ソロでカバー曲ばかりのアルバムを作ったためか、オリジナル
一辺倒になっている。VANDENBERGっぽいところも少しある
事はあるが、むしろアメリカン・ロック的な作品でヘヴィさは
それほどない。特に飛抜けた曲がある訳でもないので、取り立てて
騒ぐほどのアルバムではないが、出来は悪くないし粒は
揃っている。クラッシックのフレーズをギター・ソロで入れたりと
言う工夫も一応あるし、BERT HEERINKの歌声はやはり懐かしさを
感じさせ感慨深いものがある。[83]
RELOAD / UNITED
今や日本のスラッシュ・メタル・シーンを支えていると言っても
良いUNITEDの6thアルバム。今作で大きな
ターニング・ポイントとなったと言えるのは、新ボーカリスト
稲津信一の加入だろう。超弩級の咆哮型ボーカリストで好き嫌いは
分かれそうだが、このタイプのボーカリストとしては出色の
出来だ。ボーカルの個性もあってか、やや
モダン・ヘヴィネスっぽい感じもしなくはないが、味付け程度で
決してスラッシュから外れてしまってはいない。全体的な
プロダクションも良く、コアなスラッシュ・メタルが
好きな向きには合うだろう。[84]
...ACTA EST FABULA / UNDISH
詳細は全く判らないが、ゴシック・メタル・バンドのデビュー盤。
ADA SZARATAという女性ボーカルとドラムを兼任している
ROBERT BAUMのツイン・ボーカル。ROBERT BAUMは通常
クリア・ボイスで歌っているが、たまにデス・ボイスっぽい
事をやったりしている。全体的にはニュー・ウェーブっぽい
キーボードを入れた浮遊感のあるサウンドで、耽美さはそれほど
感じない。走るところでは走るので、割と
スピード感はあるのだが、メロディの面白味が今一つ足りない。
出来は悪くはないのだが、これといったところもないのが難点だ。
[79]
DISTORTED VISION / UNITED
日本のスラッシュ・メタル・バンドのアルバム。ボーカリストが
稲津信一に交代して発表したRELOAD、ミニ・アルバムBURSTと
モダン・ヘヴィネス色が強くなってきていたが、今作では
そういった傾向がより顕著になっている。稲津信一の
ボーカル・スタイルを見ても、そういった方向性を年頭においての
ボーカル交代だった様に感じる。変則的な展開もあったりと中々
アバンギャルドな所を見せているが、古くからのファンが
こういった方向転換を何と思うかは意見が分かれるところだろう。
プログレッシヴでブルータルな作品であり、過去のUNITEDを
思わなければこれはこれでユニークな作品だと思うのだが。[84]
BURST / UNITED
日本のスラッシュ・メタル・バンドの1997年にリリースされた
ミニ・アルバム。新ボーカリスト、稲津信一を加えて、過去の
リメイク3曲と、新曲2曲と言う内容になっている。どちらかと
言うとよりスラッシュ然としていた古井義明に比べて、より
ブルータルなボーカル・スタイルの稲津信一になった事で、
SEPULTURAの様なエクストリームさは感じるが、そこまでの
カタルシスが感じられないのはいかんともし難い。但し、勢いと
言うものは十分感じられるし、そのコアなサウンドはそれはそれで
評価出来る。リメイクのスラッシュ然とした楽曲はやはり中々
爽快だ。[82]
ANCIENT GOD OF EVIL / UNANIMATED
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの1995年に
リリースされた2ndアルバム。かなりアップ・テンポの
パワー・メタル型メロディック・デス・メタルで、
MICKE JANSSONの咆哮型デス・ボイスはかなり強烈だが割と自然に
聴ける。AT THE GATE等と近く、なおかつブラスト・ビートと
言ったものはほとんど入っていないため中々聴き易い
方ではないかと思う。日本盤にはボーナス・トラックとして2曲
追加されているが、Stroms From The Skies Of Griefはスローで
メローな小曲で取りたててどうと言うほどのものでもないし、
Outroは単なるSEで曲と言った様なものではない。[86]
UNDER FIRE / UNDER FIRE
元BILLY SQUIREのCARY SHARAFと元NEW ENGLAND、ALCATRAZZの
JIM WALDOを中心とした、アメリカのハード・ロック・バンドの
1986年に制作しながらお蔵入りになったアルバムをCD化したもの。
洗練されたお洒落で叙情的なメロディのハード・ロックで、中々
素晴らしいメロディ・センスを窺わせてくれる。飛び抜けた
