ZINATRA / ZINATRA
オランダのハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた
デビュー盤。後にVALENTINEとして活躍する、ROBBIE VALENTINEが
在籍していた事でも知られるが、この作品ではまだ彼は
参加していない。むしろ、ゲストとしてDEF LEPPARDの
PHIL COLLENが参加している事で知られる作品だ。方向的には
憂いの効いた、オランダのバンドとしては最もポップな
ハード・ロックと言えるアルバムだろう。適度にキャッチーで、
ハードさは今一つ足らないので地味に感じられるが、聴き馴染みが
良くて、メロディの出来もまずまずで、悪くない出来だ。[82]
THE GREAT ESCAPE / ZINATRA
オランダのハード・ロック・バンドの1990年にリリースされた
2年振りの2ndアルバム。今作よりキーボードとして、現在
ソロとして活躍するROBBIE VALENTINEが加入している。元々
キーボードを押し出したポップなハード・ロックを
聴かせてくれていただけに、パーマネントなキーボードが
加入したのは良い結果となっている。音に厚みを増して聴き
応えがあり、特に前作ではキーボードのチープさが
気になっただけに、この辺りの改善は非常に効果的だ。新加入した
ROBBIE VALENTINEと外部のライターであるDANGER DANGERの
ボーカリスト、PAUL LAINEが中心となって楽曲が書かれており、
デビュー盤より洗練されたイメージを受ける。[84]
THUNDER FROM THE MOUNTAIN / ZION
アメリカのクリスチャン・ヘヴィ・メタル・バンドの
1989年にリリースされたアルバム。プロデュースを元BLOODGOODの
DAVID ZAFFIROが担当している。いかにもアメリカらしい叙情的な
楽曲で、湿っぽい曲から明るい曲まで幅広く、ややICONを
思わせる。この叙情的なメロディは中々の出来なのだが、さびに
今一つインパクトがないのが残念だ。ギターが遊離して
聞えるときがあって、重厚さが今一つ感じられないのも難点だ。
メロディ・センスには結構良いものが感じられるだけに、こう
言った部分が改善されればかなり良くなったのではという
気もするが、その後名前を聞かないのでバンドはもう
存在しないのかも知れない。[84]
DO YOU BELIEVE / ZIAD
詳細は良く判らないが、アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの
1994年にリリースされた多分唯一のアルバム。ライヴや
アコースティックのマテリアルを入れている事を考えると、始めは
ミニ・アルバムだったのもを体裁を整えて
アルバムにしたのかもしれない。全員同じ名字で、多分
ファミリー・バンドだろう。ところによっては、普通に歌えるのに
わざとだみ声に潰して歌うSHARIF A.HAMDANだが、曲調的には
わざわざとだみ声にする必要もそれ程感じないし、全て普通に
歌った方が良かったのではないだろうか。前半は全て
ミディアム・テンポのヘヴィでダークなナンバーで
扇情的ではあるものの、のりは今一つだ。ただ、ピアノを前面に
押し出したアコースティック・バージョンのRed On Whiteは
非常に味わい深い曲で、もっとこういった方向性で勝負した方が
良かったのではないだろうか。[72]
GOLIATH BIRDEATER / ZIGGY
日本のメロディアス・ハード・ロックンロール・バンドの
10thアルバム。ハード・コア風のWannabeで始まったときは、
ちょっと引いてしまったが、それ以降はキャッチーなメロディに
溢れた彼等らしい作品になっている。それ故、何故これだけ
違和感の漂う楽曲を入れるのか、非常に疑問に思えるところだ。
如何にも日本のロックらしいメロディに、日本語の歌詞に拒否
反応を起す人も居るかもしれないが、メロディ・センスは中々
素晴らしい。軽快なテンポとメロディの
ハード・ロックンロールは、非常に聴き易いし親しみやすくて、
出来も中々良い出来だ。[82]
HEAVEN AND HELL / ZIGGY
日本のハード・ロックンロール・バンドの復活第1弾となる
アルバム。と言っても、SNAKE HIP SHAKESに変えていたバンド名を
元に戻しただけなので、音楽性自体が劇的に変化した訳ではない。
音楽的にはパンキッシュなハード・ロックンロールで、今の海外の
バンド等と比べると、もっとオールド・タイプ的な感じのする
内容と言って良いだろう。キャッチーさを前面に押し出し、歌詞が
日本語と言う事もあるが、ボーカル・ラインが海外のバンドとは
かなり違った印象を受ける、ミドル・テンポやバラードの楽曲は
一切廃止、アップ・テンポののりの良い
ナンバーばかりにしているのも好感が持てる。[80]
HEAVEN AND HELL II / ZIGGY
日本のハード・ロックンロール・バンドのアルバム。前作では
オールド・タイプのパンキッシュなハード・ロックンロールと
言った音楽を聴かせてくれていたが、ここでは音楽性を
一転させて、アコースティック・バラードやアメリカ南部的な
ブルーズを聴かせてくれており、前作との共通点は全くないと
言って良いだろう。前作ではアップ・テンポのノリの良さを
感じさせてくれたが、今作ではじっくり聴かせる事に
注力していると言えるだろう。彼等の今の音楽性を二分して、
それぞれのアルバムに収録したと言う感じで、2枚あわせて1組の
アルバムと言う事でこう言うタイトルになったのだろう。[82]