SEA OF LIGHT / URIAH HEEP
イギリスのベテラン・ハード・ロック・バンドのアルバム。その
サウンドは随分初期よりになったなっており、PHIL LANZONの
キーボードなどは如何にも古さを感じさせるものになっている。
古臭いと言っても、その方向性と感性においてで、
アメリカナイズされて、ブリティッシュ的な雰囲気が抜け
落ちていた一時より、かなりブリティッシュな感覚を取り戻したと
言った感じだ。しかし、残念ながらアルバム全般に渡って楽曲の
クオリティを保つことが出来ておれず、途中で飽きてくる。
Against The Oddsのコーラス部などは非常に格好良くて、ぐっと
来るのだが。[84]
SPELLBINDER / URIAH HEEP
イギリスのハード・ロック・バンドのライヴ盤。1970年から
活動するイギリスの古参ハード・ロック・グループで、昨年
SEA OF LIGHTがマスコミに持ち上げられて日本でも久々に
注目された。このライヴはそれ以前の音源で、新規のファンには
これまでのバンドを知って貰うのに楽曲的にはかえって良いかも
知れない。ただ、これまでライヴは何枚も出している訳で、
そういう意味では存在意義が非常に弱い。名曲、
Look At YourselfからLady In Blackへの展開は中々
素晴らしいし、出来的には全く問題ないアルバムだ。[82]
KING BISCUIT FLOWER HOUR PRESENTS / URIAH HEEP
今尚、健在のブリティッシュ・ハード・ロック・バンドの
ラジオ番組用に収録されたライヴ音源をCD化したもの。1974年の
サンディエゴでのライヴの模様を収めたもので、バンドとしては
絶世期と言っても良いだろう。メンバーのうち、DAVID BYRONと
GARY THAINはもうこの世におらず、貴重な作品だ。その後
OZZY OSBOURNEバンドに加入したLEE KERSLAKEや、BLACKFOOTに
在籍したKEN HENSLEYもおり、メンバー的には最も
充実した頃だろう。DAVID BYRONのソウルフルなボーカルに、
KEN HENSLEYの扇情的なボーカルは鬼気迫るものがあるし、名曲
Look At Yourselfもこのメンバーであればこそと言える
仕上がりだ。この頃のURIAH HEEPを本当に実感させてくれる
アルバムだ。[84]
SONIC ORIGAMI / URIAH HEEP
結成28年と言う、イギリスのベテラン・ハード・ロック・バンドの
3年振りのアルバム。DAVID BYLON、KEN HENSLEYと言った初期を
支えたメンバーもおらず、今やMICK BOXのバンドと言った
感じだが、Everything In Life等は昔を思い
起こさせてくれるような楽曲だ。BERNIE SHAWやPHIL LANZONが
決して劣っているとは思わないが、あの当時の熱さはあの
メンバーだったからと言うような気がする。全体的に
洗練されてしまったためにフックが今一つ感じられないのも
難点だ。その分聴き易くなったと言う感じはするが、わざわざ
SURVIVORのAcross The Milesをカバーする
意味はあったのだろうか。とは言うものの、楽曲はそれなりに
良く出来ているし、決して悪い作品ではないのだが。[81]
DEMONS AND WIZARDS / URIAH HEEP
イギリスのハード・ロック・バンドの1972年にリリースされた
4thアルバム。それまでの作品と比べると、
アコースティック・ギターを前面に押し出した作品となっており、
これまでとはやや一線を画した部分も伺える作品だ。
KEN HENSLEYのキーボードがかなり前面に出て来ていて、これらの
楽曲に見事に融和している様は、中々圧巻だ。全く、そう言った
楽曲ばかりと言う訳ではなく、ヒット曲のEasy Livin'と言った
LOOK AT YOURSELFまでの路線の、ハードでアップ・テンポの格好
良い佳曲も収められている。LOOK AT YOURSELFと比べると、やや
実験的な部分が強すぎてちょっと馴染めない部分もあるかも
知れないが、幻想的でブリティッシュ・ハード・ロックらしい
味わいがあって、中々良い出来だ。[84]
LOOK AT YOURSELF / URIAH HEEP
イギリスのハード・ロック・バンドの1971年にリリースされた
3rdアルバム。バンドの代表作であり、対自核と言う邦題で
知られる名曲、Look At Yourselfを始め、July Morning等、佳曲が
取り揃っている。KEN HENSLEYのオルガンに、DAVID BYRONの
ボーカルが、絶妙の取り合わせで、非常に緊張感なる作品に
仕上がっている。特にKEN HENSLEYのオルガンは非常に露出度が
高く、この頃のバンドの魅力の1番の要因になっていたと言っても
過言ではないだろう。MICK BOXがあくまでもバンドの中心であり、
楽曲を作っていたKEN HENSLEYとDAVID BYRONがバンドを去って
行くまでがこのバンドの全盛期と言えるだろう。[86]
URBAN TALE / URBAN TALE
フィンランドのハード・ロック・バンドのデビュー盤。方向的には
JOURNEYの流れを汲む、叙情的なメロディの産業ロック系の
ハード・ロックだ。元々JOURNEYのトリビュート企画がバンド
結成に結びついただけあって、正しくJOURNEYファン向けと言って
良いだろう。TERRA NOVA辺りにも近いが、もっとAOR的
エッセンスが強いし、より憂いを帯びたサウンドとなっている。
ヘヴィ・メタル側のリスナーには、やや落ち着き過ぎと
感じられるかも知れないが、適度にフックもあって聴き
応えはある。何よりメロディの出来が素晴らしいので、かつての
アメリカン・プログレ・ハード辺りが好きな人にはお奨めだ。[85]
FUTURE ECHOES OF THE PAST / URIAH HEEP
イギリスのハード・ロック・バンドの2枚組みのライヴ盤。
1999年に行われたドイツでのツアーの模様を収めたものだ。一応
ベスト・ライヴと言う位置付けの様だが、July Morning、
Easy Livin'、Look At Yourselfと言ったお馴染みの楽曲は2枚目に
固まっており、2枚目での盛り上がりは凄いが、1枚目の取っ付きが
少し悪い様な気がする。キーボードを配した叙情的で1970年代的な
サウンドで、当たらし目の楽曲も含めて古典ハード・ロックと
言えるアルバムに仕上がっている。哀愁を感じさせるメロディに、
古めかしいキーボード、BERNIE SHAWの熱唱等演奏も良いし、
プロダクションも十分満足出来る。[83]
SIGNS OF TIMES / URBAN TALE
フィンランドのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。
方向的にはJOURNEY等の流れを汲む、オールド・スタイルの
メロディアスなハード・ロックだが、もっと産業ロック的な
色合いが強く、この手の多くのバンドが陥りがちな、無味無臭の
オリジナリティのなさにこのバンドもはまりかけている様に
思えるし、実際楽曲もどこかで聴いた事がある様な気さえする。
それにこう言った音楽が今売れるはずもなく、セールス的には
非常に苦戦すると思える作品だが、メロディ・センスの良さだけは
飛び抜けており、Hello Light!等は非常に印象的だったりする。
プロダクションも演奏もしっかりしているし、少なくともこの
アルバム単体で考えればかなりレベルが高いのは確かだ。[85]