楽曲はないが、Burrning Desire等、印象的なさびもあって掘り
出し物と言っても良い作品に仕上がっている。プロダクションに
ややばらつきがあるように思えるが、メロディアスでキャッチーな
作品が好きな人にはお奨めだ。全体的にはロックンロール的で
テンポ良く進んでいくのも好感が持てる。MOKI DEMARCOの艶のある
ボーカルも良く映えていて、悪くない。[84]
WAITING FOR THE SUN / UNRULY CHILD
元STONE FURY、WORLD TRADEのギタリスト、BRUCE GOWDY率いる
アメリカのハード・ロック・バンドの7年振りの2ndアルバム。
前作ではキャッチーなメロディは悪くなかったが、整い過ぎと言う
感じで、今一つ盛り上がりに欠けていた。それが、今作ではより
生々しい音作りでダイナミズム溢れる作品に仕上がっている。
ボーカルはMARK FREEから元HURRICANEのKERRY HANSENに
交代しているが、KENNY HANSENのエモーショナルなボーカルが、
めりはりを付けて、相乗効果を出しているのも良い。清々しく、
叙情感溢れるキャッチーなメロディの楽曲も素晴らしい出来で、
非常に良く出来たアルバムだ。アダルトな雰囲気も有り、
じっくりと聴かせてくれる作品に仕上がっている。[85]
CIMMERIAN / UNMOORED
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの1999年に
リリースされたアルバム。方向的には、スラッシィな雰囲気も
漂う、パワー・メタル型のデス・メタルだ。CHRISTIAN ALVESTAMの
ボーカルは、歪ませてはいるが野太いと言った程度で、
デス・ボイスと言ってもそれ程聴き難くはない。この
デス・ボイスにクリア・ボイスを混ぜてきて、叙情感も浮き
出させている。ごりごりとした攻撃的なサウンドに、格好の良い
メロディがのって来ると言う感じで、ブラスト・ビートを入れて
来たりするが、意外と聴き易い作品に仕上がっている。
新鮮さはないが、リフが中々面白くて、聴き飽きない
作品になっている。[82]
UNDER THE SUN / UNDER THE SUN
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの
デビュー盤。方向的には、シンフォニックな色合いの強い
プログレッシヴ・ロックと言えるもので、BLACK SABBATHの
曲名からバンド名を取ったと言う割には、余りハードさは打ち
出していない。どちらかと言うと、空間の広がりを感じさせる様な
作品に仕上がっており、幻想的な雰囲気を漂わせながらも、
エッヂのたった緊張感溢れるサウンドは非常に聴き応えがある。
YESやRUSH的な色合いが強く、この手のバンドとしては最も
プログレッシヴ・ロックよりと言っても良い作品だ。メロディは
割とキャッチーで聴き易く、中々良いアルバムに仕上がっている。
[84]
THE BLUE ROOM / UNION
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。
元MOTLEY CRUEのボーカリスト、JOHN CORABIと元KISSの
ギタリスト、BRUCE KULICKによるバンドだ。ワイルドで軽快な
ハード・ロックンロール・ナンバー、Do Your Own Thingで幕を
開けるが、以降はミドル・テンポのヘヴィなロック・ナンバーが
延々と続く。とは言え、楽曲の出来は十分水準に達しているし、
JOHN CORABIのボーカルもこう言った楽曲の方が持ち味が出る様な
気がする。全体的にやや淡々とし過ぎていると言う感じもあって、
1曲これはと言う様な楽曲が欲しかった様な気もするが、悪くない
アルバムだ。[80]
INFECTIOUS HAZARD / UNITED
日本のスラッシュ・メタル・バンドの3年振りとなるアルバム。
ボーカリストの稲津信一が脱退し、元DEATH FILE湯浅正俊を迎え、
既に完成していたアルバムを再録音しなおしたものだ。稲津信一の
ヘヴィネスな方向と言った感じのボーカルと比べると、湯浅正俊の
ボーカルは、だみ声ながらもそう言ったヘヴィネス的な色合いが
薄い。今作では、ここ最近のヘヴィネス的な路線からやや変わり、
昔のよりスラッシュ・メタル的だった頃の方向性になっているが、
こう言った方向性の変化がボーカルの選考にも影響したのだろう。
その分、パンチ力に乏しい感じがあり、今一つこれと言ったものが
感じられないのは残念だ。[80]
KINGDOMS GREED / UNMOORED
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの
2ndアルバム。基本的には歪ませたしゃがれ声の
デス・ボイスだが、時折クリア・ボイスを織り交ぜてくる。そう
言う場面等ではある程度メロディを全面に押し出して来るのだが、
場面によってはブラスト・ビートを中心にし、ブラック・メタル
的な荒涼としたサウンドを聴かせてくれている。方向的には前作の
延長線上とも言えるもので、ブルータリティに溢れるスラッシィな
作品で、ドラマティックさを感じさせてくれるアルバムに
仕上がっている。かなり攻撃的なサウンドの割には、意外と
メロディアスな部分を入れて変化を付けてるのも良いし、
ブラスト・ビートが中心の割には意外と聴き易くて好感が持てる。
[80]
UNDER SUSPICION / UNDER SUSPICION
アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー盤。
JIMI JAMISON'S SURVIVORのドラマーでプロデューサーだった
KLAY SHROEDELとボーカリスト、JEFF ADAMSを中心とした
バンドだ。その事実からも判る通り、音楽的にはいわゆる
産業ロック的なもので、叙情派のメロディアス・ハード・ロックを
聴かせてくれている。楽曲自体の出来はメロディの良さもさる
事ながら、フックもあって素晴らしく、SURVIVORと比べるとより
憂いが強いもので、日本人好みと言っても良いだろう。演奏も申し
分なしだが、JEFF ADAMSのボーカルは更に素晴らしく、
これだけでも聴く価値はある。[85]
CORE / UNITED
日本のスラッシュ・メタル・バンドのアルバム。ここ数作では
スラッシュ・メタル的なエッセンスは薄くなっていたが、前作で
やや揺り戻した感じがあった。今作もその延長線上と言って
良いものだが、スラッシュ・メタルと言うよりはハード・コア色が
強くなったと言った方が良いだろう。モダン・ヘヴィネスから
ラウド・ロックに変換したと言う感じで、どうも流行を追っている
様な気がしてならないのだが、非常に緊迫感のある作品に
仕上がっており、そのクオリティの高さは流石と言うべきだろう。
湯浅正俊のスクリーミングとノーマル・ボイスを織り交ぜた
ボーカルも良い味付けになっている。[83]
ELVA / UNWRITTEN LAW
アメリカのロックンロール・バンドの4年振りの2ndアルバム。
音楽的にはメロディック・パンクとヒップ・ホップを主軸にした
ロックンロールだが、そこにオルタナティヴ・ロックや
ヘヴィ・ロックと言った要素も盛り込み、ミクスチャー的な
色合いの強い作品だ。今風のややどんよりとしたモダンな
メロディを取り入れ、勢いがあって、爽快感がある中にも
どことなくわびしさを感じさせてくれる。モダンなヘヴィ・ロック
風の重厚さを感じさせてくれるところもあるし、メロディは中々
魅力があって、フックのある聴き応えのあるアルバムに
仕上がっている。[83]
UC III / UNRULY CHILD
アメリカのハード・ロック・バンドの4年振りの3rdアルバム。
元STONE FURY、WORLD TRADEのギタリスト、BRUCE GOWDYを
中心としたバンドだ。これまで元KING KOBRA、SIGNALの
ボーカリスト、MARK FREE、元HURRICANEのKERRY HANSENと言った
ボーカリストを擁して来たが、今作ではMAGDALENの
PHILIP BARDOWELLがボーカルを取っており、前任者の2人に
負けないパワフルなボーカルを聴かせてくれている。BRUCE GOWDYの
キャッチーなメロディ・センスが良く出ており、Kings Of Tragedy
等では哀愁味も効かせて、良質のアメリカン・ハード・ロックを
聴かせてくれている。[83]
THE BASEMENT DEMOS / UNRULY CHILD
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。そのタイトルが
示す通り、過去のデモ音源を集めたもので、リハーサルや
インタビュー等を収録したDVDとの2枚組となっている。デビュー盤
リリース後に収録された音源からなっており、ボーカルは当然
MARK FREEが取っている。未発表曲も多く収録されており、
幻となった2ndアルバムがどの様なものだったか想像させる
作品だ。デモと言ってもプロダクションはかなり良く、資料的な
価値も高いアルバムと言えるだろう。未発表の楽曲も、彼等らしい
ハートフルでメロディアスなナンバーが揃っており、デモと
言うには少し惜しい内容だ。[83]